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     ~ラブラブハーレムの世界へようこそ♪~


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メヌエット(4) メヌエット(4) 美姉妹といっしょ♪~新婚編
 
「ん~~、ここに来るのも久し振りだな」

 スーツケースを両手でゴロゴロと押しつつ、宏は見覚えのある到着ロビーに相好を崩した。
 ここはストックホルムの空のメイン玄関、アーランダ国際空港だ。
 
(この開放的な空間は何度見ても素晴らしいな。流石、インテリアデザインの最先端を行く国だけあるわ。IKEAとH&Mが世界的メーカーになったのも頷けるわ)

 スェーデンは家具メーカーで世界に名を馳せるIKEAの発祥地であり、ファッションブランドで世界展開しているH&Mの本拠地でもあるのだ。
 空港ターミナルの見上げる程に高い天井と全面ガラス張りの壁、そして広く明るい空間は長旅の疲れを忘れさせてくれる癒しの空間(スポット)にも思えて来る。
 フロアの中心には色取り取りなLED電球と様々なリースや愛らしいサンタクロース人形で彩られた大きなクリスマスツリーが鎮座し、そこかしこの壁や店舗にはクリスマスを祝う華やかな飾り付けもなされてもいる。

(やっぱ、この時期は楽しくて好いなぁ。おっ! サンタまでいるし♪)

 子供達の歓声に釣られて視線を向けると、そこには赤装束に白髭のサンタが子供ひとりひとりに愛嬌を振り捲いていた。
 しかも、傍にはトナカイがソリに繋がれているから本格的だ。

「いゃ~ん♪ サンタさんがいるぅ~♪ 超可愛い~♪ 私も頭、ナデナデして貰いたい~♪」

「うわっ!? あのトナカイ、生きてるし!」

 若菜や飛鳥を始め、妻達もニコニコしながら小さく指を差しては笑い声を上げている。

(やっぱ、サンタクロース村があるフィンランドが隣国だけあって秀逸な演出だな。前回来た夏の時期とは、まるで印象が違うや。あの時はクールな感じを受けたたけど、今はメチャ、ホットだな)

 耳に届く賑やかさは変わらないが、目に飛び込んで来る色合いが夏の涼しげな青や水色から、暖かみのある赤やオレンジに多く変わっているのだ。
 と、ここで宏は、とある人物を思い出した。

(前回の訪問と言えば、その時は、ほのかさんのお母さんが日本からわざわざ来てて、この到着ロビーで待ち受けてたんだよなぁ。寝耳に水だったから、ほのかさんや俺達みんなして驚いたっけ。しかも、お義母(かあ)さんのキャラに一同、目が点になったし)

 一年半前の、あの騒動がつい昨日の事のように思い出される。
 あの時は、どの辺りでお義母さんと逢ったっけ、などと記憶を辿りつつ立ち止まって周囲を見回していると、すぐ後ろに続いていた筆頭妻の晶から弾んだ声が掛かった。

「ヒロ。送迎車の手続きはあっちよ。みんなも遅れず付いて来て♪」

 添乗員よろしく右腕を高々と掲げると、左腕一本でスーツケースを軽々と押しながら颯爽と先陣を切る晶。
 どうやら、夫が立ち止まったのは送迎受付のカウンターを探しているものと捉えたらしい。

(晶姉、張り切っちゃってまぁ。足取りが軽いのは、ほのかさんだけじゃ無い、って事か)

 晶自身も今回の旅を噛み締めているらしい。
 右手には手荷物用の小型カートも牽いているのに、全くもって軽快な動きだ。

(晶姉、実は、誰よりもこの旅を楽しんでるみたいだな。高い位置にある尻が右に左に弾んでいるし)

 従姉の後ろ姿(ナイスバディ)――スリムジーンズに丸く包まれたヒップに引き寄せられるよう、鼻の下を伸ばしながら(自覚アリ)付き従っていると、左腕をクイッ、と引かれた。

「宏、送迎車って? 地下の空港駅から電車に乗るんじゃないのか?」

 ここでもすぐ隣の位置をキープしているほのかが小さく首を傾げて尋ねて来た。
 ほのかの実家はシャトル電車で市内中央まで行き、そこから郊外線バスに乗り換えるのだ。
 ほのかの疑問に、優、真奈美、千恵、若菜も同時に頷いている。
 この四人は、ほのかの実家がどこにあるのか、どうやって行くのか知っているので当然の反応だろう。

「宏先輩? ほのかさんのお家(うち)に、これから行くんですよね?」

 栗色に煌めくツインテールを揺らした飛鳥も、首を傾げながらほのかの質問に続く。
 多恵子、夏穂、飛鳥、美優樹の四人は、まだほのかの実家の正確な場所を知らないので、こちらも飛鳥と同じ反応を示している。
 そんな妻達の疑問に宏は歩みを止めず、時々振り返りつつ応えた。

「ほら、俺達はスカンジナビアーナ航空の『プレミアムクラス』を利用したでしょ。その特典で出発地である東京と、到着地であるストックホルムではドア・トゥー・ドアの送迎をしてくれるんだ。勿論、無料(タダ)で♪ 屋敷から羽田まで送迎してくれたのは、そのひとつなんだ。だから今俺達が向かっているのは、その送迎を請け負っている会社のカウンターなのさ。当然、スーツケースの運搬や車への積み下ろしも東京同様、玄関までしてくれるよ♪」

