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メヌエット(10) メヌエット(10) 美姉妹といっしょ♪~新婚編
 
 北欧バカンス七日目。

「ん~~~、やっと着いた。道中、どうなるかと思ったけど、無事に着いて好かった好かった」

 宏はストックホルム中央駅に降り立つや、大きく伸びをした。
 外の冷たい空気を深く吸い込むと車内の暖房で蕩けた身体が引き締まった気分になる。
 吐き出す息は白く朦々と舞い上がり、曇天の低い空へと吸い込まれてゆく。

「でもだいぶ遅れて着いたな。アビスコを十五時半過ぎに発ったから、ほぼ一昼夜、列車で過ごした事になるのか」

 ホームに据えられた年代物の時計柱――千八百七十一年に開業した当時のものだ――を見上げると、十三時を少し過ぎた辺りを指していた。
 妻十人の様子を覗うと、ホームにキャリーバッグを下ろすや屈伸したり腰を回したりしている。

(みんなも身体が凝り固まったみたいだな。まぁ、狭い座席の飛行機と違って各自、適度に動き回っていたし飲み食いもしてたから、エコノミークラス症候群になってはいないだろうけど……大丈夫だよな?)

 いくら寝台(ベッド)で手脚を伸ばして眠っているとは言え、それ以外の時間は同じような姿勢を長時間、取り続けたのが原因だろう。
 宏が少し眉を顰めると、正面に立つほのかが表情の変化に気付いたのか声を掛けて来た。

「ま、あれだけの悪天候の後で、三時間ちょいの遅れで着いたなら定刻の範囲さ。ヨーロッパの国際寝台列車なんざ、平常時でも五~六時間、平気で遅れる場合があるからな。だからそんな気にする事、無いぜ」

 右腕で腰まで届く波打つ金髪を背中に払い、ニッコリ笑って慰めてくれた。
 どうやら列車の遅れ云々の言葉を耳にし、憂いていると思ったらしい。

「ありがと、ほのかさん。まぁ、そうなる場合を見越してクシェットを取っておいて正解だったよ。お陰でみんなしてノンビリ出来たし」

 莞爾と笑う宏はアビスコからストックホルムまでの帰路に寝台列車を選び、六人用二等簡易寝台(クシェット)を二室、日本を出発する前に予約しておいたのだ。

「そうだな。もし一等寝台の二人部屋だったら、みんなで夜遅くまで楽しめなかったかもな。流石、旅や鉄道にも造詣が深いだけあって抜け目無いな」

 切れ長の碧眼を細めてサムズアップするほのかに、宏も、してやったりとばかりニヤリと笑う。

「ひとつの区画(コンパートメント)に三段ベッドが向かい合って並んでるから大人数の俺等には最適だし、造りもひと昔前の日本のB寝台車を彷彿とさせるから旅情を味わえると思ってね」

 ここで宏はヒョイと肩を竦める。

「まぁ、じっくりと味わったは好いけど、あの嵐の余波で千五百キロの道程が二十二時間だもん。とは言え、通常でも十九時間掛かるから大差無いけどねー」

「まぁ、どこもかしこも除雪が追い付かないからな。数時間程度、遅れて当然さ。むしろ運休しないだけラッキーだぜ?」

 金髪碧眼ハーフ美女のウィンクに、宏の心が少し、軽くなる。

「着くだけ御の字、って事か」

 宏達の乗った列車は、アビスコ到着時点で既に四十分近い遅れを出していたのだ(列車の始発駅はノルウェーのナルビク)。
 しかも停車駅毎に線路の除雪が終わるまで待たされたので、ストックホルムに着くまでほぼ丸一日、車内で過ごすハメになってしまったのだ。
 もっとも、ほのかと夏穂は乗車直後から呑み始め、買い込んだビールと肴が尽きても夜通し語っていたから、退屈はしなかっただろうが。

「まぁ、キールナの空港も一昨日からの大雪で今以て閉鎖中だし、オレ等も普段味わえない旅情を存分に堪能出来たから、結果的に列車を選んで正解だよ。流石、先見の明があるな。がはははっ!」

