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恋心(3) 恋心(3) 美姉妹といっしょ♪~新婚編
  
「多恵子さん。午後から行きたい所はありませんか? 天気が好く風も穏やかですし、大概のご希望に添えるかと思います」

 今日は多恵子が宏とツーショットを決める日。
 昼食後、多恵子の下へ宏が定番となった御用聞きに馳せ参じていた。
 手を振りながら七人の美女軍団(夏穂、優、真奈美、千恵、若菜、飛鳥、美優樹)と別れた多恵子は、人差し指で顎を支えるようにして小さく首を傾げる。
 因みに、ほのかと晶は今週も下地島空港で実機訓練なので平日の昼間は別行動となっている。

「う~~~ん、そうですね~、アレもやりたいしコレも捨てがたいし………………」

 秒針が二回りはしただろうか、たっぷりと時間を掛けて宙を見つめていた多恵子がおもむろに宏へ視線を戻し、瞳を細めてゆっくりと口を開いた。

「わたくし、やってみたい事があるんですの! お付き合い、願いますかしら?」

 多恵子はこれまでにない満面の笑みを浮かべるとパチンと手を打ち鳴らし、にこやかに頷く宏の手を取った。


     ☆     ☆     ☆


「多恵子さん。その水着、この前着てたのとは違って……その、随分と色っぽいですね」

 小型レジャー船のデッキで、宏は隣に立つ多恵子に視線を向ける。
 先週の海水浴で着ていたパレオ付きの青いビキニとは違い、今日は真っ白なワンピースの水着を纏っていた。
 しかも、普通のワンピースと違って明らかに露出部分が少し……いや、かなり多い。
 なにせ胸元は大きく開いて大きく膨らむ胸の深い谷間が垣間見えているし、ウェスト部分も背後からお腹の横まで開いて股間もハイレグ気味に切れ込んでいる。
 首の後ろと背中を紐で留め、腰の横にある飾りリボンと相まって後ろから見るとローライズビキニを着ているかのようにも見える。

「おほほほ♪ 気に入って戴けたようで何よりですわ。この水着、千恵さんが推して下さいましたの」

「千恵姉が? 意外だな。この手のデザインはてっきり若姉か……ほのかさん、真奈美さんあたりが好きそうだけど」

 想像もしなかった人物の名前に目を丸くする宏に、多恵子がほんのりと目元を赤らめる。

「わたくし、水着を選ぶのも買うのも初めてでして……店先でどれにしようかと迷っていたら千恵さんがアドバイスして下さいましたの。『せっかくのハネム~ンなんだから、少しくらい開放的になってもバチは当たりませんよ♪』って」

 そして、少し上目遣いになって宏を見つめる。

「それに……セクシーな水着で迫ると宏さんが悦ぶ、とも……」

 頬を紅(あか)く染める多恵子。
 長い髪をアップにしているので、普段隠れている白いうなじは既に真っ赤に色付いていた。
 どうやら相当の勇気も振り絞って着てくれたらしい。

「多恵子さん……ありがとうございます♪ 俺、感激してます!」

「あら、『感激』、だけですか?」

 意地悪く眼を細め、宏の腕を取ると胸元に引き寄せて双丘の谷間に挟む多恵子。
 すると二の腕が温かくも柔らかな弾力に包み込まれ、宏の鼓動が一段と早くなる。
 更に胸元をよくよく見ると、バストの先端が僅かに桃色に透けて見え、小さく丸い突起が浮き出てもいる。

「いえいえっ! すごく似合ってますし……セクシーで色っぽいです。その~、目のやり場に困る程に」

 鼻の頭をポリポリ掻きながら横を向く宏。
 いくら多恵子の背が低くティーンエイジの顔付きで後輩の飛鳥よりも歳下に見えたとしても、中身は立派に熟し切った女性であり、その甘美な肉体の味も充分に知ってもいる。
 オマケに、股間に食い込んだ水着が微かな縦筋を刻んで目に飛び込んで来る。
 実際は皺が寄っているだけなのだろうが、無毛の肉裂がそのまま浮き出ているように見えて仕方が無い。
 そんな妖艶な女性の水着姿に、顔と股間が熱く火照るのは当然と言えよう。

(このまま甘い雰囲気になっちまったら『収まり』が付かなくなりそう。船にはスタッフが何人もいるのに、このままじゃ多恵子さんに恥ずかしい思いをさせちまうな)

 幸いにも腿まであるサーフパンツを穿いているので、完全勃起しない限り何とか誤魔化せる。
 疼き始めた股間を必死に宥めつつ、宏は慌てて話題を変えた。

「それにしても多恵子さんって、結構アウトドア派なんですね。こっちに来てから、ずっと海で泳いだり浜で遊んだりと、みんなと一緒になって楽しんでますし、今回のアクティビティーも進んでやりたい、って」