 主(あるじ)の解説に、スーツケースをゴロゴロと押し歩いていた妻達から一斉に安堵の息が漏れる。

「やったー! これで楽、出来る!」

 思わず声が出たのだろう、千恵の澄んだ日本語が利用者で賑わう空港ロビーに響いた。

「あはは! 千恵姉、スーツケース押すの、そんなにしんどかった? 何なら俺が押そうか?」

「へ!? あ、いや、その……てへっ♪ でも大丈夫! この位、へっちゃらよっ」

 誤魔化すように、はにかみつつピンクの舌先をチラリと覘かせる千恵に、妻達に笑いの波が拡がる。
 なにせ、千恵の身長は百五十センチ。
 縦にしたスーツケースの後ろに立つと身体の下半分が隠れてしまうのだ。
 それは、千恵よりも二センチ背の低い多恵子にも当て嵌まる。

「多恵子さんも、しんどかったら遠慮せず言って下さい。俺が荷物、運びますから」

「うふふ♪ 宏さん、どうかお気遣い無く。わたくし、こうして空港内を大きなスーツケースを押して歩くのが楽しいし嬉しいんですの。おほほのほ♪」

 終始笑顔を崩さないお屋敷最年長妻がニコニコしながら会釈する。
 どうやら、海外旅行の気分を満喫しているらしい。

「みんなも、もうちょっと頑張って。受付カウンターまで、あと少しだから」

「「「「「「「「「「は~い♪」」」」」」」」」」

 それぞれ自分のスーツケースを押している妻十人の元気な声が、道行く人達の注目を集めてゆく。
 なにせ、金髪碧眼が当たり前の地にあって艶やかな黒髪と吸い込まれそうな黒眼は目立つのひと言なのだ。
 そこへ、スーパーモデル顔負けの美貌とスタイルを持ち合わせた日本美女が十人も揃っている――ゴシック・ロリータファッションに身を包んだ美少女も交じっている――のだから人目を惹かない訳が無い。
 行き交う人々の視線を集めつつ、宏達はゾロゾロ、ゴロゴロ歩いてゆく。

(最初、みんなのスーツケースは俺がカートで運ぼうと思ったけど、アレ、載せるのが大変なんだよなぁ。下手すると振動で崩れ落ちるし、何より十一人分は一台に載らないし。だからって、二台に分けたもう一台を誰かに運ばせられないよなぁ、重過ぎて。十一個を一度に載せられる大型カート使えれば好かったんだけど、アレはポーター専用だからなぁ)

 国際空港にはスーツケースを幾つか同時に載せられる運搬カートが常備されているが、中身の詰まったスーツケースを四つ五つ載せる(下ろす)手間や、その分の重さが増したカートの運搬操作は女性陣にとって、かなりな重労働となってしまう。
 だったら、各自が押して歩いた方が断然軽いし楽なのだ。
 しかも、欧米諸国の公共交通機関はバリアフリーとなって久しいので段差で躓く心配が一切無い。

「でもまぁ、千恵姉がそう思って当然か。スーツケース抱えての乗り換え、めんどいもんね」

 苦笑いする宏の言葉に、一斉に頷く妻達。
 空港(ここ)からほのかの実家まで車で約一時間だが、電車とバスを乗り継ぐと更に二十分程度余計に掛かるし、何よりキャスター付きとは言え、二週間分の着替えその他で膨らみ重くなったスーツケースを抱え、街中の混雑する中で乗り換える苦労――鬱陶しさは旅の楽しさを半減させてしまう。

「美優樹ちゃんも頑張って。あと少しだから」

「はい、ありがとうございます。美優樹は平気です。何より、日本人のいない国際空港は如何にも海外旅行をしている実感があって凄く好いですね♪」

 宏が最年少妻であり、妻の中では最も非力そうな美優樹に視線を向けるも手伝う必要は無いらしく、満面の笑みで返されてしまった。
 どうやら、こちらも初めての外国を堪能しているらしい。
 初・海外組の夏穂と飛鳥も、降機してから笑顔と笑い声が絶えないでいる。

(みんなして楽しんで貰えて嬉しいけど……美優樹ちゃんは、どこへ行くにもアノ格好なんだよね。もう慣れたけど)

 全身黒尽くめのゴスロリ美少女が真っ赤なスーツケースをゴロゴロ押す画(シーン)は、まるで有明での某イベントを彷彿とさせるが、それはさておき。
 筆頭妻を先頭に到着ロビーから進むこと、約五分。

「ヒロ、着いたわよ! あとはこの書類にサインするだけで好いって。荷物の積み下ろしは、ここのスタッフが最後まで面倒見てくれるってさ♪」

 晶の弾む声が、一同の注目を集めた。
 ほのかや優、そして真奈美と談笑していた宏も首を正面に向けると、いつの間にか航空会社と提携している貸し切り(チャーター)専門のタクシー会社のカウンターに来ていた。
 しかもよくよく見ると、晶のスーツケースと手荷物用カートが既に荷物受付台に置いてあるではないか。

