ブログ障害・メンテナンス情報  

               性描写がありますので20歳までの方は閲覧しないで下さい。    この物語(サイト)のRSS

<< 迷子の仔猫ちゃん(4) | ←←← トップ画面へ戻る | 迷子の仔猫ちゃん(6) >>
最終更新 '17.-3.14. お知らせ (リンク集)                              | Facebook | Twitter |  リンク集 | ▽ このページの下へ |  ライトHノベルの部屋 迷子の仔猫ちゃん(5)


 ライトHノベルの部屋  ライトHノベルの部屋  ライトHノベルの部屋
     ~ラブラブハーレムの世界へようこそ♪~


スポンサーサイト スポンサーサイト スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

   
                                
迷子の仔猫ちゃん(5) 迷子の仔猫ちゃん(5) 美姉妹といっしょ♡ 
 
「おはようっ、みんな。いい朝ね♪」

 にこやかな表情でダイニングに現れた晶に、朝食に集まっていた面々は一瞬呆気に取られる。
 これが昨夜、この世の終わりとばかり沈みきった表情をして部屋に戻って行った晶と同一人物だろうか。
 真奈美は驚きの余り采の目に切ろうとしていた豆腐を丸々味噌汁の鍋に落してしまい、千恵はうろたえて炊き上がったばかりのご飯の釜の中にしゃもじを持ったまま右手を突っ込んでしまう。

「お、おい、宏っ! 晶のヤツ、すっげ~爽やかだぞ!? お前、何かヘンなモノでも食わせたのか?」

「ひ、宏ちゃ~ん。こ、怖いよぅ~」

 晶に続いて現れた宏にほのかが血相を変えて詰め寄り、若菜までが泣きながら左腕にしがみ付いて来た。
 そんな二人に晶は握り締めた両手の拳をプルプル震わせ、こめかみに血管を浮かび上がらせて唸った。

「お、おのれらは~~~っ」

 晶は猫と共に過ごす事への恐怖心が全く無くなった訳ではないが、少なくとも当面の同居は認めた。
 少しずつではあるが、猫と向き合う心積もりになったのだ。
 また、宏に隠し事が無くなった事で心もスッキリ晴れやかになったのだ。

(……ヒロクン、ありがとう。お姉ちゃんの心の枷を解いてくれて、本当にありがとう)

 優だけはただ一人感謝の気持ちを篭め、宏に極上の笑みを向けて小さく頭を下げた。
 姉の猫嫌いを宏が解(ほぐ)してくれたと思ったのだ。
 しかし、如何に双子と言えども、姉が猫を怖がっているとは想像だに出来なかった。
 それ程、晶の演技が完璧だったのだ。

「さ、みんな。朝ごはんにしよう♪」

 宏の朗らかな掛け声がダイニングに響いた。
 この日から真奈美と若菜が中心となり、仔猫の世話に明け暮れる毎日が始まった。
 晶は相変わらず猫嫌いを前面に出すものの初日の様に嫌悪感を示す事は無く、仔猫から一定の距離を置くスタンスに変わった。
 宏には猫恐怖症が公になったが、優を始め他の妻達には依然として猫嫌いを演じている。
 妻達のリーダーとして、宏の筆頭妻(晶が自称してはばからない)として、今更猫が怖いんです、とは高いプライド(意地とも言う)が邪魔をして言えないのだ。
 そもそも子供の頃の恐怖心や憎しみが簡単に解消される筈も無く、仔猫から数メートル以内にはどうしても近寄れない。
 そんな晶をほのかが笑いながらからかい、宏が取り成す事が日常となった。


     ☆     ☆     ☆


「おっ! 包帯取れたのか~。好かった好かった♪」

「うん♪ 傷口も完全に塞がったし、そろそろ外しても好い頃だと思ったの~♪」

 夕方帰宅したほのかは日課となっていた仔猫への見舞いに訪れ、右後ろ足に巻かれていた包帯が取れていた事に手放しで喜んだ。
 命に別状が無いと判っていても、包帯が巻かれた仔猫の姿は痛々しくて見るのが辛かったのだ。
 若菜も昼間の仔猫の様子を身振り手振りでほのかに教え、リビングは温かい笑い声に包まれる。

