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ラプソディー(3) ラプソディー(3) 美姉妹といっしょ♪~新婚編
  
 カレンダーが九月に替わり、残暑と秋の涼しい風が交互に訪れている頃。
 宏は屋敷の最寄り駅から二駅隣にあるバイト先の倉庫(屋敷から三十分少々で着ける)でいつも通り仕事に勤しんでいた。

「ん……ん……ん、オッケー、店舗への出荷のし忘れ無し! チェック終了、と」

 倉庫入り口横に設けられた簡易机に座って出荷品リストと出荷伝票を一枚一枚丁寧に突き合わせ確認し終えた宏は、壁に掛かった大時計に目をやってからバイト仲間三人に顔を向けた。

「ちょっと早いけど、昼メシにしようか」



 ここは秋葉原に本店がある大手家電ショップの県内向け配送センターで、社員六人(内、事務担当で三十路を過ぎた独身のお姉さんがひとり)とバイト四人が勤める小規模な倉庫兼事務所だ。
 午前中は県内四店舗へ大小様々な家電品を出荷し、午後はメーカーからの製品を荷受けし所定の場所へ保管するのだ。
 宏はこの配送センターに三年半前に入出庫と在庫管理(要は荷役作業だ)のバイトとして採用され、専門学校在学中は空いた時間に、卒業後は社員同様、土日祝休みの月金九時五時のフルタイムで働いていた。

「午後の入荷に備えて今のうちにエネルギーを補充しておこう。そろそろ白物家電に加えてファンヒーターやら炬燵やらホットカーペットやらの冬物製品が十トン車に満載されて来る頃だし」

 昨年、半日でトラック十数台分の製品を荷捌きした死闘が頭をよぎり、思わず眉が寄ってしまう。
 そんな宏を殊更煽るように、同い年の松本(まつもと)がニヤリと笑った。

「そうだな。今年も初っ端から四十フィートコンテナが連なって来るかもしれないぜ? 去年がそうだったし」

 そら恐ろしい事を平気で言うこの男は宏と同時にバイトを始めた二十二歳のフリーターで、肩迄伸ばした茶髪を首の後ろで無造作に縛った髪型をトレードマークにしている今風の男だ。
 しかし見た目の派手さとは裏腹に根は真面目で人当たりも柔らかく、オマケにバイトを始めてから今日(こんにち)迄無遅刻無欠席を貫く優秀な男なのだ。

「おいおい、いくら今月が冬物の入荷ピークとは言え、この人数で四十フィート連チャンはキツいって」

「そうですよ~。手降ろしなんて、かよわい女の子がする仕事じゃありません」

 思いっ切り眉を顰める宏に、同調する千歳(ちとせ)の声が重なる。
 千歳は今年二十一歳になる女子大の三年生で、ショートヘアの似合う、笑うとえくぼが可愛い女の子だ。
 宏より一年遅くこのバイトを始め、長期休みと平日の空いた時間をバイトに充てる頑張り屋さんだ。
 その一方で浮いた話しが一切出ない所を見ると、今も彼氏募集中らしい。

「誰が『かよわい』って? まぁそれは置いとくとして、確かにコンテナはご勘弁願いたいですねー。十トン車みたくパレット積みされてませんからねー。少しは降ろす時の手間を考えて欲しいものです」

 軽い調子でバンザイし愚痴るのは、千歳と連れ立ってバイトを始めた美保(みほ)だ。
 セミロングの髪をポニーテールにした明朗活発な女の子で、千歳とは大学入学からずっとクラスメイトなのだそうだ。
 ところがこの美保、平日でも連日朝からバイトに精を出し、いつ大学に行っているのか不明にも係わらず成績はそこそこ好いから不思議だとか(千歳談)。
 その美保に同感とばかり、宏も苦々しく溜息を吐(つ)く。