 ほのかは高笑いし、背中を何度も叩いて褒めてくれる。
 余程、夏穂と過ごした一夜がお気に召したらしい。
 後に、ほのかから聞いた所によると、冬は悪天候に度々見舞われるので空路より陸路――特に雪に強い鉄道での移動が確実なのだとか(どんなに遅れてもちゃんと着く、と言う意味だそうだ)。

(他のみんなも、それぞれお喋りに花を咲かせていたし、これはこれで好かったな)

 小さく息を吐き、胸を撫で下ろす宏。

(ただ、俺以外は寝台列車初体験だったから、どうなるかと少し心配したけど……みんな興味津々で悦んでくれたもんな。『昔、映画やドラマで見たのと同じだ』とか言ってはしゃいでたし)

 ホームからコンコースを抜け、駅前広場に向かって歩く妻達の足取りを見ても、幸い、誰も疲れの色は見えない。
 むしろ普段並みか、それ以上にテンションが高い。
 暖房の効いたコンパートメントなので人目を気にせず軽装でのびのび過ごせたのも大きいだろう。
 飛鳥と美優樹、千恵や若菜などは修学旅行を思い出したと笑っているので、クシェットを選んで正解だったようだ。
 右隣を歩くほのかも、車中では笑みを浮かべた顔で夏穂と肩を寄せ合い眠りこけていたから、好い思い出になっただろう。

「でも正直、昨日は列車に乗るまでメチャ、焦ったけどね。駅までの除雪が間に合わず列車に乗れなかったらストックホルムまでの足をどう確保しようか、って」

 宏が自虐的に笑うと、左隣に寄り添っていた美優樹が宥めるように微笑んでくれた。
 ゴスロリドレスに合わせた黒のダウンジャケットを纏っているので、高身長と色合いとが相まって線の細い美少年っぽく見えるのは、さておき。

「あの降雪状況を見て、ホテルの従業員さんですら諦め顔でしたものね」

「うん。一夜明けて晴れたから、駅までの送迎は大丈夫か念の為、聞いた時だね。フロントマンが『道路の除雪は今日中に何とかなるでしょうけど、列車の発車時刻に間に合わなかったらもう一泊ですね』って笑って言われた時は心底驚いたけど」

 宏は思い出す。
 美優樹に通訳を頼み、帰りの送迎バスの出発時刻を確認した時にそう言われた事を。
 そこへ、美優樹の言葉を補足するような、ほのかの声が。

「まぁ、ブリザードひとつでホテル一帯や駅までの道が雪ですっかり埋まるなんて、オレ等、誰も想像しなかったからな。地元スェーデンで生まれたオレでさえ、吹雪の脅威をす~っかり忘れてたからな。あ~はっはっはっ」

「屋外アトラクションも終日中止、だったもんね」

 豪快にわらうほのかに宏も肩を竦めて同調し、他の面々も聞いていたのか一様に笑いを零す。
 結局、スノーリゾートにいるにも係わらずバスの出発時刻までする事が無く、部屋に籠もってトランプやら花札やらボードゲームやらで時間を潰すしか無かったからだ(流石にエッチは時間を忘れるので自重した)。

「まぁ、何にせよ道路の除雪が捗って無事に駅まで辿り着けてホッとしたよ」

 すると、前を歩く千恵のポニーテールが大きく横を向いた。

「あれって、ひと晩でどの位、積もったっのかしら? アビスコの駅まで乗ったミニバスの窓上まで雪の壁になってたから……積雪量で三メートルは超えてたような」

「うん、その位かも」

 頷く宏に、美優樹の澄んだ声が続く。

「フロントの方が仰ってましたけど、玄関前で百センチ、ホテル裏の吹き溜まりでは二百センチ、ひと晩で積もったそうです。お陰で従業員用の出入り口や搬入口が雪で埋まって暫く使用出来無かったそうです」