「晶姉、完全にフライングしてら」

 宏の苦笑いも、ほんの僅か。

「みんな、お疲れ様! あとは手ぶらで大丈夫だよ!」

「「「「「「「「「やった~♪」」」」」」」」」

 夫の労りに、大仰に頷く晶を除いた妻九人の姦しい声が、空港ロビーの高い天井に吸い込まれてゆく――。


     ☆     ☆     ☆


 宏達十一人がストックホルムの空港からほのかの母方の実家へ向かう道すがら。
 送迎車に充てられた二十人乗りのミニバス(フリードリンクと袋入りナッツ付きで後部座席はコの字型のサロン仕様になっていた)では、みんなの関心事は美優樹ひとりに集まっていた。
 厳密には、美優樹の英会話能力について、だ。

「美優樹ちゃん。入国審査での英語、メチャ上手かったね。どこで習ったの?」

 宏の質問に、それまで姦しかった妻達が一斉に押し黙る。
 バスの後部で美優樹を取り囲むように座り、愛らしいゴスロリ美少女からの言葉を今か今かと固唾を呑んでいる。

(みんな必死過ぎ! でも、俺も同じ気持ちだし)

 ドリンク片手に目を凝らす妻達に、宏はつい笑ってしまった。
 事の起こりは、空港直結の高速道路に入ってすぐ、美優樹の姉である飛鳥のひと言から始まった。

「そう言えばあんた、いつの間に英語、話せるようになったのよ? しかも、あんなペラペラと」

 これを切っ掛けに、お屋敷最年少の秘められた能力に興味を掻き立てられた妻達が我も我もと一斉に質問をぶつけ、収拾が付かなくなってしまった。
 そこで、夫である宏が代表質問と言う形で美優樹の隣に座り、マイクに見立てたペットボトルを口元に差し向け、インタビュアーよろしく尋ねていたのだ。

「英会話自体は大学に通ってから本格的に修得した、と言えるでしょうか」

 そんな宏と妻達の悪ノリ(?)に、美優樹も笑顔のまま応えてくれる。
 どうやら、美優樹自身も今の状況を愉しんでいるようだ。
 それでも、静かな、しかし一切の自慢を排した言い方に年少妻の性格が現れているのも確かだ。

「えっと……つまり英語そのものは、かなり前、例えば中学に入ってから覚えたと?」

「いえ、正式に授業として習い始めたのは小学四年からですが、低学年の頃には既に英語に興味を持っていました。……いえ、正確には、同じ意味なのに違う言い方をする言葉に興味を持った、でしょうか。例えば日本語の『愛』は、英語では『love』、フランス語では『amour』という風に」

「なるほど」

「授業を受けるまでは独学で勉強してアルファベットの読み書きに慣れ、高校に入る頃には英会話を習得し、大学へ通い始めてからは、より専門的な資料や論文を原書で読む機会が格段に多くなりました。外国の教授が自ら解説している動画を見たりインターネット授業を受けたりしているうちに、自然と目と耳で覚えました」

「な、なるほど。小さい頃から英語に慣れ親しんだお陰で、読み書き話すが堪能なんだね。で、原書とは?」

「最初の頃は、誰もが知っている童話を原書で読み始めました。英語での表現に慣れるためです。大学に入ってからは、どの分野でもそうなんですが、専門書は日本語に訳されていない物が大多数なので、どうしても原書で読むしか無くて。言わば、必要に駆られて読み解くうちに、より覚えた、と言えるでしょうか」

「ここで言う専門書って言うと……美優樹ちゃんが専攻してる航空力学の?」

「はい。特に理念(フィロソフィー)や技術(テクノロジー)に関しては学者が記した学問書よりも関係企業が現場での実践を記した物を見聞きする方が断然勉強になりますから。例えばボーイング社はアメリカ企業なので英語、エアバス社はフランスが中心企業なのでフランス語で書かれていますので」

(フランス語だって!? ……あ、もしかして)

 ここで宏は思い出す。
 美優樹の机に積まれている分厚い本や本棚の中に、英語とは違う言語の背表紙が幾つも混じっていた事を。

(アレって、フランス語の原書だったんだ。俺は美優樹ちゃんの勉強に深く追及しないから、それっぽくてもスルーしてたんだよな。だったら、これからは研究してる内容とかをもう少し具体的に聞いた方が好いのかな? でも、門外漢が首を突っ込むのも、どうかと思うし)

 夫として、女子大生である妻の学問にどこまで係わって好いものか、改めて考えさせられる宏だった。
 その間にも、美優樹の解説が続けられている。

「ですから、自然とそれら言語に接する機会が多くなり、お陰でフランス語も少しは判るようにもなりました♪」

 ここで、更なる驚愕の事実が美優樹の口から語られた。

「――って、まさかフランス語も話せるの!?」

 宏の言葉に、一斉に沸き立つ九人の妻達。
 飛鳥などは切れ長の瞳を真ん丸くし、腰が完全に浮いている。

「はい。でも、まだまだ簡単な挨拶程度、ですけど」

 淡々と述べる美優樹に、己の言語力を自慢する気配は一切窺えない。
 そんな控え目な年少妻に、宏の驚嘆の声が向けられる。

「そ、それでも凄いって! 弱冠十七歳にして日、英、仏の三ヶ国語、話すって事じゃん!」

「「「「「「「「「…………(コクコク)」」」」」」」」」

 夫に同調し、無言のまま大きく頷く妻達。

「さ、流石にフランス語までは、オレは喋れんし聞き取りも出来んぞ」

 スェーデン語、英語、日本語を自在に操るほのかですら、目を見開いて九歳歳下のゴスロリ美少女を眺めている。

「ま、まぁ、ほのかさんと晶姉、それに加えて美優樹ちゃんがいれば、それこそ地球上で暮らせる範囲が大きく広まった、て事で」

 ほのかの実家までミニバスに揺られる事、一時間少々。
 宏達は美優樹の底知れぬ能力に感服しきりだった――。


     ☆     ☆     ☆


「ふぅ~~~~。今度こそ、やっと落ち着いたな。一日の疲れを取るのは、やっぱ風呂に限るわ♪ にしても、この吹き抜けのリビングは開放的で好いなぁ。広さも四十畳位だって、ほのかさん言ってたっけ」