「食欲も旺盛だから、もう大丈夫よ♪」

 真奈美は強い反対を押して保護した甲斐があったと心から嬉しくなる。
 仔猫のあごを優しく撫で上げるとゴロゴロと喉を鳴らし、気持ち好さげに目を細める。
 と、そこへ晶が現れた。
 しかしリビングの真ん中に仔猫がいるので中に入れない。
 入りたくても足が拒否反応を起こし、言う事を聞かないのだ。

「あら? 随分元気になったわね。もう歩ける様になったんじゃない?」

 東廊下側の入り口から顔だけを覗かせて自然と仔猫に視線を向けた瞬間、晶に悲劇(外の者にとっては喜劇だ)が訪れた。

「ニャニャッ♪」

 今まで横たわっていた仔猫が首をもたげて晶の顔を見た瞬間、みかん箱を飛び出すと晶に向かってダッシュしたのだ。
 まるで晶に「遊んで頂戴~♪」と言わんばかりに。
 しかし晶はそれ所では無い。
 今まで天敵(?)として認識していた相手がこちらに向かって突進して来るのだ。

「っ! いっ、いやぁ~~~っ!!」

 遠い昔に咬まれて引っ掻かれた痛さ、辛さ、憎しみ、恐怖心が一瞬で甦り、顔を思いっ切り引き攣らせると屋敷中に響く悲鳴を上げ、一目散に宏の部屋に逃げ込んだ。
 自室では無く、宏の部屋へ逃げ込む姿はとても二十五歳のアダルトな女性には見えず、小さな子供の後姿に似ていたと、後にほのかが語る程だった。

「晶のヤツ、もしかして……」

 この一件で晶は実は猫が怖いのではないか、と言う憶測がほのかと若菜、真奈美の間に流れ始めた。
 そこで若菜が真相を聞き出そうと(無謀にも)アタックしたのだが、ものの見事に玉砕してしまった。

「この『あたし』がっ! 猫一匹怖がっている様に見える!? あたしは猫が嫌いなのっ!」

 晶は物凄い目付きで睨みを利かせ、全身からドス黒いプレッシャーを掛けて憶測を粉砕しようとした。
 が、それがまた憶測を呼んでしまう事に本人は気付いていなかった。
 結局憶測は憶測のまま、みんなの中で燻り続ける事になる。

「まぁ、いいさ♪ コイツが元気になって好かったぜ♪」

 ほのかの一言が、仔猫に対するこれまでの心配を全て払拭した形となった。
 一方、包帯が取れた仔猫は自由に屋敷中を歩き回る様になった。
 仔猫は野良にしておくには勿体無い程頭が良く、真奈美が西廊下の端に作った猫用トイレ(みかん箱を流用した)の場所も直ぐに覚え、決して家の中で粗相はしなかった。
 また、台所に置いてある煮干や鰹節を勝手に漁る事もしないし、人様が食事中のテーブルへ乱入し、おかずを失敬する事も無かった。

「ニャンニャンッ♪」

 呼べばトコトコ寄って来て、甘えた声で頭を擦り付ける仔猫に全員(勿論、晶は除いてだ)が夢中になった。
 中立を宣言していた優や千恵でさえ、目尻を下げて手を差し出している。
 ところがこの仔猫、世話になった真奈美や若菜、ほのかよりも晶が気に入ったらしかった。

「ニャニャ~~~ン♪」

 まるで「一緒に遊んでよ~~~♪」と言わんばかりに晶を見つけると嬉しそうな声を上げて走り寄るのだ。
 これには晶も青ざめ、後ずさりしながら叫ぶしかなかった。

「ちょっとっ! 何であたしばかりについて来るのよっ!! あっちへ行ってっ!!! 」

 仔猫は尻尾と耳をピンと立て、弾む様な足取りでいつも晶の後を付いて歩くのだ。
 その度に晶は足を早めて逃げ回り、金切り声を上げる。
 ほのかは毎度繰り広げられるシーンにお腹を抱えて笑い転げ、真奈美や若菜は仔猫に構って貰えずに嫉妬する始末だ。

