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迷子の仔猫ちゃん(4) 迷子の仔猫ちゃん(4) 美姉妹といっしょ♡ 
 
「晶姉、入るよ~♥」

 後を追った宏が晶の部屋をノックするが、中からの反応が無い。
 いつもの晶なら、宏が声を掛けると同時に襖が開き、次の瞬間には腕を取って中に引き込んでいるのに、今回はまるで様子が違う。
 どうやら、かなり御機嫌ナナメの様だ。

「毎度~♪ 夜這いに来たよ~♥」

 軽いジョークを飛ばしつつ、きっちり襖を閉める。
 今夜は二人だけにして、と他の妻達へのサインと、朝まで二人っきりだよ、と言う晶へのメッセージを篭めたのだ。
 晶はチラリと襖に視線を向けただけで、再び腰まで届く長い黒髪を黙々と梳(す)き始める。

「……話す事なんて無いわ」

 鏡の中の自分を見つめたまま櫛を置き、灯を消すと宏に背中を向けてベッドに潜り込む。

(晶姉も頑固……と言うか、意地を張るからな~)

 宏は心の中で苦笑し、そっと晶の背後に寄り添う。
 ベッドに入っても拒絶しない所を見ると、まだまだ話し合える余地はありそうだ。

「晶姉、俺が味方に付かなかったから怒ってる?」
 
 

「……別に」

 晶は言葉を濁し、首を横に振る。

(あたしの猫嫌いを知ってるくせに!)

 子供の頃からどんな時でも味方だった宏が、どんな時でも自分を優先して考えてくれると思っていた宏が晶の思いとは逆の裁量を下した事がショックだったのだ。

「ねえ、こっち向いて?」

「いやよ! こんな顔……見せたくない」

 晶は宏のリクエストを断り、掛け布団を引き上げると顔を埋(うず)める。

(今のあたしは、きっと酷い顔をしている)

 戸惑いと混乱、悲観が頭の中を渦巻き、とてもじゃないが顔見せ出来無い。
 好きな男性(ひと)だからこそ、笑顔以外の顔を見せたくは無かったのだ。
 そんな晶に構わず、宏は肩にそっと手を掛け、ゆっくりと身体ごと向き直させる。
 ちゃんと顔を見て話したかったのだ。
 しかし晶は長い髪で表情を隠し、俯いたまま宏の顔を見ようとはしない。

「俺、晶姉が好きだよ、愛してる♥ 昔からずっと。そして今でも」

「ご、誤魔化されないわよっ。そ、そんな……」

 突然のラブコールに晶は一瞬顔を向けるが、慌てて視線を逸らす。

(懐柔するつもり? そんな事であたしの気持ちは変わらないわよ)

 そうは思うものの鼓動が早くなり、顔が熱くなってしまう。
 好きな男性(ひと)から真顔で「好きだ、愛してる」と言われ、平静でいられる女はいない。

「晶姉、右手出して」

「……」

 宏は俯いたまま差し出された手を握ると、右手の甲と人差し指に唇を這わせた。

「あ……」

 晶は大きな瞳を見開いて宏を見つめる。
 宏がキスした場所には、言われないと判らない程の小さな傷跡が残っている。
 しかし晶には大きな傷跡として心に残っていた。
 そんな場所に唇を寄せられ、晶の心がざわめき出す。
 昔の出来事を思い起こさせたからだ。

「この傷、ホントは俺が負うべき傷だったからね」

「!! ヒロ……覚えてるの!?」

 晶の心に驚きと嬉しさが湧き上がる。
 とっくに忘れられていると思っていたのだ。

「当たり前だよ~。俺と晶姉の大切な想い出だもん♪」

「ならっ! どうして保護に賛成したのよっ!」

 晶の猫嫌いとなった出来事を知っていて尚、猫の保護を認めた宏に思わず声を荒げてしまう。
 生まれて初めて裏切られたと言う想いもあったのだ。
 しかし宏は微笑みながら晶の細い手を自分の頬に宛がう。

「晶姉は本当は優しい、って知ってるから」

「な゛っ! 何よ、いきなり」

 晶は突然の褒め言葉に狼狽してしまう。
 混乱する晶に構わず、宏はもう一度右手にキスをした。

「俺、今でもハッキリ覚えてる。あの時、晶姉は俺の代わりに……」

「そう……だったわね。ヒロが最初に見つけたのよね」

 二人は遥か昔に想いを飛ばす。
 それは晶が小学三年生で、宏が幼稚園年少組の時だった。
 優も含めて三人で遊ぶ約束をし、集合場所の公園に先に来ていた宏が木に登って下りられなくなった猫を見つけたのだ。

「う゛~~~、とどかなよ~」

 落ちていた枝を拾って伸ばしたり、思いっ切りジャンプしても、宏の身長ではどうやっても猫まで手が届かない。
 そこへやって来た晶が事情を察し、猫を助けようと木に登って右手を差し出したのだが……。

「ああっ! いたいっ! いたいぃっっっ!!」

 猫は唸り声を上げて晶の人差し指に咬み付き、手の甲に爪を立てたのだ。
 晶は余りの痛さに腕を振り払い、登っていた木からも滑り落ちて尻餅をついてしまう。
 腕を払った弾みで猫は地面に無事着地し、一目散に何処かに行ってしまった。
 そして晶の右手には、一生消えない傷跡だけが残った。