 オーバーアクション気味に腕を拡げ、紺碧の海に目をやりながら努めて明るく弾んだ声を出す。
 そんな慌て振りがおかしかったのか、それとも股間の中途半端な『モッコリ』を誤魔化そうとして小芝居(?)を打ったのがハマったのか、多恵子は可笑しそうに眼を細めてクスクスと笑う。

「あら、意外ですか? でも、これまで旅行やレジャーに縁がありませんでしたから、遅蒔きながら青春を謳歌している、って言ったら言い過ぎでしょうか。……あら、船が止まりましたわ。いよいよですわね♪」

 話し込んでいるうちに、どうやらアクティビティーのポイントに着いたようだ。
 船のスタッフがにこやかに「準備完了しましたので、いつでもどうぞ♪」と宏達に声を掛ける。
 本格的なシーズン前と言う事もあり、お客は宏と多恵子だけで貸し切り同然となっていた。
 しかも先日のド派手な結婚式で一躍有名人になったお陰か、島のどこに行っても満面の笑みで接して貰っている。

「では、お先に♪」

 嬉々として船尾からハシゴを伝って胸まで海に浸かり、肩から頭全体を覆う水中マスク――顔の部分が大きく透明なアクリルで出来ているヘルメットで背後に船上から空気を送る強化ホースが繋がっている――をスタッフから被せて貰う多恵子。

「行ってらっしゃい。俺もすぐ続きますから」

 満面の笑みでサムズアップしながら熱帯魚の群れる海中に下りてゆく多恵子に、宏は思わず笑ってしまった。

「いつの間にかサムズアップ覚えてるし。……こりゃ、もしかしたら新妻の中で一番アクティビティーな女性(ひと)かも。だったら、俺も負けていられんな♪」

 紺碧の海中で揺らめく多恵子を目で追いながら、宏は心が自然と沸き立って来るのが判った――。


 宏は多恵子の「珊瑚礁の海を熱帯魚と戯れながら歩きたいですわ♪」とのリクエストを叶えるべく、伊良部島の港からレジャーボートに乗り、島沿いに北上する事、約三十分の場所に来ていた。
 ここは様々な珊瑚礁が群生する海域で小さいながらも幾つか環礁もあり、初心者向けのシュノーケリングやスキューバダイビングのメッカにして海中散歩(シーウォーク)の絶好の場所でもあった。

「わたくしみたく、泳ぎが苦手でも水着だけで海底を歩けるのですから、時代は変わりましたねぇ」

 ニコニコ顔で微笑む多恵子から聞いた所によると、何でも最近は誰でも簡単に海中を歩ける装備が整い、それを売りにするツアーも多いらしく、「宿屋さんに置いてあったパンフレットにも幾つかシーウォークを扱う店が載っていましたの。おほほっ♪」と、どうやら多恵子が前々からチェックを入れていたらしい。

「確かに、ひと昔前の潜水だとライセンスやら重い機材が必要だったけど、今やメガネ掛けたままとか化粧したままでお手軽に水中散歩が出来るんだもんなぁ」

 宏は、多恵子が娘の飛鳥や美優樹以上に活動的になっている姿に心から愛おしくなる。

「多恵子さん、すっげ~笑ってたな。ま、そんだけ楽しいんだろうな」

 何のてらいもない素顔を見せて貰えるだけ、宏は自分との結び付きを歓んで貰っている証だと思った。

「だったら、今、この時の想い出作りに俺も協力しなきゃ♪」

 宏は四月上旬とは思えない温かさと透明度抜群の海の底を歩いて多恵子の後を追った。


     ☆     ☆     ☆


『宏さん! ここにカクレクマノミがたっくさんいますわっ。いや~ん、カラフルで可愛い~♪』

『ほんとだ! ……あ、多恵子さん。イソギンチャクの中にもたくさん隠れてますよ!』

 多恵子は宏の腕に掴まりながら群れの一角を指差し、マスク越しに満面の笑みを向けて来る。
 宏も目に入るもの全てが新鮮に映り、多恵子に大小様々な珊瑚の造形や数多の熱帯魚を指で指し示しながらその色彩の妙や躍動感に目を見張る。
 ハッキリ遠くまで見通せる海の透明度に驚き、海底の砂の白さや波で作られた幾何学的模様が目に眩しい。

