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迷子の仔猫ちゃん(2) 迷子の仔猫ちゃん(2) 美姉妹といっしょ♡ 
 
 若菜と真奈美が血相を変えて玄関に飛び込むと、留守番をしていた千恵と優が何事かと駆け寄って来た。

「姉さんっ、救急箱っ! それとタオルもっ!」

 若菜の切羽詰った声に千恵は反射的にUターンし、すぐに救急箱とタオルを抱えて戻って来た。
 双子だけあって息もピッタリだ。
 真奈美は畳まれたタオルの上にそっと仔猫を降ろすと首を巡らす。

「優先輩っ、空いた段ボール箱はありませんか? この仔の寝床にして手当てをしたいんですっ!」

 優は頷きかけたものの直ぐに動きを止め、仔猫を見据えたまま静かに真奈美に問い質した。

「……この猫、どうしたの? 首輪は……してないから野良ね。それに怪我してるけど、車にでも轢かれてた?」

 普段とは違う、優の素っ気無い仕草に若菜はおや? と首を捻る。
 動物にも優しい優とは思えない態度なのだ。
 一方、真奈美はまるで他人事の様に話す優に唖然としてしまう。
 それと同時に冷たい態度の優に身体中の血液が見る間に沸騰するのが自分でも判った。

「こっ、この仔は猫同士の喧嘩で怪我をしたみたいなんですっ! 早く手当てしないと、このままじゃ……」

「……猫同士の喧嘩? ……だったら人間が手出ししては駄目。この猫がいた場所に戻して来て」

 真奈美の言葉を遮り、優は冷淡な声で容赦無い言葉を返す。
 これにはその場にいた全員が目を丸くし、耳を疑ってしまう。
 いつも慈愛に満ちた優の言葉とは思えなかったからだ。

「な゛っ! 何故ですかっ! 怪我をしている動物を保護しちゃいけないんですかっ!?」

 真奈美がいち早くフリーズから解け、ひとつ年上の先輩に一歩詰め寄って噛み付いた。
 白い肌は怒りの興奮で紅く染まり、両手は硬く握り締められている。
 優は真奈美の熱い瞳を見据えたまま、いつも通りの静かな口調のまま諭す様に言葉を紡ぐ。

「……真奈美の優しい気持ちは判る。でも、希少動物でない限り、自然界の出来事に人間が手を出しては駄目。出しても好いのは人間に責任がある場合だけ。車やバイクで轢かれたなら手厚く保護するけど、猫同士の喧嘩で負った傷はこの仔自身で治さないと意味が無い」

 何故だか判る? と見渡した視線に、聡明な千恵がすぐに頷き、若菜も唸りながらぎこちなく頷く。
 優の言わんとする事も判るが、助けたい、と言う気持ちが若菜の中で既に大勢を占めているのだ。
 しかし目の前の弱った仔猫に情が移っている真奈美には通じなかった。

「それでも、ですっ! 原因は猫同士でも、怪我した仔猫を放っては置けませんっ! 可哀想じゃないですかっ!」

「……可哀想? 野良猫なら自分で傷を治し、自分で餌を捕らないと生きてはいけない。ここで傷の手当をするという事は、自然界で生き抜く能力を奪うと言う事。この家(うち)で猫が飼えない以上、その方が野良猫として余程可哀想だとは思わない?」

 優の冷徹とも思える言葉に一同は言葉を無くす。
 確かに優の言う事は至極当たり前の事で頭では理解は出来るが、熱くなった真奈美にとっては到底納得出来る物では無かった。

「でもっ! 怪我して弱っているこの仔を見捨てる事は、私が殺す事と一緒ですっ! そんな事、私には出来ませんっ!! 」

 真奈美は優を見つめ返すが、その瞳の奥に言葉とは裏腹にとても優しい光が満ちている事に気付く。
 それはいつもの優が持つ優しく、慈愛に満ちた温かい光だった。

「でも……このままでは……」

 その光に魅せられた真奈美は自分の中で燃え盛っていた優への怒りの炎が急速に消えるのが判った。
 言葉にも力無く、呟く様な声にしかならない。

(どうして優先輩はこんな冷たい言葉を……)