 その数字とエピソードに、一同、納得したように頷く。
 何しろここ、ストックホルムの駅前にも新たに除雪された雪の山が人の背丈程の高さで幾つも出来ていたのだから。
 天気予報やニュースを毎日チェックしているほのかによると、ラップランドで遭遇し寒波を伴った猛烈な嵐はスカンジナビア(北欧三国)全土を襲い、各地に多大な降雪と暴風を見舞って足早に過ぎ去ったらしい。
 オスロやヘルシンキ、ストックホルムの各国際空港は今朝になってようやく運航が再開され、北海を始めボスニア湾やバルト海のフェリーも大時化の余波で未だに運休や大幅な遅れが出ているとの由。

「そっか、やっぱりその位は降ったんだ。にしても、今回は美優樹ちゃんの英語力に助けられてばっかだな。ありがと、美優樹ちゃん♪」

「いえいえ、原書を読むよりお役に立てて凄く嬉しいです」

 長身の美少女が栗色のツインテールを小さく揺らし、頬を紅く染め、切れ長の瞳も細める様は誰から見ても愛らしい。
 そんな、自分の利益より夫の利益を優先させる美優樹に、他の妻達も視線を交わし合っては笑顔で頷いている。
 どうやら共感出来る部分が大いにあるらしい。

「さて、そんじゃ、ほのかさん家(ち)のログハウスに帰ろうか――と、その前に」

 一歩踏み出した足を止め、宏は居並ぶ妻達へ振り返る。

「ちょいと、とある店に寄り道してから、ね♪」

「へ? お店? 宏、真っ直ぐ帰らないの? 何、買うの?」

「ヒロ? ラップランドのお土産ならちゃんと仕入れたでしょ? ここで改めて買う物なんて、あったっけ?」

 宏の言葉に妻十人は一斉に首を傾げ、不思議そうな顔をした――。


     ☆     ☆     ☆


 一夜明けて。
 宏達一行の北欧バカンスは八日目を迎え、カレンダーの日付も大晦日となっていた。

「みんな、お疲れ様。昨日、ひと通り食材を揃えたけど、足りない物、無い? あれば、ほのかさんと街まで買い出しに出るから遠慮無く言ってね」

 朝食後、ログハウスの掃除を社会人組(晶、ほのか、夏穂)と学生組(飛鳥、美優樹)とで一緒に終えた宏はキッチンへ足を向け、食材を前にした主婦組五人――多恵子、優、真奈美、千恵、若菜に声を掛けた。
 すると、打てば響く速さで幼馴染であり、一家の料理長たる若菜が笑いながら大きく頷いてくれた。

「大丈夫だよ~♪ これだけあれば立派なお節料理、出来るよ~♪」

 今日の若菜は身体にフィットした黒のトレーナーとスリムジーンズを纏い、紫のエプロンを着けている。
 腰まで届くストレートヘアは首の後ろでひとつに束ね、髪の先端を白のリボンで留めた姿は新妻の雰囲気、満載だ。

(うはは♪ 若姉は長身でスリムなモデル体型だから何着ても似合うなぁ♥ もしもこれが下着にエプロン姿だったら、新妻キッチンプレイで萌えるんだよなぁ)

 若菜は身長百七十五センチ、上から七十八(Cカップなのだ)、六十、八十八と、スーパーモデルに引けを取らないスタイルを持つ、宏の生まれながらの幼馴染だ。
 処女雪の如く白い肌と濡れ羽色の髪のコントラストは妻達の中では群を抜く美しさを誇り、涼やかな切れ長の瞳と目鼻立ちの整った美顔は日本の、否、世界のファッション誌の表紙を飾ってもおかしくない大和撫子でもある。

(結婚してからも若姉の美人度は変わらないよなぁ♥ そんな奥さんが下着姿で台所に立てば俺も勃つに決まってるじゃん)

 幼馴染の微エロ姿を想像するだけで情感が刺激され、劣情を抱くには充分なのだ。
 結果、朝っぱらから鼻の下を伸ばし、股間の如意棒に血液がみるみる集まり始める宏だったが。

(おっと、やばいやばい。今はそれどころじゃ無いし。)