『ほら、多恵子さん。珍しいモノが泳いでますよ』

『まぁ、タツノオトシゴ! 想像以上に小っちゃくて可愛い~♪』

 多恵子もこちらの言葉が判るのか、ほぼ正確な反応を示している。
 海中では言葉が届かないので身振り手振り――腕を引いたり手でサインを送ったり表情で意思を伝え合う。
 シーウォークは水深四~五メートルの場所を歩くので周囲には常に太陽光が降り注ぎ、ヘルメット越しでも充分表情が判るのだ。

 ――以心伝心――

 宏の頭にひとつの言葉が浮かぶ。

(こういうの、好いよなぁ~♪ 阿吽の呼吸とか息が合うとか、いかにも長年連れ添った夫婦みたいで。……まぁ、正式に夫婦になったのはつい最近だけど)

 悦に浸る表情が出たのか、多恵子も満面の笑みで頷き、宏を掴む手に力が籠もる。
 どうやら似たような事を考えていたらしい。
 宏は心がより温かくなり、浮き立つ気分にもなった。

(……まぁ、実際に自分の重さも殆ど感じないし、こりゃ楽で好いわ。宇宙飛行士にでもなった気分だ♪)

 腰にある程度の重りを着けてはいるが、海中では想像以上に浮力が加わるので歩くよりもフワフワと漂う感覚に近く、慣れるまでは何かに掴まっていないと潮に流されたり海中で海月(くらげ)や宇宙遊泳張りに漂ったりするハメになってしまう。
 その為、常に二人のインストラクターが長さ三メートル程のハシゴ状のアルミ製ガイドポールを前後で持ち、原則、お客はポールに掴まって移動するのだ。
 宏は素潜りの経験があるので多恵子に腕を掴ませつつ、自由に海底を歩いていた。

(やっぱ、シュノーケリングとはひと味もふた味も違うなぁ。立って歩けるだけでも凄いのに、なんたって酸素ボンベ無しで呼吸し続けられるのが一番の違いだな)

 右に左に視線を巡らせ、多恵子と一緒に南国の海の美しさに魅入る宏。
 素潜りだと呼吸確保の為に一分前後しか海中にいられないが、このシーウォークだと極端な話、空気が送られている限りずっと海中に居続けられる。

(魚と一緒に自由に泳ぐ事は出来無いけど、散歩に特化しているから、これはこれで楽しいアクティビティーだよな~♪)

 しかも常にインストラクターが周囲や自分達に注意を払ってくれているので安心して海底散歩に集中出来る。

(この旅行中、時間が取れたら千恵姉と一緒に来たいな。千恵姉も素潜り好きだし、いつかみたいに海で……)

 つい、中学三年の夏休みを思い出してしまう宏。

(あの時が初めて千恵と二人っきりでデートしたんだよなぁ。一緒にシュノーケリング楽しんで千恵姉お手製の弁当食べて。帰り道では夕立にも遭ったっけ。その時に見た虹の美しさ、俺、今でもハッキリ覚えてる……)

 などと、つらつらと六年半前の甘~い想い出に浸っていたら。

『……さんっ、宏さんっ! 海の中でボ~っとしてたら危ないですわよ!』

 多恵子に強く腕を引かれ、宏は我に返る。
 どうやら立ち止まったまま、長い時間虚空を見つめていたらしい。
 目の前では両手を腰に宛がい、眉根を寄せた顔が迫っていた。
 多恵子は動かなくなった宏のヘルメットに自分のヘルメットをくっつけて顔を覗き込んでいたのだ。

『あ、ごめんなさい!』

 海中で拝むポーズをし、平身低頭する宏。

(今は多恵子さんとのデート中だったっけ。ヤバイヤバイ)

『まったくもうっ!』

 ヘルメットの向こうで苦笑いしている表情から、他の女性を思い浮かべていたとまでは思わなかったようだ。

『それじゃ、多恵子さん。熱帯魚に餌やりしましょうか♪』

 宏はインストラクターから渡された餌を多恵子にも渡しながら大きく微笑んだ。



(んもうっ! 宏さんったらボ~っとしちゃって。きっと、誰かさんと海に来た時の事でも思い出していたのね)

 宏の想いとは裏腹に、しっかりと夫の胸中を言い当てていた多恵子。
 それでも。

(でも、仕方ありませんわね。わたくしが宏さんと出逢った時には既に晶さんや若菜さんなど素敵な女の子達に囲まれていたのですから。……でも、それも含めて宏さんを好きになったのですし、今更嫉妬は無意味ですわね)

 手渡された餌を群がる熱帯魚にやりながら、多恵子は横目で夫を見つめる。

(こうして子持ち未亡人だったわたくしを娶って戴けただけでも、一生お側に仕えるだけの価値はありますし)