 風呂から上がった宏は持参した部屋着のジャージに着替え、リビングのソファーに深く腰掛けるや小さな、そして長い息を吐(つ)いた。
 宏達一行は、ほのかの実家で夕食を摂った後、北へ徒歩十五分の所にある別宅に来ていた。
 正確には、ほのかの祖父母が所有する別荘――バンガローに、だ。

(ほのかさんの実家は低い生け垣に囲まれて三角のとんがり屋根と広いテラス、えんじ色の外壁に白く塗られた柱と窓枠のコントラストが美しい、北欧の伝統的な造りをした二階建ての大きな家だけど、ここも――)

 外観はログキャビン風のバンガローで、内装も金属類を極力排し、木目を活かした床や壁、家具で統一されているので、ほのかの祖父母の趣味の好さが窺える。

(リビングと三十畳のダイニングキッチン、ベランダ付き寝室八つに俺達全員が余裕で入れるサウナとジャグジー付きの風呂、だもんな。寝室は二十畳でベッドはダブル、どの部屋も天井は高いしトイレとシャワーが付いてるし、オマケにランドリールームやダストルームも最新設備が揃ってるんだからスケールがでかいや。景色も抜群だし)

 ここもほのかの実家同様、雪を被った深い森と幾つもの凍った湖に囲まれ、遠くには氷河が削り出した鋭い峰々が雪を抱(いだ)いて連なっている様子が手に取るように見える場所に建っているのだ。

(みんな、ここの景色に暫し見惚れてたし、今はリビングの隅に置かれている、色取り取りなLEDで飾られたクリスマスツリーにはしゃいでるし。……ふぁあ~)

 身体を優しく包み込むソファーに身を委ねていると、それまで鳴りを潜めていた睡魔が顔を覗かせて来る。
 柱時計を見ると、既に二十三時を大きく過ぎている。

「そっか、もうこんな時間か。確か……ほのかさんの実家には十五時過ぎに着いたよな。で、そのまま歓迎会と夕食を兼ねた宴会の席で新たな奥さん四人を紹介したら、ほのかさんのおじいちゃん、おばあちゃんのテンションが急上昇し、気付いたら二十一時を回ってたんだよな。夏穂先生のセーラー服と美優樹ちゃんのゴスロリ衣装も親族に大受けしてたし……ふぁあぁ~」

 昨夜の寝不足と宴会でのアルコールで欠伸が連発し、思考もままならない。
 それでも今日ここに来てからの出来事を振り返ると、このまま寝るのが惜しいとさえ思ってしまう。
 先の夕食にしても、

 ――ほのかの夫(ダンナ)が、新たなる妻四人を引き連れ凱旋帰国する――。

 そんな話がほのかの母方の親族に広く伝わったらしく、こちらの到着に合わせて親族数十人が大挙して集まり、呑めや歌えやの大宴会と化したのだ。
 宏もほのかの夫として親族ひとりひとりに妻となった多恵子、夏穂、飛鳥、美優樹を紹介するも、その度に杯を酌み交わしたので今や撃沈寸前だ。

(晶姉にほのかさんの実家の都合を聞いて貰ったけど、それがそのまま帰省情報として伝わったんだろうな、きっと)

 宏は晶に通訳を頼み、クリスマス前に訪れるからと伝えていたのだ。
 因みに、晶が宏のバカンス計画を前もって知っていたのは、かような事情によるものだ。

(それにしても、みんな長時間移動した後なのに元気だよなぁ。時差ボケ、平気なのかな?)

 宏の視線が多恵子、夏穂、飛鳥、美優樹の初海外組に向けられる。

(多恵子さん達は大丈夫なのかな? 他の六人も渡航経験あっても久し振りの海外だし、今朝も全員早起きだったし。その上、ここに着いてからも歓迎会で結構、呑んでたからなぁ)

 日本とスウェーデンの時差は八時間。
 東京から西へ向けて発ったので一日がその分、長くなる。
 つまり、宏達十一人は今日一日の長さが二十四時間では無く三十二時間になるのだ。
 締め切り寸前、修羅場真っ盛りの作家には滅茶苦茶羨ましい限りだろう。

(宴会騒ぎで興奮して眠くなくても、今晩はきちんと寝ないと後が辛いからなぁ)

 時差ボケを早々に解消しない限り、体内時計が昼夜逆転したままバカンスを過ごすハメになりかねない。
 それでも各自持参した部屋着に着替え談笑しくつろいでいる妻達によくよく目を向けると、長旅の疲れと満腹感、そして風呂に浸かってこれまでの緊張が解けた所為だろうか、欠伸をする人数や回数が確実に増えていた。