「なによっ! ねこのくせにっ!!」

 助ける為に手を差し伸べたのに傷を負わされた晶。
 恩を仇で返された形となり、晶は泣きながら怒った。
 咬まれて引っ掻かれた痛みよりも、猫を助けたかった宏の心を踏みにじられた様に感じたのだ。
 でも、今なら判る。
 猫も下りられなくなって怖かったのだと。
 だから思わず咬み付き、爪を立ててしまったのだと。
 しかしまだ幼い二人には、そこまで判らなかった。

「たすけてあげたのにっ! ヒロにかわってたすけてあげたのにっ! ねこなんて、だいっきらいっ!!」

 涙ながらに晶は絶叫し、以来猫嫌いを公言する様になった。
 最初、宏は自分の所為で晶が怪我をしたと思い、子供ながらに思い悩んだ。

「ヒロはきにしなくていいのっ。あたしがかってにしたことだからねっ」

 うな垂れる宏に晶は何度も言い、宏も幼かった事もあって直ぐにその通りなんだと納得してしまった。
 ところが猫と遭遇する度に宏の手を握り、回れ右をする晶に宏は首を傾げた。
 猫に咬まれる前までは自分から猫に近付いていったのに、公園での出来事以降、猫を避ける様になっている。

「こわいんじゃないからねっ! きらいなのっ! ぜったいに、こわいんじゃないからねっ!」

 ある時、そう言い訳していた晶の瞳の中に怯えの光が宿っている事に宏は気付いた。
 晶は猫の凶暴性を身をもって体験し、猫が怖くなってしまったのだ。
 子供の頃からプライドが高かった晶は素直に怖いとは言えず、それを誤魔化す為に必要以上に猫嫌いを演じていたのだった。

「!!! それじゃ、ヒロは昔っから、あたしが猫を怖がっていた事を……!?」

 うん、知っていたよ、と頷く宏に、晶は目玉が飛び出る程大きく目を見開き、口をあんぐり開けて見つめる。
 まさか自分の猫嫌いの真相を知っているとは思わなかったのだ。

「だから今回の件をきっかけに、晶姉が昔みたいに猫好きに戻ってくれればいいな、っと思って。それで敢えて猫の保護に賛成したんだ。……俺の所為で猫が怖くなった晶姉に対する罪滅ぼしも兼ねて」

 宏からの仰天告白に晶の頭の中が真っ白になる。

(ヒロが……あたしが猫を怖がっていたのをずっと知っていた。それを……ヒロは心に留めていてくれた……)

 晶は急に恥ずかしくなる。
 これまで宏の前で見せた猫嫌いの演技は完全に独り芝居ではないか。
 それよりも宏がずっと自分を気にしててくれた事が何より嬉しかったし、愛されている、と切に感じた。
 しかし己の心に宿った驕(おご)りにも気付く。
 宏は俯いたかと思うと肩を震わせた晶に向かってそっと言葉を掛ける。
 晶の猫恐怖症を知っても黙っていた所為で、長い間晶を傷つけてしまっていたのかと思ったのだ。

「晶姉、ごめん。俺がもっと早く晶姉に言っていれば……」

 晶は大きく首を横に振って宏の言葉を遮る。
 宏は何も悪くない。
 悪いのは素直になれない自分自身だ。

「あたし……バカだわ。ヒロにこんなにも想われている事に……気付かなかったなんて」

 好きな男性(ひと)に、何時でも味方になって貰えるものとばかり思っていたのは間違いだった。
 好きだからこそ突き放す時もある、という事に今更ながら気付いたのだ。
 それに気付かず、自分の猫嫌いを前面に押し出してみんなに不快な思いをさせてしまった。
 何より、宏に裏切られた、などと思ってしまった。
 妻として、女としてあるまじき行為だ。
 晶は猛烈な自己嫌悪に陥ってしまう。

(あたしって、まだまだ子供……駄々っ子だわ。ヒロの気持ちに甘えてたのね……)

 素直に猫が怖いと言えていたら、今日の騒ぎは起きなかっただろう。
 布団の中で嗚咽を洩らし始めた晶を優しく抱き締め、宏はなだめる様に耳元で囁く。

「今すぐ猫に慣れろ、とは言わないからさ。今はただ、真奈美さん達を見守っててあげて欲しいんだ」

 宏の温かい声が心地好く心に染み渡り、晶はただ頷く事しか出来無い。
 胸から伝わる鼓動と温もりに乱れた心が安らいでゆく。

「今の真奈美さんは昔の……木に登って猫を助け様とした晶姉そのものだから」

「そこまで判ってたの? ……流石、あたしが惚れた男ね♪ あたしには充分過ぎる夫だわ♥」

 潤んだ瞳のまま、晶は宏の唇にむしゃぶり付く。
 瞳からは月明りに光るモノが幾筋にもなって頬を伝い、枕を濡らす。
 宏は唇で涙を拭い、右腕を晶の首の下へ回して二人っきりの時に必ずする格好になる。

「今夜はさ、このまま眠ろう♪ ずっと、朝まで腕枕しててあげるから♥」

 宏の腕は筋肉でごつごつして枕とするには少し硬いが、晶にとってはこの世に二つと無い最高、最上級の枕だ。
 心を満たされた晶は温かい宏の胸の中で目を瞑る。

(ヒロの……匂い♥)

 肺一杯に宏の匂いを充満させ、ひとり悦に浸る。
 晶の右手は宏の胸の上で宏の左手と握り合い、宏の呼吸に合わせて微かに上下する。
 やがて規則正しい寝息が聞こえ、宏がそっと顔を窺うと以前と同じ、自信に満ちて美しく聡明なレディーの顔に戻っていた。


                                            (つづく)

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