 宏と一緒に手の平に餌を載せ、魚達が群がる様子に笑顔を交わし、愛する男性(ひと)と同じ場所で一緒の時間を過ごせる幸せに浸る多恵子。

(宏さんといると、心が安まりますわ。……もっとも、未亡人で年上の女を堕とした責任も取って貰いますけど♥)

 多恵子はTシャツから覘く宏の腕や腹筋に視線を這わせる。

(宏さんは倉庫で力仕事をしている、って仰っていましたから、筋肉の付き方が何度見ても素敵ですわ♪ 二の腕の力こぶは見ていて力強いですし、特に中高と陸上部で鍛えられた太腿の逞しさは惚れ惚れしますわ♥ 腹筋も薄っすら六つに割れて……あぁ……あの身体にわたくし抱かれて……何度も身体を重ねているのですね♥)

 多恵子は知らず知らずのうちに内股で歩いていた。
 ハネム~ンの初日――新婚初夜での宏の無尽蔵な性欲に巻き込まれた事を思い出していたのだ。

(あの時の宏さん、わたくしを優しく抱き締めたまま何度も熱い精液を膣内(なか)に注いで下さいました。わたくしが果ててしまって息も絶え絶えなのに、射精しながら激しくも優しい抽挿をして下さいました。お陰でわたくしの膣と子宮はおろか全身に宏さんの精液がすっかりと染み込んでしまいました♥)

 ヘルメットの中でついつい頬が緩んでしまう。
 もしこの場に飛鳥がいれば、「な゛、ナニ不気味な顔して笑ってんのよっ!」と突っ込まれる事、請け合いだ。

(でもこれが……愛される歓び、なのですね。わたくしの小さな身体でも宏さんをたくさん悦ばせる事が出来ましたし……夫婦生活なるものが、こんなにも充実するものだと初めて知りましたわ)

 亡夫では味わう事が無かった性生活を噛み締め、ひとり悦に浸る元・未亡人。
 目の前の男性(ひと)を見るだけでお腹の奥がキュンと熱くなり、心が温かく、そして切なさも込み上げて来る。

(わたくしの心と身体は、もう宏さん無しでは生きては行けませんわ。この先、何が何でも宏さんと添い遂げなくちゃっ! ……あぁ、今夜が楽しみですわ♪ 初めて二人っきりになれる夜ですし、早く夜にならないかしら♥)

 愛しき男性(ひと)を見つめながら、今夜のセックスを心待ちにする多恵子。
 熱い塊が子宮から膣へ次から次へと流れ落ちてゆくのが判る。

(いゃん、すっかり濡れちゃいましたわ。……でも、ここが海中で助かりました)

 海の中が幸いし、愛液が染み出す股間や熱く滴る内腿を気にする必要が無いのが、多恵子にはありがたかった。


     ☆     ☆     ☆


「多恵子さん。水平線の少し上に南十字星が見えますよ」

 夕食後。
 宏は多恵子を誘って牧山(まきやま)展望台に来ていた。
 ここは伊良部島で一番標高が高く、昼間は隣接する下地島や宮古島までも一望出来る観光スポットでもあった。
 しかも宿屋から徒歩十分程度で来られる近さも魅力のひとつだ。

「えっ!? どこです? ……あら、ほんとに! あれが話に聞く南十字星なんですね。……素敵~♪」

 多恵子は祈るように両手を胸の前で組み、東京とはまるで違う夜の空に瞳を煌めかせる。
 眼下には伊良部大橋を渡る車のヘッドライトとテールランプが蛍の様に見え、仰ぎ見ると満点の星空が拡がって二人は南国の夜に暫し魅入ってしまう。

「南十字星ってみんな言ってますが、正式には『みなみじゅうじ座』と言うんだそうですよ」

「宏さん、博識ですのね」

「……な~んて。実は宿屋に置いてあった観光パンフレットに載ってたんです」

「まぁ! うふふふっ」

「あははははっ」

 笑いながらも、二人の影がゆっくりひとつに重なる。
 宏が隣に立つ多恵子の肩をそっと引き寄せ、多恵子もそのまま宏の胸に頭を預けたのだ。

「本当に綺麗な星空ですね。まるでわたくし達だけが宇宙に漂っているかのよう。……こんな心洗われる光景、飛鳥や美優樹にも見せてあげたいですわ」

「そうですね。でも二人だけでは無く、夜空が好きな晶姉や優姉を始め、みんなにも見せてあげたいですね」

「あら、宏さんったら、わたくしの肩を抱きながら他の女性の事を考えるなんて……いけずな男性(ひと)っ」

 唇を尖らせて拗ねる多恵子に、宏は慌てて言い訳を始める。

「あ、いや、深い意味は無くてですね――」

「ふふ♪ 冗談ですわ♪」

「た、多恵子さ~ん。多恵子さんが最初に飛鳥ちゃんと美優樹ちゃんの名前を出したんじゃないですか」

「あら、そうでしたかしら?」

 すっとぼける多恵子に、宏は破顔する。

「あはは♪ やっぱり多恵子さんはお母さん、でもあるんですね。ご自分の事よりも真っ先に娘さんの事を想う――。俺、そんな多恵子さんが好きです♥ 普段からも常にみんなに気を配ってくれていますし」