(この調子なら時差ボケの心配も無く、みんなぐっすり眠れそうだな。俺もボチボチ眠くなって来たし)

 宏がぼんやりと思い巡らせていると。

「宏、今日はお疲れ様! オレのばあちゃん、宏が逢いに来てくれてすっげ~喜んでたぜ。じいちゃんも、宏の新たな四人の嫁さん紹介されて『新たな娘が出来た』ってメチャ喜んでたぞ」

 左隣に腰を下ろしたほのかが湯気の立つマグカップ(ジャスミンティーだ♪)を差し出し、満面の笑みを向けて来た。
 先に風呂から上がったのに姿が見えなかったが、どうやらキッチンにいたらしい。

「ありがと、ほのかさん。そっか。喜んでくれて何よりだよ。でも……」

 マグカップを受け取った宏の視線が屋内をぐるりと見渡し、再びほのかに戻る。

「こんな立派なトコ、滞在中ずっと借りちゃって好いの? 俺達はほのかさんの実家で過ごすつもりで了解を取り付けてたし、おじいちゃん、おばあちゃんだって、ここを使うんじゃ――」

「あははは! だから宏! じいちゃんが夕飯の席で言ってたけど、ここは半年前にゲストハウスとして建てたトコだから気にしなくて好いって! むしろ隅々まで使ってくれた方が、家が痛まなくて好いからさ。ばあちゃんも、自分の家(うち)だと思って遠慮無く使ってくれて構わない、って言ってたし! オレも新しい家に来られて嬉しいんだからさ♪」

 夫に遠慮はさせまいとばかり、ウィンクとサムズアップで応えるほのか。
 どうやら、ほのか自身もこの別荘がいたくお気に入りらしい。

「まぁ、ここの持ち主であるほのかさんのおじいちゃん、おばあちゃんがそう言うなら、そうさせて貰うよ」

 宏の視線が、赤々と燃える暖炉を物珍しそうに眺め、はしゃいでいる妻達に向けられる。

(みんな、本物の暖炉に釘付けだな。日本でも、こうした本格的な暖炉に憧れる人が多いって聞くし)

 このリビングの壁際には幅が二メートルを超える大きな暖炉があり、その前に三人掛けソファーが五脚、半円を描くように置かれている。
 足下には毛足の長い絨毯が敷かれ、宏はその中央のソファーでほのかと腰を下ろしているのだった。

(ここなら、布団無しで直接横になれるな。暖炉の熱で温かいし絨毯に厚みもあるからスッポンポンでエッチしても快適……ムフフ♪)

 人の家で邪な思考を巡らせる宏。
 流石、赤裸々スケベで絶倫王(?)なだけの事はある。
 もっとも、聖女ならぬ性女たるあの妻にしてこの夫あり、とも言うらしいが、それはさておき。

(ここにある薪を寝る前にある程度くべとけば、朝まで持つ、って言ってたな)

 背後に目を向けると壁一面に大量の薪が天井に届くまで積まれ、二十四時間薪をくべる事が可能になっている。
 ほのかの説明によると、ここに積んである分だけで数週間、賄える量なのだとか。
 何でも、猛吹雪の夜に家の裏に積んである薪を取りに外へ出たら方向が判らなくなり軒下や玄関前で遭難死した例が過去に何度かあったそうだ。
 なので、この辺りの暖炉のある家は例外無く、家の中にも大量の薪を置いてあるのだとか(ほのかの本宅もそうだった)。
 しかも、この暖炉ひとつで別荘全体が温められ、加えて各部屋にもガス暖房機があるので、その気になれば外気温がマイナス三十度に下がった真冬の夜でも屋内では下着一枚で過ごす事も可能らしい。

「ほのかさんのおじいちゃん達と言い、この暖炉と言い、温かくて好いなぁ♪ 身体の芯までポカポカして来るよ」

 心底そう思って口にすると、ほのかが左腕を掴んで胸の谷間に挟み、身体ごと擦り寄って来た。

「えへへ~♪ そんなにここが気に入ったのなら、このまま一生、オレと二人っきりで暮らそうぜ♪ な、宏♥ ばあちゃんが、宏さえ好ければ定住用にこのバンガローをオレ達に譲っても好い、って言ってたし、そのつもりで建てた、とも言ってたんだ。だから宏……♥」

 耳元で囁くほのかの碧眼は潤み、顎を僅かに上げ、唇を差し出す仕草も見せている。

「ほのかさん♥ んちゅっ♥」

 見つめ合う瞳と瞳が近付く先には熱いキス。
 と、そんな二人のイチャラブに割って入ったのは、それまで宏の右隣に座って大人しくお茶を啜っていた晶だ。
 宏の頭を自分の胸元に抱き抱える(奪い返す?)や、フンッ! と鼻息ひとつかまし、如何にも偉そうに曰(のたま)った。

「だ~ったら遠慮無く! あたしもここに住まわせて貰うわね! 何たって、夫のモノは妻のモノでもあるんだから♪」

「おいおい、せっかく宏をソノ気にさせてたってのに、邪魔すんなよなー」

 普段から遠慮と言う言葉に最も遠い位置にいる晶ならではの尊大な構えと台詞に、ほのかがまたか、と言った表情で苦笑いを浮かべる。
 そこへ。

「宏ちゃんが住むなら私も住む~♪」

 諸手を挙げる若菜に、真奈美、夏穂、優が同時に頷く。
 どうやら四人とも聞き耳を立てていたらしく、晶と一緒になって笑い声を上げている。
 みんなして、すっかりとこの別荘がお気に召したらしい。