「全くだ。松本、このクソ暑い日にコンテナの中に入る者の身にもなってくれよ。いくら電動ローラーがあってもしんどいって」

「あはは! 冗談だ。間違ってもそうなって欲しく無いって意味だ」

 気色ばむ宏と及び腰の女子二人に、松本は相好を崩す。
 メーカーから来る製品の殆どはパレット積みされているので社員さん操るフォークリフト一台であっという間に降ろせる(それを所定の場所に片付けるのが宏達の仕事なのだ)が、コンテナはパレット積み出来無いので全て手降ろしなのだ。
 しかも、残暑厳しい今日この頃、真夏並みの太陽に熱せられたコンテナ内の温度は軽く四十度を超えている。
 その中に入って天井迄満載された製品(しかも軽くはない)を伸び上がって、はたまた中腰になってひとつひとつ持ち上げローラーに載せてゆくとなると……。
 そう考えれば、誰もが遠慮したくなるのは当然だろう。

「ったく~、勘弁してくれよ。コンテナ作業だけは真冬でもご遠慮願いたいのにさ」

 宏が両手を上に向けて肩を竦めたポーズでおどけると、その場に笑いの花が咲く。
 良くも悪くも、松本は憎めない男なのだ。

「ま、今の所、トラックはまだ来てないし、午後に備えて今はたっぷり休養しよう」

 倉庫前の通りにトラックの姿が無いのを確認した宏は改めて三人に向き直る。
 既に入荷の車が来ていれば、ドライバーに声を掛け作業開始時間や手順を確認するのも宏達に任された仕事なのだ。

「「は~い」」

「おしっ、メシだメシ♪」

 宏の掛け声に女性陣と松本の声が綺麗にハモり、四人は着替えと弁当を取りにロッカールームへ引き上げた。


     ☆     ☆     ☆


「ん~~~~? なんか……妙だな」

 午後の入荷作業が一段落した頃。
 十トントラック四台分の荷捌きを終えた宏は通路中央に立って倉庫全体を見渡し、呟いた。
 倉庫は入口から見て縦長になっており、広い通路の横に出荷(或いは入荷)に使う電動式ローラーベルトが奥迄繋がっている。
 その通路から左右にも通路が延び、洗濯機や冷蔵庫、エアコンに液晶テレビなどの大型製品はフォークリフトを使って三段、四段重ねで、ファンヒーターやホットカーペット、空気清浄機などの中型軽量物はローラーを伸ばして八段から十段重ねで積み置き、電気シェーバーの替え刃や電動歯ブラシ、ヘアドライヤーなどの小物製品は入口横に並んだラック数列に収めているのだが……。

「なぁ、松本」

「ん~? なんだ、宏。難しそうな声出して。何か問題でもあったか?」

 隣で一緒に床掃除(早い話、入荷待ちの時間潰しだ)をしている松本が顔も向けずノンビリと応える。

「いや、問題、って程じゃ無いんだが……今月に入ってから今日迄の入荷を見てて思ったんだが、去年、一昨年と比べて全体の入荷量が極端に少なくないか? エアコンや扇風機は既に時期外れだから入荷が少なくて当然だけど、これから捌けるファンヒーターとかホットカーペットなんか、えらく入りが少ない……ってか、殆ど数える程じゃんか」

「あ~~~、そうだっけ? 今はそうでも、来週辺りからどっと増えるんじゃね?」

 何を気にしているんだ、とばかり素っ気ない態度を取る松本だが、宏は構わず話を続ける。

「でもなぁ。俺の記憶だと去年、一昨年と九月の中旬には天井に届く迄ファンヒーターとかホットカーペット、山積みになってたぜ? ホラ、ファンヒーターだけが満載された十トン車が十台連なって来てたのが、丁度今頃だったじゃん」

「あ~~、そう言われれば……そうだった……かも。確かに……全体に製品、少ないな。冷蔵庫や洗濯機なんて、いつもは四段積みになってんのに、今は一段、所々で二段、だもんな」

 ここで松本が立ち止まり、手を止めるとようやく周囲を見回した。

「だろ? 昨日、今日の入荷だって荷台の半分しか載ってなかったし、今月入ったファンヒーターやホットカーペットなんてパレットに積んだまま床に並べて置いてあるだけだぜ? あんなの、週明けには全部捌けちまう」