「晶さんの意外な一面が見られて面白い……じゃなかった、楽しいわ~♪」

「……お姉ちゃん、案外笑わせキャラかも♪」

 千恵と優は傍観者になって微笑むだけで、決して晶と仔猫の間に手を出さない。
 二人(?)の事は宏に任せてあるし、逃げ回る晶を見ている方が下手なテレビを見るより数倍も楽しいのだ。

「晶姉も、少しは慣れてくれたかな?」

 宏は毎晩終電間際まで働く一方、そんな妻達を優しく見守っていた。
 しかし、事ある毎に苦手な(まだ猫が怖いのだ)猫に追い掛けられ、猫嫌いを演じる晶のストレスは人知れず溜まってゆく事に、この時は誰も……宏や本人ですら気付かなかった。
 そんなある日。

「もうっ! いい加減にしてっ! しつこいのよっ! 付いて来ないでっ!!」

 土曜日の昼下がり、屋敷中に晶の怒号が轟き渡った。
 これまでと違う晶の悲痛な声に、宏を始め優と千恵がリビングに駆け付ける。

「いっつも、いっつも、あたしの後を追い掛けてっ! 迷惑なのよっ! もう、この家(うち)から出て行ってっ!!」

 以前と比べるとだいぶ猫に慣れて来た晶だったが、心の奥底に潜む恐怖心と今までのストレスから遂に我慢の限界を突破してしまったのだ。
 髪と柳眉を逆立て、眉間に皺を寄せたその表情はまるで般若の様だった、と一部始終を目撃した若菜は語った。
 余りの怒り心頭の晶に真奈美はどうして良いか判らずにただ立ち竦み、優もここまで感情を露にした姉を見るのは初めてで、どうしたものかと宏に視線を向ける。
 千恵も顔を真っ赤に染めた晶の尋常でない感情の高ぶりに、なす術無く宏の手を強く握る。
 そんな怒りをぶちまける晶にほのかが噛み付いた。

「おいっ、晶! 出て行けとはなんだっ! そんな言い方ないだろう!? 仔猫には何の罪も無いだろうがっ!」

「うるさいわねっ! 貴女に何が判るというの! あたしはもう限界なのよっ!!」

 猫に対する恐れ、素直に怖いと言えないジレンマ、みんなに対する見栄などがない交ぜになり、自分でも感情がコントロール出来無くなる程ストレスが脹らんでしまったのだ。
 仔猫に意識が向いている状態の誰もが、そんな晶の脆い心に気付けなかった。
 晶の哀しげな叫び声とその後に取った行動に、その場にいた全員が目を見張る。

「ば、バカっ! 落ち着けっ! いいから落ち着けっ!」

「離してっ! 手を離してよっ!!」

 電話台に置いてあった一輪挿を握り締め、仔猫に向かって振りかぶる晶。
 それを必死になって正面から抑え、花瓶を取り上げ様とするほのか。
 その足元で、つぶらな瞳で二人を見上げる仔猫。
 次の瞬間、揉み合う二人から花瓶が零れ落ち、仔猫目掛けて落下した。

「「「「「「っっっ!!」」」」」」

 息を呑んだ妻達全員の動きが止まり、時間だけが無情に過ぎてゆく。


                                            (つづく)

♥ 投票して頂けると作者の大きな励みになります♪        何卒御協力お願い致します♥
 ↑↑ 「面白かった♪・良かった♪・エロかった♥」と思われた方は押して下さい♪
      (ランキングサイトに投票され、作者が悦びます♪)

   
| コメント(0) |                                ( テーマ : ライトHノベル  ジャンル : アダルト

| 本編 | 新婚編 | 番外編 | 総目次 |

【 お寄せ戴いた御意見・御感想 】

【 御意見・御感想の投稿 】



     ご訪問者総数  名様 (2006年 4月~)

<< 迷子の仔猫ちゃん(4) | ←←← トップ画面へ戻る | 迷子の仔猫ちゃん(6) >>

作品別 目次| 本 編 | 新婚編 | 番外編 | サイトマップ | 

相互リンク| ちょらりんく | おたりんく | 相互リンク

アクセスランキング    [ 管理人専用口 ]

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。