「あら、やだ……そんな……母だなんて……恥ずかしいですわ」

「いえいえ、多恵子さんは立派に『お母さん』、してます! 家事も助かってるって、千恵姉や若姉が手放しで喜んでますし」

 肩を抱く腕に力を込める宏。
 多恵子も抗う事無く、むしろ進んで宏に密着する。

「そう言って貰えるだけでも嬉しいですわ。こんなわたくしでも皆さんのお役に立てているのですから」

「多恵子さん、『こんな』とか……そんなにご自分を卑下しないで下さい。多恵子さんは晶姉や夏穂先生、そして飛鳥ちゃんや美優樹ちゃんと同じ位置にいる、俺の『奥さん』でもあるんですから」

「……そうですわね。ごめんなさい。宏さんと二人っきりなのに、つい母親としての立場になってしまいましたわ」

「あ、いえ、俺の方こそ出しゃばってすいません。奥さんと母親、どちらも多恵子さんなんですから、どちらが欠けてもダメなんですよね」

「ふふ。それじゃおあいこ、ですわね♪」

 ニコリと瞳を細め、頬を赤く染めながら宏を仰ぎ見る多恵子。

 ――アップに纏めた黒髪と白い肌を露わにしたうなじ。
 細い眉と黒目がちで涼やかな二重(ふたえ)の瞳。
 鼻筋の通った小顔とピンク色に煌めく薄い唇――

 しかしその表情は妻や母親では無く、恋するひとりの女、そのものの顔だった。

(多恵子さんは小柄で童顔だけど、こんなにも可憐で……メチャ可愛いっ! だのにスリーサイズは夏穂先生と同じ位で肉感的だなんて……反則だよなぁ)

 幼い外観ながらボン、キュッ、バン、とメリハリのあるボディはノースリーブのワンピース越しでもハッキリと判り、そんな匂い立つ色香に吸い寄せられた宏はそっと唇を重ねる。
 多恵子も鼻を鳴らしてキスをせがみ、小鳥が囀るような音を何度も立てながら二人は唇を貪り合う。

(多恵子さん……多恵子さん)

 宏の心の底から、多恵子に対する愛おしさが止めどもなく湧き上がって来る。
 それは言葉となって多恵子を優しく包み込む。

「多恵子さん、愛してます♥」

「宏さん♥ わたくし幸せ過ぎて……何だか恐いですわ。好きな男性(ひと)とこうして同じ場所で同じ時間を過ごしている事自体が夢みたいで……夢は醒めるものですから……出来る事ならこのままずっと……」

「でしたら、夢から醒めてもこうして――」

 宏はそっと多恵子のウェストに両腕を回して正面から抱き締める。
 すると多恵子の豊かな胸が柔らかく偏平するのが判った。

「俺がいつでも抱き締めてあげます。多恵子さんの隣に俺がいます。だからいつでも手を伸ばして俺を掴んで下さい。俺も多恵子さんを離しませんから」

「宏さん……♥ ありがとう――んむぅっ」

 宏は多恵子からの感謝を唇で封じ、そのまま熱く濃厚なキスを交わす。
 今度は最初から舌を繰り出し、多恵子の舌と絡め、なぞり、吸い上げる。

「礼には及びません。夫として当然です♪ ……まぁ、まだ若輩で頼りないかもしれませんが」

「んぁ……宏さん……宏さん♥ 宏さんには十人もの女性を受け入れる心の広さと深さがあります。それだけで充分頼りになりますわ♪」

 多恵子も顔を上向けて鼻息荒く宏の唇を貪って来る。
 舌を絡め合いながら宏の唾液を呑み干し、飽きる事無く唇を食(は)んでは熱い吐息を漏らす。
 互いが互いを求め合い、いつしか二人はきつく抱き合っていた。