 真奈美がそんな想いに囚われていると、千恵が優と真奈美、そして仔猫を見てから執り成す様に口を開いた。

「あたいも、基本的に優さんの意見に賛成。今ここであたい達が関わると、この仔猫、きっとあたい達を当てにしてしまうと思う。餌とか、怪我した時とか。そうなると野良猫として生きるのは難しくなる。それに、親猫だってこの仔を探しているかもしれないし。第一、猫嫌いの晶さんがこの家(うち)にいる以上、世話は出来無いと思う。だから……」

 気持ち的には真奈美や若菜と一緒だが、優の意見ももっともだし、晶の事がある。
 すると若菜が頬を膨らませ、不満気に言葉を遮る。
 味方だと思っていた姉の造反に、いたくご立腹だ。

「え~~~っ!? 姉さんの裏切り者~~~っ! 姉さんだって猫、好きなくせに~~~っ!」

「そっ、それはっ、そうだけど……、猫好きと今保護するかどうかとは、また別問題よ。だからそれより先に、宏の意見を聞こう、って言ってるのっ! それからこの仔をどうするか決めても遅くは無いと思う」

「宏ちゃんはお仕事でまだ帰って来ないよ~。帰るの待ってたら猫ちゃん、もっと弱っちゃうよ~。だから今は治療だけでもして上げようよ~」

「う゛っ! そ、それは……そうだけど……」

 千恵は思わず天を仰ぎ、肝心な時に肝心な人がいないこの状況を恨んでしまう。
 誰が悪い訳でも無く、それぞれが正しい事を言っている。

『この場を収められるのは宏だけ』

 みんなが心の中で思ったその時。

「ニャ~」

 今までずっと大人しかった仔猫が身じろぎし、か細い声で鳴いた。
 その余りにも弱々しく、寂しげな声にその場にいた全員が一瞬で凍り付く。
 まさかっ、と最悪の事態が頭を過(よ)ぎったのだ。
 仔猫は首をもたげ、弱々しくもう一度鳴いた。
 まるで「自分の事は放っておいて好いから喧嘩はしないで」と言わんばかりに。

「!!」

 仔猫の視線を真正面から受けた真奈美は射竦められ、身動き出来無くなった。
 真奈美だけでは無く、千恵と若菜も瞳を潤ませ、立ち竦んで仔猫を見下ろしている。

(……時間切れ、ね)

 このまま揉めていても時間の無駄だし、仔猫も弱っている。
 優はひとつ小さく息を吐くと、固まった真奈美の肩に優しく手を置く。

「ヒロクンが帰って来るまで、貴女が責任持って面倒見て。その後はヒロクンの裁量に従う。約束出来る?」

 一瞬の間の後、屋敷の玄関で大きな華が咲いた。


         ☆     ☆     ☆


「あ、あんたらは~~~っ!」

 握り締めた拳をワナワナと震わせ、怒気をたっぷり孕んだ晶の声も仔猫を取り囲んではしゃぐ若菜と真奈美、ほのかの声に掻き消される。

「あたしが猫嫌いだって事、知ってるでしょうがっ! いったい、どーゆーつもりよっ!」

 ほのかと共に帰宅した晶がリビングで見た物は世にも恐ろしく、世にもおぞましい生物だった。
 空いたみかん箱に柔らかいタオルがふんだんに敷き詰められ、温かそうに丸まっている焦げ茶色と白と黒の毛が混じったモノ。
 右後ろ足に真新しい包帯が巻かれ、小さな丸顔にピンッ、と凛々しく立った三角形の大きな耳、ピンク色の鼻に愛らしいつぶらな大きな瞳、毛糸玉みたいなフワフワの毛並みに長い尻尾。
 時折首を伸ばして物珍しそうに辺りを見回し、真奈美や若菜の掌に顔を擦り付けては「ニャー♪」と甘え、その大きな口から覗かせる尖った牙と、指の先からにょっきりと飛び出る長く鋭い爪を持つ生物。
 最初目にした瞬間、晶は目が点になり、秒針が一回りする間、たっぷりと息を詰めたまま固まっていただろうか。