「でも、あたい達だけで使わせて貰ってホントに好いのかしら? いきなり大人数で押し掛けて、かえって迷惑掛けちゃったんじゃないかしら?」

 普段から思慮深い千恵の思案気な表情と台詞に、多恵子、飛鳥、美優樹も、そうだと言わんばかりに同じ表情で何度も頷いている。
 それでも派手さは無いが質素で上品な別荘を使わせて貰う嬉しさなのか、表情の端々にどことなくソワソワ、ウキウキしているのが見て取れる。
 そんな気遣いを見せる千恵に、ほのかがサムズアップしながら笑い掛けた。

「千恵ちゃん! オレ達はとっくの昔に家族になったんだ。晶の言葉じゃ無いけど、オレのじいちゃんばあちゃんが今住んでる家やこの別荘はオレ達の屋敷(うち)同様になったんだから変な遠慮は無し! だぜ♪」

 ほのかの豪儀な言葉に、これまで遠慮気味に一歩引いた位置にいた千恵、多恵子、飛鳥、美優樹の表情が、まるで一気に開花した向日葵のように晴れる。

「それじゃ、みんな。帰国するまでは、ここを起点として冬のバカンスを堪能するからね! 明日から早起きして遊び倒そう!」

「「「「「「「「「「お――――っ!」」」」」」」」」」

 ご当主の堂々たる宣言に、旅の疲れなど無かったかのように気勢を上げる妻達。
 暖炉の炎に朱(あか)く照らされた十の顔には、それぞれ会心の笑みを浮かべていた。
 と、ここで性の伝道師、若菜がリビングの照明を落とすや、さも当然とばかり堂々と曰(のたま)った。

「それじゃ~、今から暖炉の炎を灯りにしてここで宏ちゃんとエッチしよう~♥ きっとロマンチックな夜になるよ~♪」

「「「「「「「「「賛成~♥」」」」」」」」」

 寸分のズレも無く、物の見事に一致団結する美女十人。
 これだけ見れば、実に素晴らしい自慢の奥さん達――なのだが。

「い゛っ!? わ、若姉! 着いた早々ナニ言ってやがりますかっ! 昼間、飛行機の中で俺を襲って満足したんじゃ無いの!? みんなも何故、瞳ギラ付かせて服を脱ぐ!? なして舌舐めずりしてにじり寄るっ!? ひ、ひえぇ~」

 ピンク色のオーラをこれでもかと解き放つ妻達に恐れ戦き、器用にもソファーに座ったまま後退る宏。
 それでも妻達の艶(あで)やかで瑞々しく円熟味を増した妖艶な肢体に目を奪われてしまう。

(うっわー、チンコ、ビンビンに勃っちった。あんな妖しいオーラ、撒き散らしてたら敵う筈、無いって)

 晶と美優樹は黒のレース、若菜と飛鳥、真奈美は純白のシルク、夏穂は紫のガーターベルト、多恵子と千恵は赤のサイドストリング、優は朱色のベビードールを纏い、ほのかは部屋着の下には何も着けていなかった。
 部屋の薄暗さの中にあって、朱(あか)い炎に浮かび上がる下着姿の美女九人と全裸の金髪碧眼美女の織り成す陰影に、宏は激しく欲情してしまった。

「あぁもう! ヤってやろうじゃねぇか! 返り討ちにしてくれるわっ! 寝不足で泣いたって知らないからね!」

「きゃ~~~~っ♥」

「犯される~~~~♥」

「宏君のぶっといチンポ、私のヌレヌレマンコに突っ込んで~~~~♥」

 速攻で全裸になり、自慢の長太刀を上段に構えた宏が歓喜の声を上げる美女十人に斬り込んでゆく。

「今夜の一番搾りは、素敵なバンガローを提供してくれたほのかさんだ!」

「あ~れ~♥ お止め下さい、お止め下さいまし~♥」

「よいではないか、よいではないか♪ むははははっ♥」

「あ~れ~♥ わたくしには生涯を誓った男性(ひと)がおりますのに純潔を奪うだなんて……♪ よよよよよ~♥」

「むははははっ♥ 泣いても無駄じゃ~。これでオヌシはワシのモノになったのだからのぅ♥ あ~はっはっは! よい子を孕むのだぞー♪」

「い~や~♥ な、膣内(なか)に出さないでぇ~♥ あぁあっ!? で、出てるぅ♥ 熱いの、膣内にいっぱい出てるぅ♥」

「むぁ~はっはっはっ♥ た~っぷり、処女膣に射精(だ)してやったからありがたく思うのじゃぞ♪」

「「「「「「「「「こ、こいつら……」」」」」」」」」

 北欧一日目の夜は男女(バカップル!)の嬌声と額に青筋浮かべた妻九人と共に更けて行く――。


                                            (つづく)

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メヌエット(5) メヌエット(5) 美姉妹といっしょ♪~新婚編
 
 クリスマス・イブの夜を暖炉の前でロマンチック(エロチック♥)に過ごした宏達一行は時差ボケする事無く、翌日はクリスマスで賑わうストックホルムの市内観光に精を出していた。
 市庁舎の塔に昇っては、