     ☆     ☆     ☆


「宏さん!? ここじゃダメですっ! せめてお宿に帰ってからにして下さいまし!」

 濃厚な口付けだけでは飽き足らないのか、腰に回された両手が尻に伸びて来た。
 しかも最初は表面を軽く撫でるだけだったが、次第に尻たぶを揉みしだく動きになっている。

「宏さんっ! お願いですから落ち着いて下さい! いくら何でも人目に付くここでは……あぁあっ!? そ、そこを触ってはダメです!」

 多恵子は強い口調で哀願するものの、宏の鼻息が徐々に荒くなるにつれ抵抗も弱まってしてしまう。
 宏の中指が尻の割れ目を辿って恥ずかしい部分に触れて来たのだ。
 しかも、お腹に熱くて固い棍棒状のモノがずっと押し付けられてもいる。

「はぁん……こんな……外でだなんて……もし誰かに見られでもしたら……」

 宏の片手が疼き始めた乳首を何度も掠めてゆくから何も考えられない。
 ぞくぞくする性電気が胸と下半身から湧き上がり、頭の片隅でこのまま身を委ねてしまえと淫魔が囁いてもいる。
 そんな迷える子羊(?)に、宏が追い打ちを掛けた。

「時間も遅いですし地元の人はおろか観光シーズン前ですから観光客も来ません♪ …………たぶん」

「た、たぶん……って、そんな……あひゃぁあっ!?」

 いきなり、膝裏から甘美な刺激が駆け上がって来た。
 尻を撫でていた手がいつの間に下に伸び、膝裏から内腿に手を這わせていたのだ。

「宏さん、大胆過ぎますっ! お願いですから場所を変えて……あぁっ!? そんなコトしちゃダメですっ!」

 ほんの僅か逡巡している間にワンピースの裾がすっかりと捲り上げられ、オフホワイトのショーツが露わになった。

「多恵子さん、すごくセクシーなショーツですね。ローライズのシンプルなショーツで……すごく好いですっ! 俺、こういう肌にピッタリ貼り付くタイプの下着って、色っぽくてセクシーだから好きなんです♪」

 跪き、ワンピースを捲り上げたままショーツをガン見する夫に、多恵子は恥ずかしさよりも安堵が先に立ってしまう。

(あぁ、好かった。宏さんに悦んで貰えて。思い切って勝負下着を穿いて正解だったわ)

 多恵子はフリルなどの煌びやかな装飾は無いものの、フロント部分に小さなピンクのリボンがアクセントになっているショーツを穿いていた。
 風呂から出た後、いつ宏の目に触れても好いように選んでおいたのだ。

(宏さんの好みを知る若菜さん直々のお薦めですし、やはり妻として、そして女として宏さんに悦んで欲しいもの♥)

 などと自画自賛(?)していたら、宏の手がショーツの両脇に掛かった。
 どうやらこの場で脱がすようだ。

「い、いけません! 外で下着を脱ぐだなんて、いくら何でも無茶過ぎっ……あぁっ!!」

 言いつつも、足を閉じるどころか力を抜いて肩幅に太腿を拡げてしまう多恵子。
 宏の熱い息がすっかりと濡れそぼったクロッチ部分を掠めて行ったのだ。

(これでは脱がして下さいと言わんばかりだけど……幸い誰も近くにいないし宏さんが求めるのならば……♥)

 股間を覆う薄布が引き剥がされ、風が直接、天然無毛の淫部を撫で擦ってゆくのが判った。
 しかし、いくら宏との触れ合いを望んでいても、屋外にいる以上、恥じらう言葉が自然と口を吐(つ)いてしまう。

「あぁ……公共の場で……こんなはしたない格好で……宏さんの……いけずぅ」

 つい、内股になって自らを抱き締めてしまう。
 それでも多恵子の縦筋を凝視しつつ、宏は多恵子の羞恥を煽る言葉を掛けて来た。

「多恵子さん、何だかんだ言いつつもショーツを脱がせている間中、少しも抵抗しませんでしたね。むしろ片足ずつショーツを脱ぐの手伝ってくれてますし」

「そ、それはっ! ……………………わたくしが宏さんの求愛を断わるなんて……あり得ません」

 顔を背けつつも、小声で心中を吐露する多恵子。
 その顔は薄暗い展望台にあってもハッキリと判る程、赤く色付いていた。


(おぉ~~~、多恵子さん、薄っすら濡れてるっ! 多恵子さんもキスしただけで濡れるんだ)

 宏は跪いたまま、産毛すら生えていない肉裂を凝視していた。
 白くなだらかな恥丘に切れ込む、ひと筋の割れ目。
 肉厚の大陰唇が左右から合わさり、深い谷を刻んでいる様は何度見ても興奮させられる。
 今は両足を軽く閉じた状態なので媚粘膜までは見えないが、谷の中程に薄桃色の陰核包皮の突起と濃い桜色に染まるラヴィアが僅かに覗いている。
 しかも割れ目の縁には夜目でも判る程、濡れ光る液体が滲んでもいた。