「あ、あの~、晶さん? これには事情が……」

 形の好い眉を下げ、千恵の申し訳なさそうな声が晶の意識を呼び覚ました。
 直後、屋敷中に轟く晶の悲鳴、絶叫、そして怒号。
 何とか暴れる晶をなだめた千恵から事の経緯を聞かされ、晶は怒気を孕んだ声を放ちながら一同を見渡していたのだ。

「あの、事後報告になって悪いとは思うんですけど、怪我したまま放っておけなかったものですから、その……この仔の面倒は私が……」

 外資系企業でやり手のキャリアウーマンとして手腕を発揮している晶の鋭い視線(今は特に血走っている)に、蛇に睨まれたカエルの如く、真奈美の言葉が尻つぼみになる。
 こんなに青筋立てて怒りを露にしている晶は大学(がっこう)でも見た事が無かった。

(晶先輩、超美人なだけに怒ると迫力あるわ~。流石年の功)

 仔猫の世話で浮かれている真奈美は晶が聞いたら確実に昇天間違い無しの感想を持ってしまう。
 そこへ真奈美と一緒に仔猫を構っていた若菜が怒れる大魔神(晶の事だ)に臆する事無く口を出す。
 宏の許へ仕事を放って来た時は自分にも非があったので何も言えなかったが、今回は何もやましい事が無いので強気なのだ。
 それに、晶とは宏を通じてもう二十年近い付き合いだし、怒る理由も充分承知しているので、この位の怒りは何て事は無い。

「ごめんね~、晶姉さん。でも、宏ちゃんが帰るまでは見逃して? ね♪」

 晶は済まなそうにウィンクする若菜には答えず、留守番の責任者である優に視線をギロリと向ける。
 その瞳は「あんたが付いてて何でこうなるのよっ!」と言った非難がたっぷりと籠められていた。
 双子の妹でもある優は姉の視線に小さく「ごめん」と謝る。
 この姉妹は千恵、若菜の双子姉妹以上にアイコンタクトで会話が出来るのだ。

「……勿論、最初は反対した。自然は自然に、って。かなりきつく言ったけど、みんな保護する意欲満々。だからヒロクンの裁量が出るまで怪我の治療は許したの。もっとも、あれだけ厳しく言ったから、これから先は無責任なコトは出来無い筈♪」

 優は敢えて厳しい事を言い、仔猫に情が深入りし過ぎない様に釘を刺すと同時に、保護する責任感をみんなに植え付けたのだ。

「な~んだ、そうだったんだ~。だから最初は冷たかったんだね~。でも大丈夫だよ~、私が付いてるし~♪」

 若菜が今初めて気付いたとばかり大きく頷き、優にVサインを送る。
 千恵はこの能天気な妹にうな垂れ、小さな溜息を吐いた。

(あんたの大丈夫ほど、心配なモノは無いんだけどね~)

 苦笑する千恵を他所に、晶は優の判断に片手を額に当てて、やれやれ、早まったマネを、と大きな溜息を吐く。
 と、ここまで黙って仔猫の頭を撫でていたほのかが初めて口を開いた。

「なぁ、晶。せめて怪我が治るまでは、ここに居させてやろうぜ? 流石に傷付いた仔猫を梅雨空に放り出す勇気、オレは持ってないぜ」

 長い金髪を片手で背中に払い、何やらしたり顔で晶を見上げる。
 その顔は一家の騒動を楽しんでいる様にも、自分が仔猫と居たいが為に言っている様にも見える。
 そんなほのかの言葉に、力強い援軍を得たとばかりに真奈美と若菜が手を取り合って声高に歓声を上げる。

「ちょっと、ほのかまでそんな事をっ! んもうっ、みんな猫には甘いんだからっ!」

 晶は最後の一人に視線を向けると無言のまま意見を求めるが、答えは聞かなくても顔に書いてあった。

「あ、あたいは晶さんが猫駄目なの知ってるから、この家(うち)に猫を入れるのは反対……だわ。でも仔猫が……傷を負ってるし……親猫も見当たらなくて……あの、もうここに入っちゃってるし……その~……」