「あ~、確かに変だな。これからシーズンを迎える製品が入って来ないなんて、もしかしたら――」

「もしかしたら……なんです?」

「わたしも松本さんの見解を聞きたいですねー」

 と、ここで手ぶらの千歳と美保が興味深そうに話しに加わって来た。
 二人共、箒を持っていない所を見ると、倉庫奥の掃き掃除が終わったらしい。
 松本は小さく肩を竦め、さも当然とばかり自信満々に曰(のたま)った。

「今年はモデルチェンジするからじゃね?」

しかし。

「だったら新商品が大量に入るんじゃありません? 第一、家電品の全部が一斉にリニューアルしませんよー」

「それもそうか」

「あはは! 松本さん、ダメダメですねー」

 松本の推論に美保がダメ出しをし、指差してケラケラ笑う。
 バイト仲間で最も好奇心旺盛な美保は、明らかに面白がっている顔だ。

「宏さんはどう考えてます? この現状」

 そんな二人のやり取りをにこやかに眺めていたら、隣に立った千歳が興味津々とばかり尋ねて来た。

「俺?」

「はい。是非、宏さんのお考えをお伺いしたいです。何たって、ここに勤めて丸三年以上経っているんですから、家電品の流通に関してある程度は詳しいでしょうから」

 この娘(こ)は美保と同じく何でも知りたがり、且つ、常に宏の考えを聞きたがるのだ。

「何しろ、バイト仲間では最もベテランなんですから、裏情報も含めて是非にお聞かせ願います♪」

「おいおい、オレだって宏と同期――」

「松本さんには聞いてませーん。聞こえませーん」

「……………………ぐっすん」

 笑う美保の無情な突っ込みに、俯いて意気消沈する松本だった。

「いじけた松本さんは置いといて、わたしも宏さんの御意見を聞きたいですー♪」

 美保からも煌めく瞳を向けられてしまった。

(なんで、何かしらの現象が起こると最後にみんなして俺の意見、聞きたがるかな~?)

 不思議に思うも、どことなく頼られている感も窺えるので気分的に悪くはない。
 しかも、相手は現役の(ピッチピチの♪)美人女子大生なのだ。
 汗で湿った薄手のTシャツ姿(胸の膨らみが生々しい♪)で迫られ、嬉しく無い訳は無い。

(あ……二人共、仄(ほの)かな汗の匂いに混じって制汗スプレーの甘い匂いがする。流石、今を時めく女子大生。どんな時でも身だしなみは完璧なんだな♪)

 自分の妻に二人の現役女子大生がいる事をすっかりと忘れ、目の前の眼福に鼻の下を伸ばす宏。

「ん~~、そうだなぁ」

 それでもスケベ心を悟られぬようポーカーフェイスで倉庫全体を見回し、おもむろに口を開いた。

「考えられる原因のは二つ、かな」

「「二つ?」」

 女性陣が綺麗にハモる。
 親友だけあって、息もピッタリだ。

「うん、ひとつは、近々ここを建て替える計画があること。見ての通り、ここはかなり年季が入った倉庫だから内壁や外壁に傷みが多々あるでしょ? 梁の鉄骨だって埃と錆だらけだし。だから入荷を控え、中がある程度、空になるのを待っている……ってのがひとつ」

「なるほど。その可能性が最も高そうだな。……そんな話、ちっとも聞かんけど。で、参考迄にもうひとつは?」

 復活した松本も容赦無く突っ込みつつ好奇心満々に尋ねて来た。
 宏は箒の柄の先端に両手を置き、そこに顎を載せて僅かに眉根を寄せる。

「うん、余り考えたくは無いけど……可能性のひとつとしてなら、あながち有り得ない話じゃ無いんだが、いいか?」

 コクコクと頷く三人(みんな瞳を煌めかせている)。

「それはだな、今、流行(はやり)の――」 

 宏がここ迄言った時、倉庫二階にある事務所から若い社員さんがひとり、内階段を降りて来た。

「お~い。ラスト一台、もうすぐ着くってよ。みんな、スタンバッてくれ。今日の最後だ、締めていこう♪」

 入荷伝票を簡易机に置くとヘルメットを被り、フォークリフトに乗り込んでそそくさと準備を始めた。
 仕事に長けた社員さんと言えど、週末を控えた金曜の午後は心が弾むらしい。