(多恵子さんって小柄で童顔だから、まるで女子中 学生にイタズラしてるみたいだな)

 そんな危ないシチュエーションだのに(だから?)、宏の股間は大きなテントを張っていた。
 鼓動に併せて肉槍が疼き、遠目から見てもバミューダパンツを棒状に押し上げて先端が大きく膨らんでいる。

(先のハネム~ンで優姉と夜の外でシタ時もこんな雰囲気だったけど……多恵子さんだと何か新鮮だなぁ。優姉は従姉だから生まれた時からの付き合いだけど、多恵子さんは知り合って七年程だし本格的に接し始めてまだ四ヶ月だもんな~。『女房と畳は……』とはまるで違うけど、新たな女性としての新鮮味があるのかも)

 暫し幼い割れ目に魅入っていたら、頭上から熱い吐息が漏れて来た。

「あぁ……ひ、宏さん。そ、そんな熱心に見つめられると……わたくし……」

 モジモジと足を摺り合わせる度に漏れ出た愛液が白い内腿を濡らし、デルタゾーンに銀の糸が架かってゆく。

(多恵子さん、始めは嫌だ嫌だ言ってたのに、今や熱く火照ってうっすら汗掻いて期待してるし♪ ……だったらここで多恵子さんを舐めてイカせてあげよう♪ せっかく二人っきりなんだし、たっぷりと多恵子さんを味わってから合体したいしな♥)

 脳内でエロプランを立て、肉棒もそそり勃てた宏は股間の前で大きく深呼吸する。

(あぁ……多恵子さんの匂いがする♪ 濃厚でどこか甘酸っぱい……多恵子さんだけが分泌させてる蜜の匂いだ)

 宏は跪いたまま両手を柔らかな尻に宛がい、ゆっくりと揉み回しながら淫裂に顔を埋めた。

「あぁ! ひ、宏さん、いけません! こ、ここでは……落ち着いて愛撫を受けられませ……んんっ!!」

 陰核包皮の上に鼻先を宛がい、濡れたラヴィアを割り開きながら舌先で膣前庭を舐め上げる。
 するとたちまち唇は溢れ出す愛液で濡れ光り、口の中にも容赦無く愛液が注ぎ込まれた。

「多恵子さんのラブジュース、あったかくてトロトロしてて……すごく美味しいです♪」

 ――じゅるるるっ! じゅじゅっ! じゅるるっ……――

 こんなにも濡れているのだと知らしめるように、わざと音を立てて蜜を啜る宏。
 尖らせた舌を膣孔にねじ込み、直接愛液を飲み干してゆく。

「はぁん! あぁあ……ひぅっ!? ふぁあ! うぁ~~~っ……そ、そんなに吸っては……ひゃんっ! お、お豆に触れては……だ、ダメですぅ!」

 唇を動かす度に、頭上から鼻に掛かった甘い声が漏れ出て来る。
 どうやら上唇ですっかりと剥き上がった部分を無意識に刺激していたらしい。

「でも、気持ち好いでしょう?」

 淫裂を舐めしゃぶりつ聞いてみると、果たして予想通りの応えが返って来た。

「き、気持ち好い! 気持ち好過ぎて何も考えられません! 宏さんに触れられている所は全て性電気が走って……わたくし、もう立っていられませんっ!!」

 そう言った直後。

「わたくし、外でイッてしまいますぅ~~~~~~っ!!」

 言葉尻が尻上がりとなって絶叫し、膝が震えたかと思った瞬間、雷に打たれたかのようにビクンッと全身を振るわせ、気をやってしまう多恵子。

「イック――――――――――――――――っ!!」

 ひと際大きく身体を震わせ、宏の頭を抱えると前のめりになって小刻みな痙攣を繰り返す多恵子。
 今迄聞こえていた風が草をなびかせる音や遠くから聞こえる波の音に替わり、展望台には多恵子の荒い吐息がいつまでも響いていた。


     ☆     ☆     ☆


「あぁ……こんな格好で宏さんと繋がるなんて……しかも外で。……………………宏さんの、エッチ♥」

「エッチなのはお互い様かと♪ 多恵子さんも人目が無いのを好い事に外でアクメを迎えたようですし♪」

「はぅっ! そ、それは……っ」

 上目遣いでやんちゃな夫を睨むが、あっさりとカウンターで返されてしまった。
 もっとも、自分でも瞳は潤み、顔どころか全身が火照っているのが判るのでどう抗議しても無駄だろう。