 晶の暴風雨に巻き込まれない様、晶の視界から外れていた(つもりの)千恵はとうとう捉まってしまい、しどろもどろながら自分の考えを述べるが、晶のジト目に言葉を失ってしまう。
 千恵は詳しい原因までは判らないが、晶の猫嫌いを小学生の頃から知っていた。
 一緒に遊んでいる時、百メートル先にいる猫を見つけただけで道を迂回する程だった。
 千恵自身は猫を助けたいが、晶の事を思うと猫の世話は出来無い、と言うのが千恵のスタンスだった。

「なるほど、あたし以外は猫の保護に賛成、と。やれやれ、四面楚歌だわ」

 半ば拗ねた様に表情を曇らせ、壁に掛かった時計を見上げて裁量権を持つ肝心要な人物の帰宅を待つ。

「で、ヒロはまだ帰らないの? 今日も残業? ここ最近ずっと遅いじゃない」

「それが……夕方電話があって、今夜も最後まで仕事するから、夕食は先にみんなで済ませてくれ、って」

 千恵が残念そうに告げると、リビングの華やか(?)だった空気が一転曇り空に変わる。
 猫騒動で意見が分かれても、宏の事となると途端に全員が一体化するのだ。

「宏、今日も帰りは二十四時過ぎ……か。……なぁ? 宏の仕事って、この時期そんなに忙しいのか?」

 日本の企業実態を殆ど知らないほのかが寂しそうに誰とも無く問うと、優が憂いを帯びた顔を横に振る。

「……今はお中元シーズンだけど、ヒロクンの所は関係無い筈。ヒロクン、何だか必死になって稼いでいる気がする」

「あの、もしかして私達が来た所為で財政赤字なんですか? だったら私働きますっ!」

 勢い込む真奈美に晶が苦笑して押し留める。

「違う違う。赤字ってのは有り得ないから安心して。赤字どころか、毎月黒字よ♪」

「黒字? そう言えばオレ、宏に給料まだ渡してないぜ? それでも七人分養うだけの稼ぎがあるのか?」

「……ヒロクンは今や利息生活者。ホントは働かなくても充分みんなを養っていける。お小遣いだって出る程♪」

 優の言葉にほのかと真奈美が目を丸くし、物言いたげに晶と優を交互に見つめる。
 幾ら夫の金とは言え、表だって「金、幾ら持ってるんだ?」などと聞けやしない。

「そう言えば二人にはまだ教えて無かったっけ? ヒロの財布の中身」

「宏ちゃんって、すんごいお金持ちなんだよ~♪」

 晶が今初めて気付いたとばかりほのかを見、若菜が真奈美に自慢げに胸を張る。

「あんただけのお金じゃないでしょっ!」

 千恵が素早く突っ込む。
 ほのかと真奈美は夫の財産というものを初めて意識したが、今はそれ所では無い事に気付く。

「まぁ、その話は後で、な。今は宏の帰宅が毎日遅い、って事だ。え~と、それで、何で遅いんだ?」

 ほのかの話題修正に千恵が首を捻りながら応える。

「たぶん、だけど、宏、何か早急(さっきゅう)にお金が必要なんじゃないかと思う。だから毎日残業してるんだと思う」

 姉の推測に若菜が異議を唱える。

「だったら、なんで貯金に手を出さないの? そんな毎日無理しなくても、このお屋敷を土地付きで買える位のお金持ってるんだし」

 若菜の言葉を皮切りに、それぞれが最もらしい意見を述べるが、何れも推測の域を抜け切れていなかった。

「ともあれ、今はヒロの帰りを待って、それから猫の処遇を決めましょ。それまでは言いつけ通り夕食にしましょ♪」

 晶の言葉に全員が頷き、ダイニングのテーブルに向う。
 リビングの真ん中では、みかん箱に入れられた仔猫が「私にもミルク頂戴♪」と鳴いた。


                                            (つづく)

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[ ↑ ありがとうございます♪ ]
 
 コメントをお寄せ戴き、ありがとうございます♪

 大変励みになりました。
 これからも楽しんで戴ける様、そしてご満足戴ける様、頑張ります。
 
 末永いご愛顧、宜しくお願い致します♪

[ 管理人のみ閲覧できます ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

[ ↑ ありがとうございます♪ ]
 いつもコメントありがとうございますm(__)m

  お褒め戴きありがとうございます♪
  昔、家にいたネコを思い出しつつ書きました。

  お互いに頑張りましょうね(^o^)v

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