「あらら。それじゃ、行きますか」

 松本が続きは後でと肩を叩き、入口に向かって歩き出す。

「今日のラスト? まだ三時過ぎだぞ? もしかしたら今度も入荷、少ない?」

 宏は小首を傾げつつ、敷地に丁度入って来た見覚えのある十トン車を眺める。
 先に来た四台はせいぜい半分程度の積載量、加えて仕事に慣れた面々だった為に、あっという間に荷捌きを終えていた。
 故の、掃き掃除中だったのだ。

「ま、少ないなら少ないで楽だからイイじゃん♪」

「そうですよー。わざわざ苦労するコト、ありませんよー」

 お気楽な松本の後ろを歩く美保も同感とばかり、にこやかに頷いている。

「でもなぁ。なんか裏があるような気がしてしょうがないんだが……」

「宏さん、もう少し楽観的でも好いと思いますよ? 私達ではどうしようも無い事なんですから」

 尚もブツブツ言っていると、隣に並んで歩く千歳から諭されてしまった。

「まぁ、それもそうか。じゃ、今は目の前の仕事を確実に片付けようか」

「はい♪」

 どこまでも真面目に考える宏が余程可笑しかったのか、満面の笑みを浮かべる千歳だった。


     ☆     ☆     ☆


 その日の晩。

「――なんて事があってさ。結局今日も一時間の早上がりだったし、今月は未だに残業ゼロだよ。去年や一昨年の今頃は連日夜の九時十時迄残ってたのにね。なんか、晶姉やほのかさんが今月に入ってからずっと残業してるのとは大違いだ。……これも産業間格差、なのかなぁ」

 夕餉の席で宏は晩酌しつつ、今日の出来事をみんなに語っていた。
 宏達は夕食時やその後の団欒で、各自話せる範囲で今日の出来事や巷の話題などを語り合うのが習慣となっていた。
 下を向いて黙々と食したり無言でテレビや雑誌を眺めたりする雰囲気を誰もが嫌っているので、自ずとそうなるのだ。

「その晶姉とほのかさんのハードウィーク(過酷な一週間・晶命名)は……今日で終わるんだっけ?」

 キッチンの壁に掛かったホワイトボード(各人の一週間の行動予定が記されている)に目を向けた宏が誰とも無く尋ねると、今やすっかりスケジュール管理担当となった千恵がボードを見ずに大きく頷いた。

「そう。今日の帰りは二十三時予定ね。これで『先週から続いた日本縦断の旅がようやく終了するんだ♪』って、ほのかさん、今朝、喜んで出掛けてったわよ」

 どうやら千恵の頭の中には各人のスケジュールがしっかり納まっているらしい。
 流石、主婦として屋敷を預かるだけはある。

(千恵姉にこの屋敷を任せて正解だったな。この先も安泰、間違い無しだな♪)

 宏は幼馴染にして妻に娶った千恵を誇らしく思うのだった。

「それにしても、ほのかさん、『フライト行脚』って……言い得て妙だな(ホワイトボードに日付を跨いで線が引かれ、その上にほのかの直筆でそう書かれている)。で、今日はどこ迄行ってんの?」