 見目麗しい奥さんから泣く泣く(?)視線を外し、目の前の素材に目を向ける。
 何しろ、これから正月向けの日本料理を数々作り上げていかなくてはならないのだから。

「若姉。俺達、掃除を終えて手が空いてるから、手伝う事があれば言ってね」

「ありがと~、宏ちゃん。でも大丈夫! 材料は揃ってるしキッチンはお屋敷の倍近く広いし腕の立つ料理人も五人いるから昼過ぎには大方、仕上がるよ~」

 大きく胸を張り自信満々に言い切る若菜の視線が食材と主婦組に向く。
 二十畳程もあるキッチンには大人三人が優に寝られる調理台が中央に置かれ、その上には黒豆、銀杏、ごぼう、栗、数の子、いくら、鯛、海老、鰤、身欠きニシン、三枚に下ろした白身魚、大根、人参、レンコン、生椎茸、里芋、紅白のかまぼこ等々、日本ではお馴染みの食材が大量に、そして所狭しと並べられていた。
 その隣には樽詰めされた味噌、天日塩や砂糖の調味料は勿論、大袋に入れられた干し物の椎茸、貝柱、昆布、一升入りペットボトルの純米酢や日本酒、みりんと醤油も揃い、出番を待っている。
 これら食材は昨日、ストックホルム中央駅に程近い裏通りにある、日本の食材を直輸入し販売する店で仕入れたものだ(十一人いるので手分けして運んだがそれでも重かった)。
 切り餅や小豆も全て純国産の食材を選んだので安心安全なのは言うまでも無い。

「そんなに早く? 流石だな。量が量だけに、もっと時間が掛かると思ってたよ」

 宏の予想では夕方近くまで掛かると踏んでいたのだ。
 何しろ、自分達十一人の他に、ほのかの祖父母や親類縁者で総勢四十人分は作る予定なのだから。
 料理を詰める三段式お重も六組(この為に日本から持って来たのだ)、既に洗い終わって準備万端、整っている。

「宏、そんな大した量じゃ無いわよ。何たって実家でもその位、毎年作ってたしね。それに正式なお節料理を作る訳じゃ無いから、そんなに手間も取らないし。まぁ、だからって、それなりに体裁は整えるから安心して」

 揃えられた食材をまじまじと眺めていたら、若菜の隣に立つ小柄な美女が軽やかな笑い声を上げた。
 どうやら、時間内で作れるか、揃えられた食材でちゃんとしたものが作れるか、不安視していると思ったらしい。

「千恵姉。その点は俺、安心してるから。若姉や千恵姉の腕前は五つ星クラスだからね。多恵子さんや真奈美さんもだよ。そして、優姉もめっきり腕が上がってるしね♪」

「えへへ~。宏にそう言われると腕が鳴るわね」

 副料理長である千恵が腰まで届くポニーテールを弾ませ、照れ臭そうな笑みを浮かべつつも胸を叩く。
 料理主任の多恵子や遊軍担当の真奈美と優も嬉しそうに頬を染め、にこやかに、そして大きく頷いている。

「うん。期待してるよ」

(それにしても……みんなの姿はいつ見ても新鮮だなぁ♪ 惚れ直すぜ♥)

 応える宏の、熱視線が今度は千恵達に向く。
 今日の千恵は朱色のTシャツと黒のハーフパンツ、頭には髪を縛る真っ赤なリボンと纏うエプロンも薄赤なので愛らしさ満載だ。
 多恵子はベージュ色のセーターと膝下までのフレアスカートに純白の割烹着を纏い、真奈美は水色の薄手のワンピースに薄緑色のエプロンを、優は紺色のタンクトップとデニムスカートに蒼のエプロンと、誰をどう見ても新妻らしい装いなのだ。

(何度見ても目の保養になるよなぁ、みんな美人だし♪ 屋敷にいる時は毎日、朝と夕方に目にしてるけど、場所が違うだけで、こうも印象が変わるとは……これが旅の魔法(マジック)か?)