「んもう! 宏さんの意地悪っ。……うふふ♪」

「あははっ、怒った多恵子さんも綺麗ですよ♥」

「ハイハイ、そう言うコトにしておきましょうね♥」

 軽いジャブの応酬に、固く抱き合ったまま笑みを交わす多恵子と宏。
 二人はベンチに浅く腰掛けた宏の上に抱き合うようにして多恵子が跨り、対面座位での合体中だった。
 宏のハーフパンツとトランクスは多恵子によって脱がされ、多恵子のショーツと共にベンチに鎮座している。

「あぁ……こうして動かずに深い所で繋がっていると……何だか落ち着きます。気持ち好いのは確かなんですが、心が安らぐんです。ずっと、こうしていたい程に♥」

 宏の首に両腕を回し、腰にも両足を回してしがみついているので結合の深さはピカイチだ。
 木製のベンチなので激しい抽挿は期待薄だが、深く繋がっていられるので多恵子のお気に入りの体位だった。

(しかも、宏さんの逞しいおチンポがわたくしの子宮を突き上げて来ますから……得も言われぬ快感も味わえますし♥)

 身体の各パーツが小さい多恵子にとって、宏のイチモツは巨砲(巨チン兵?)と呼べる大きさになる。
 そんな竿を多恵子の小さな膣へ全て収めると亀頭が子宮を嫌でも押し上げるのは道理でもあった。

「それに、わたくしが宏さんを包み込んでいるのかと思うと凄く幸せな気持ちにもなれます。愛し愛される者同士での繋がりがこんなにも優しくなれるなんて……初めてです。どれもこれも、全て宏さんが教えて下さったんですよ」

「あはは、そう言って貰えると俺も嬉しいです。多恵子さんのお役に立てて好かったです♪」

 歳下の夫は、そう言うと優しく抱き締めてくれる。
 下から腰を突き上げるような抽挿をしたいのだろうが、こうして妻のリクエストに応えてくれる。

「宏さんが隙間無く挿(はい)っていますから、おチンポがピクピク動くのが判ります♪ ……ホラ、今もビクンって大きく脈打ちましたわ♪」

「だって……多恵子さんの膣内(なか)、チンポに密着して……色んなトコが刺激されて……気持ち好いんです! まるで膣内(なか)でしゃぶられているかのようで……マジで……動かなくてもイッちゃいそうです」

 宏の両手が腰に宛がわれ、多恵子の回転運動を封じる。
 どうやら自然と動いていた腰の動きが暴発の誘因となっていたらしい。

「わたくしの『女』を褒めて下さってありがとうございます♪ わたくしも宏さんのおチンポでお腹いっぱいですわ♥」

 小さく笑い合うと、吸い寄せられたかのようにディープなキスを交わす。

「あぁ……宏さんの熱くて硬いのが……お腹を突き上げていますわ♥」

 繋がった部分からは止めどもなく愛液が滴り、ベンチをも大きく濡らしてゆく。
 二人の呼吸が次第に荒く大きくなり、言葉も少なく顔中に唇を這わせ合う。
 互いに耳朶を甘噛みし、舌先でなぞり、そのまま頬を通って唇を重ねる。

 ――ピクリ……ピクンッ、ウニョニョニョ……ウネウネ――

「多恵子さん……多恵子さん♥ 好きです……愛してますっ♥」

「わたくしも宏さんが好きです♥ 愛してますわ♥」

 愛の言葉を交わす度に、膣内(なか)でも会話を交わす二人だった。


     ☆     ☆     ☆


 多恵子の膣内(なか)にたっぷりと精を注いだ宏は、未だに固い肉槍を多恵子に挿れたままDカップ(八十五センチだ)の胸に手を宛がう。

「多恵子さんのオッパイは柔らかいマシュマロみたいでフカフカしてて……服の上からそっと触れても指が沈み込んで行くのが判ります♪ ……飛鳥ちゃんのオッパイも、こういう風に柔らかいのかなぁ」

 射精後の脱力感に浸っていた宏は、つい、まだ見ぬ乳房に想いを馳せてしまう。
 そんな溜息混じりの本音を零す宏に、多恵子は目を剥いた。

「えっ!? ま、まさかっ! ひ、宏さん、飛鳥はまだ……」

「そうなんです。飛鳥ちゃん、未だにガードが固くて。オッパイ、直接見るコトすら許してくれないんです。ブラしてても胸を隠すコト、多々ありますし」

「飛鳥ったら、まったくもう! いつまでも駄々を捏ねて宏さんに寂しい思いをさせるなんて……ほんと困った娘で申し訳ございません。あとできつく叱っておきますわ。……………………あ、でしたら♪」

 宏と繋がったまま大きく頭を下げて母親として詫びる多恵子だったが、最後に何か思い付いたのか、実に楽しげに微笑んだ。


                                            (つづく)

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