 ホワイトボードには行き先迄書かれていないので千恵に視線を向けると、こっちの情報は入って無いらしく、腰に届くポニーテールが横に大きく傾いた。

「えっと……どこって言ってたっけ? 昨夜だか聞いたような……」

 箸をピタリと止め、黒のタンクトップにデニムのホットパンツ姿の千恵(ムチムチの太腿が色っぽい♪)が思考に走ると、食卓を囲む面々が同時に喋り出した。

「美優樹は金沢、って聞きましたけど?」

 レースのフリルがふんだんに使われた黒のゴスロリドレスを纏う美優樹(同色のヘッドドレスと相まってまるでどこぞのお姫様だ♪)がショウガ焼きを頬張りつつ応え、

「今日は横浜に行くって……誰かから聞いたような?」

 白シャツに橙色のミニスカ&黒のオーバーニーソックス姿の飛鳥(絶対領域が眩しい♪)がご飯の上に載せた鶏の唐揚げに醤油を垂らしつつ応え、

「青森迄往復すると伺いましたわ」

 宏のビアタンブラーに缶ビールをお酌しつつ、青いラインの入った白の割烹着姿の多恵子(小柄な体格なのでまるで給食を配る生徒だ♪)がにこやかに応え、

「やおら八尾に行ってから高松に行く、とかなんとか」

 純白の半袖ワンピースを纏った真奈美(一見すると深窓のお嬢様だ♥)が野沢菜漬けを箸で摘んだまま真面目に応え、

「京都だったら好いね~♪ 秋の京都で紅葉狩り~♪」

 行き先を全く聞いていなかったのだろう(オマケに紅葉狩りにはまだ二ヶ月早い)、紫のトレーナーにジーンズ姿の若菜がニコ目で応え、

「……お姉ちゃん達、今日は広島方面へ行くような事、言ってた。現在地は……そうか。飛行中は携帯の電源切るからGPS情報が届かない。お姉ちゃんとほのか、今現在、行方不明」

 濃赤のTシャツと黒のスパッツ姿の優(ボディラインが浮き出た腰回りが色っぽい♪)がワインレッド色の携帯を取り出し居場所を特定しようと試みたものの無反応だったらしく物騒な発言をかまし、

「タコ焼き買ってからちゃんぽん仕入れて、そこから白い変人買って来るとかじゃなかった?」

 ライトグリーンのタンクトップに豹柄のパンツを纏い赤ら顔で缶ビールを何本も呷っている女教師(しかもノーブラノーパンが丸判りでとても聖職者には見えない!)に、みんなの訝かしむ視線が一斉に集まる。
 当然(?)、突っ込むのは元・生徒だった宏だ。

「タコ焼き? ちゃんぽん? 白い変人? それって……大阪と長崎と札幌って意味ですか――って、夏穂先生が今食べたい物じゃないですかっ!」

 ご当主の指摘に大きく頷く一同。
 もっとも、夏穂のボケ(マジボケ?)はいつもの事なので、みんな声を出して笑ってもいる。

「だって~、そう聞いた記憶があったような……無かったような? あははははっ! ま、どこ行こうが同じ地球上、放って置いても、じきに帰って来るわよ。なんたって、ココには『愛しの君(キミ)♥』がいるんだからさ~♪」

「!! ~~~~っ」

「ニャン♪」

 手にした焼き鳥の串で宏を指し、スルメを咥えて高笑いする恩師と一瞬で赤面する宏、そしてニヤニヤしている一同に、焼き鳥のおこぼれに与(あずか)る仔猫が「まったくだ♪」と言わんばかりに、ひと声、啼いた。


     ☆     ☆     ☆


 その日の夜遅く。

「……ヒロクン。ちょっと気になる点があるから、ボクの部屋に来てくれる?」

 夕食後の一家団欒を終え(晶とほのかも手土産を山と抱えて無事に帰って来た)、あとは寝るだけとなった頃。
 リビングから部屋に戻ろうとした宏は優に腕を引かれ、耳元で囁かれた。

「気になる点?」

「……うん。ここでは……ちょっと」

 眉根を僅かに寄せ言い淀む四つ上の従姉に、宏はすぐに手を握り返した。

「いいよ。詳しく聞かせて?」

(優姉が人目を憚ってそっと耳打ちするように言う所を見ると、余り好い内容じゃなさそうだ)

 優の真っ直ぐ見つめる瞳に、何やらただ事では無い何かを察する宏。
 ここ迄真剣な瞳を見るのは、この屋敷に来てから初めてかもしれない。

「……ちょっとだけ待ってて」

「うん。慌てないで好いからね」

 宏の優しい言葉とは裏腹に部屋に入るや優は小走りで机に座るとデスクトップパソコンを立ち上げ、キーボードを素早く叩き何回かクリックした後に、とある画面を示した。

「……これ、なんだけど」

「どれどれ? あ、これって……」

「……そう。今日の夕方、たまたま見てて気付いた。で、何となく引っ掛かる点があったから精査してみたら――」

 腰を曲げて妻の肩越しに見る二十一インチのモニター画面には、見覚えのあるロゴや数字が記号付きで小さく表示されていた。
 優は画面を見据えたままマウスポインタであちこち示しつつ、幾つか別画面も出して判り易く説明してくれるが……。