 ついつい鼻の下が(大きく)伸びる宏。

(艶やかな長い髪を持つ多恵子さんはアップに、背中まで真っ直ぐ届く黒髪の真奈美さんも今はひとつに纏めて三つ編みにし、シャギーカットにしたショートヘアの優姉はそのまま、か。みんな、うなじも綺麗だなぁ♪)

 エッチの時は常にうなじや耳たぶを舐めたり甘噛みしたりするので、ついつい視線が吸い寄せられてしまう。
 殊に、首筋の白い肌に黒いほつれ毛が数本、垂れている様は女の色気、満載だ。
 これでは自重したイチモツが再び勢力(精力?)を取り戻して当然だろう。
 宏の股間はズボンを押し上げる程に隆々とそびえ勃ってしまった。

「それじゃ、ボチボチ始めようか」

 千恵の弾んだ声に主婦組が頷き、一斉に動き出す。
 その足取りや手際に迷いは無く、みんな慣れた動きだ。

(みんな、それぞれが動きやすい服装や髪型からして、お節に掛ける意気込みが凄いな。去年以上かも)

 どうやら、ほのかの祖父母や親戚一同に本格的な日本食を振る舞うとあって、闘志を漲らせているらしい。
 料理長の若菜は的確な指示を出しつつ巧みな包丁捌きを見せているし、千恵は舌舐めずりして(!?)食材をあっという間に料理毎に切り分けてゆく。
 真奈美と優も指示が出る前にテキパキと仕事をこなし、若菜や千恵の補佐に励んでいる。
 多恵子は大鍋に出汁を取りつつ「日本食の真髄を披露して差し上げますわ」などと不敵な(?)笑みすら浮かべている。
 広いキッチンには食欲をそそる昆布出汁の香りが漂い始め、俎板と包丁の奏でる小気味良いサウンドがステレオで響いてゆく。

「これなら、ほのかさんのお祖父さんお祖母さんもきっと喜んでくれるだろうな」

 主婦組の手際好さに、改めて目を見張る宏。
 すると夫の微かな声が聞こえたのか、大根の桂剥きをしている若菜が手は休めず笑顔を向けて来た。

「宏ちゃんが先週、市内散策した時に日本の食材を扱うお店を探してたのは、この為だったんだね~」

「うん。せっかくこっちに来たのなら、俺達が普段過ごす正月の味をお祖父さん達に体験して貰えたら、って思ってさ」

「そうでしたか。わたくし、その思い遣りに感服致しましたわ」

 多恵子も煮物の灰汁を丁寧に取りながら視線を向けて来た。

「恥ずかしながら、わたくしはてっきり日本食が恋しくなった時の為にと思っておりましたが、浅はかでした。その想いは必ずやこちらの皆様に通じるでしょう」

 若菜は包丁を握ったままVサインを掲げ、多恵子は頬を朱(あか)く染める。
 千恵と真奈美、そして優もそんなやり取りを面白そうに眺め、ニコニコしている。

「ありがと、多恵子さん。そう言って貰えると俺も仕込んだ甲斐があるよ」

「いえいえ。どう致しまして。おほほのほ、ですわ」

 キッチンに、温かな空気がより一層、拡がる。

「そんじゃ、明日の正月を無事に迎える為に、みんな協力して頑張ろう!」

「「「「「お~!」」」」」

 意気揚々と拳を振り上げる宏に、主婦組の元気な声が続く。

「俺達も手伝うから、何でも言って!」

「あ、それは遠慮するわ。普段と違って、こればっかは慣れた者しか扱えないし」

「さ、さいですか……。千恵姉、冷たい」

 胸を張り気勢を上げる主婦組と、一刀両断に打ち捨てられ背中を丸め意気消沈する宏だった――。


                                            (つづく)
 

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冒頭?の列車の件で 先日の東北新幹線?だかで 停電して運休 (人によっては、その後の飛行機に間に合わなかった)というのを思いだしました。  どんな乗り物でも【100%確実に】というのはありえないですしね。


ラストの 宏が手伝うといって 断られるってのは 情けなかったです。
(男子たるもの 魚くらい捌けないでどうする??)  

こんなときにこそ、 【男の腕の見せどころ】なんでしょうけど・・・・・・・

[ 毎度お越し戴きありがとうございます♪ ]
アムロ・レイさん
 コメントありがとうございます♪

 宏の意気込みが通じなかったのは毎度の事のようで……。(^^ゞ
 主婦組が頼もしさが引き立ってますね。(^o^)ノ

 いつもご贔屓ありがとうございます♪ m(_ _)m
 

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