「ここからの眺めも懐かしいわね。ホラ、ここから見渡せる範囲が旧市街よ。で、向こうに見えるのが――」

 一年半前にハネム~ンで訪れた晶が初海外組の四人――多恵子、夏穂、飛鳥、美優樹に説明し、海と陸とが織り成す街並みを一望出来るミレスゴーデンでは、ほのかが地元出身者ならではの零れ話を面白可笑しく披露する。
 宏達はオールドタウンをそぞろ歩きしながらホワイトクリスマスの街を心から楽しんだ。

「宏。そろそろランチにしようぜ! 好い店、知ってるんだ」

 昼食に立ち寄った、ほのかお薦めのレストランではちょっとしたサービスを受けた。
 なんでも、オーナーの計らいでノーベル賞受賞者が出た国から来たお客に特別サービスをしているのだとか。

「ホレ、今年も三人の日本人が物理学賞取っただろ? だから宏達も恩恵、受けられるぜ」

「で、晩餐会に出されたメニューと同じコース料理を破格な値段で食べられた、と。ほのかさんは前々から知ってたんだね、この割引サービス」

「まぁな。昔っから続いてる粋な恒例行事みたいなモンだからな。但し、安くなるのは授賞式当日から大晦日までだけどな♪」

 薦めた店が気に入って貰えたほのかは満面の笑顔でサムズアップし、ひとり千五百円程度で豪華メニューを堪能出来た皆もホクホク顔になっていた。
 しかも、この手のサービスはランチを摂ったレストランに限った事では無く、土産物屋でも会計の段になって、

『おや、あんた達、日本人かい? だったらサービスして上げる!』

 と、店番のオバチャンからノーベル賞のメダルを象った小さなキーホルダーを貰ったりスェーデン国旗や国内の市章シールをおまけして貰ったりも。
 クリスマス当日で街中がお祝いムード一色だった所為もあるのだろうが、日本人の宏達は行く先々で注目を浴び、そして優遇されたのだった。


 その日の夜。
 宏達十一人は、ほのかの祖父母の家――本宅で夕食を摂ったり親族と団欒を楽しんだりした後、別荘であるバンガローに移動していた。

「ほのかさん、スノーモービルの運転お疲れ様。これで、やっとお酒が呑めるね♪」

 各自が部屋着に着替え、リビングの暖炉前に自然と集まってすぐ、宏はほのかに缶ビールを勧めながら笑い掛けた。

「あはは! 気にしなくて好いぜ! 高校時代から毎年乗ってたし、昔に戻ったみたいで楽しいからさ♪」

 缶ビールを受け取ったほのかはウィンクして応え、他の奥さん達と乾杯のゼスチャーをしてから喉を鳴らし一気に呑み干してゆく。
 夕食の(今夜も大宴会となった)席では他の面々が美味しそうに酒を呷るのを横目で見ていただけに、余程アルコールに餓えていたらしい。
 ほのかは本宅と別荘の往復にスノーモービルを運転するので、寝る前にならないと呑めないのだ。
 宏も晶や多恵子達に向けて缶ビールを小さく掲げ、スェーデン産のエールビールをほのかと一緒に味わう。

「プハ~♪ こっちの地ビールはコクがあって旨いなぁ。持って帰りたい位だ」

「ホントね。帰国したらスェーデン産の地ビールを売ってるトコ、早速、探してみるわ♪」

 目元を赤らめた千恵が頼もしい事を言い、ほのかと夏穂を筆頭に一同を沸かせてくれる。
 どうやら千恵も、ここのビールがお気に召したらしい。

(そう言えば今夜の宴会でも、みんなしてここの地ビールばかり呑んでたっけ。確かに旨いし飽きないもんなー)

 宏の視線が旨そうに喉を鳴らし缶ビールを呷る夏穂、若菜、ほのかと晶に向き、静かに呑む多恵子や千恵、優と真奈美に移ってゆく。
 因みに、まだ酒に強いとは言えない飛鳥はアップルティー、酒に弱い美優樹はミルクティーを啜っている。

「それにしても、夜の雪道を車以外で移動するのって楽しいモンだね。今朝とは打って変わって星空が綺麗だったし、北斗七星があんなにも輝いて見えるとは知らなかったよ」

「あたい、小さい頃にナイターゲレンデでソリ遊びしたの、思い出したわ」

 宏の言葉に、千恵が肴(スモークサーモンだ)を摘みつつ満面の笑みを零し、他の妻達も一斉に首肯する。
 全員、雪国で生まれ育った環境なので例外無くソリ遊びの経験者でもあるのだ。

「でも、ほのかさん家(ち)のソリは、夏は湖で使うゴムボートだけどね。しかも、冬は荷物運搬用としてソリ代わりに使われる位に頑丈で大型サイズだもんね」

 莞爾と笑う宏に、一同笑みを零す。
 この別荘は本宅と徒歩十五分の距離があるものの、車道と歩道は綺麗に除雪されているので歩く分には何ら支障は無い(それでも圧雪路面だが)。
 しかし、外気温がマイナス十度以下にもなる夜間の雪道移動は少々難儀(ぶっちゃけ面倒)な面もある。
 特に風が強かったり地吹雪になったりすると完璧な防寒対策が必要となる。

(朝はともかく、夜、宴会で深酒した後に歩くと危険なんだよなー。下手したら道端で遭難するかもしんないし)