「……以上の観点から、ボクがこれまで見て来た前例に鑑みると、おそらく――の可能性が非常に高い」

「ゆ、優姉、それ……ホントなの?」

 画面を見据えたまま微動だにせず、掠れた声でポツリと漏らす宏。
 優の卓越した分析力と冷静な判断力はその道のプロをも軽く凌駕するが、告げられた内容はにわかには信じられない。

「……うん。残念だけど状況がそう語っている。だけど、これはあくまでボクの推論に過ぎない。まだ公式なアナウンスがされてない以上、机上の空論でしかない――」

 慰めるように言う優の声が次第に遠くに聞こえ、目には何も映らなくなった。
 足の力が抜け、宇宙空間に突然放り出されたような錯覚にも陥った。
 しかし、真面目、且つ真剣な顔で事実のみを淡々と語る従姉の姿に、現実味がいやが上にも増して来る。
 今、鏡で自分の顔を見たら、きっと顔面蒼白になっているだろう。

「ま、本気(マジ)かよ。こんな事って……」

 宏は言葉を完全に失い、呆然と立ち尽くしてしまった。
 何か云おうとして口をつぐみ、哀しそうな瞳を向ける優に最後まで気付かぬままに――。


                                            (つづく)


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【 お寄せ戴いた御意見・御感想 】

[ もしや・・・・・ ]
宏くん失業?
私も倉庫搬入のバイトしていてそこが同様の経過たどって潰れましたが・・・

どうやら今回の章でエルム氏は宏くん達一家に大騒動起こしたいような気配がちらほら(~_~;)

ところで・・・『白い変人』わざとですか?

[ ミケに乾杯だが・・・ ]
さり気ないミケのリアクションにほのぼのしてたんですが(^O^)/
なにやら怪しげな空気が漂ってきてますね~(^_^;)

今までがただ、ひたすらにラブラブ一直線モードだけに
このシリアス感が新鮮に感じますね(^_-)

エルムさんにも困ったもんです(-。-)y-゜゜゜
ここに来て転機を入れられると続きが気になってしまう(^^ゞ
今回だけはちょっとだけ早めに続きを・・・_(._.)_

[ 毎度お越し戴きありがとうございます♪ ]
mさん
 コメントありがとうございます♪

 大騒動になるのかどうか、あの面々ではどうなるのでしょう……作者にも判りません。(^_^;)

 白い変人はわざとです。
 拙小説では限定的な地名や各種名称などは諸事情によりボカしております。 
 これまで拙小説に出て来た地名や企業名などの元ネタを探してみるのも……一興かもしれません。(^^ゞ

 いつも応援ありがとうございます♪ m(_ _)m
 
 --------------------------------------------------------------

草薙さん
 コメントありがとうございます♪

 今章は執筆していて楽しかったです。
 各キャラも活きている以上、エロ一辺倒では面白味――人間味に欠けますから。

 次回更新は早まりそうにありませんが(m(_ _)m)、どうぞお楽しみに♪

 毎度ご贔屓ありがとうございます♪ m(_ _)m
 

[ 人気投票 ]
若菜が999ですぞ
次の一票を入れる勇者は誰でしょうか?

私はお多恵さんの999または1000番を狙います!?

[ いつもお越し戴きありがとうございます♪ ]
ぺんぎんさん
 コメントありがとうございます♪

 若菜、多恵子、優のスリートップは揺るぎないですね。
 作者としては、下位グループ(?)の面々にもガンバって欲しいのですが……。(^^ゞ

 いつもご贔屓戴きありがとうございます♪ m(_ _)m
 

【 御意見・御感想の投稿 】



     ご訪問者総数  名様 (2006年 4月~)

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