 だからと言って車を使うとなると十一人全員を運ぶには三往復必要だし、しかも夜の圧雪道路(鏡のようにピカピカ、ツルツルなのだ)を誰かに運転させるのはどうかと思う。

(そこで地元出身の、ほのかさんの出番と相成った訳なんだよね)

 昨夜の事だ。
 帰省初日の宴会後、ほのかから切り出したのだ。

「みんな聞いてくれ。別荘まで歩くのメンドイから、オレがみんなを引っ張ってってやるよ♪ その為に今まで酒、呑まんかったんだ」

 最初は何を言っているのか誰も判らなかったが(ほのかの祖父母や親族達は頷きながらニヤニヤしていた)、準備完了の言を受けて玄関を出たら、妻達から一斉に歓声が上がった。

「おっきなスノーモービルと広いゴムボートだぁ♪」

「な、成る程! 犬ゾリや馬ゾリの進化形か!」

 はしゃぐ若菜と手を打つ宏に、大きく頷くほのか。

「こっちにいる時は、オレが本宅と別荘間を運んでやるよ。何たって、本物の輸送屋(パイロット)、してるからな♪ ……あ、晶はフライトアテンダント経験者なんだから、ここでもドリンクやミールサービス、頼むな♪」

 冗談(本気?)を交えつつ満面の笑みでサムズアップし、ほのかは全員(ブー垂れる晶を除く)から拍手喝采を浴びたのだった。

「ほのかさん、すっげ~。流石、地元出身だけはあるな。もしかして、最初から考えてくれてたの?」

「当たり前だのクラッカ~♪ じいちゃんばぁちゃんもオレが帰ってすぐに、そうしろって強く勧めてくれたしな♪」

 宏はこの時程、妻であるほのかが頼もしく思えた事は無かった――。

(お陰で労せず快適にお祖父さんトコと行き来出来るから、ありがたいよなぁ♪)

 地ビールをチビチビ味わいつつ、見目麗しい金髪碧眼ハーフ美女を見つめる宏。
 実際、ほのか運転の大型スノーモービルに牽引されたゴムボートに乗って森を抜けると、ものの十分と掛からずドア・トゥー・ドアの移動が可能になった。
 これならば手脚が冷たくなる前に暖を取れるし、誰か(夏穂)が酔い潰れて歩けなくなってもボートに放り込めばそのまま運べるし、何より一度の牽引で十一人全員が一緒に移動出来るメリットが大きかった。

(ただ、今回は牽引するから普段の倍、時間が掛かってる、ってほのかさん言ってたけど、その十分弱の時間がまた絶妙なんだよなー。今朝なんて、ほのかさんがハンドル切る度に遠心力でボートが左右に振られるから、ちょっとしたアトラクションと化したし。まぁ、みんな楽しそうにキャッキャはしゃいでるから好いけどさ)

 ほのかの祖父母と一緒に朝食を摂る、との事で、本宅へ向かう途中でほのかがサービス精神を発揮し、わざわざ森の中を遠回りして自然の景色――朝日に白く輝く峰々を眺めたり野生のトナカイの足跡を見つけたり、凍った湖の上で高速ターンしてボートを大きく揺らしたりして北欧二日目の朝を存分に楽しませてくれたのだ。

(雪上ではスノーモービルの機動力に勝るものは無いもんなー)

 ほのかの祖父によると、積雪時は車よりもスノーモービルの方が遥かに小回りが利いて使い勝手が好く、隣近所や近場のスーパーへ買い物に行く際は森を抜けたり凍った湖の上を近道(ショートカット)したりしているとの由。
 宏も、実家にいた頃はリュックを背負い、スキーを履いて雪に深く覆われた田畑や法面(のりめん)を横切り、近所の店に買い物に出た経験が毎年のようにあったので大いに共感したのだった。

「さて、夜も更け寝酒も尽きたし、明日は早起きしての移動日だから、みんな、そろそろ寝ようか。羽田を発ってからの寝不足も今夜で解消させないとね」

 ――ムフ♥――

 当たり前の様に発したひと言が、妻十人の雰囲気をガラリと変えた事に宏は全く気付けなかった――。


     ☆     ☆     ☆


「えへへ~宏ちゃん~。今夜も明るく楽しいエッチ、みんなでしようね~♥」

「ま、今日一日観光して歩き疲れたでしょうから、あたし達が癒して上げるわ。感謝なさい」

 声を弾ませ、純白のスキャンティ一枚でスキップしながら迫る若菜と、声のトーンを落とし、素肌に真っ赤なスケスケのベビードールだけを纏った晶が切れ長の瞳を潤ませながらにじり寄って来た。

(うっわー、二人共、いつの間に脱いだんだ? 今さっきまで澄ました顔して隣でビール呑んでたのに。でもまぁ美女二人に迫られて悪い気しないもんなー)

 相変わらずエッチに積極的な若菜と、相手が誰であろうと後れを取るまいと躍起になる晶。
 リビングの灯りが落とされ、暖炉の炎に朱(あか)く照らされている所為もあるだろうが、二人共、妙に色っぽく見えてしまう。

(若姉の、腰まで届く濡れ羽色のストレートヘアと、肌の白さのコントラストはいつ見ても綺麗だ)

(晶姉の、ヴィーナスが降臨したかのようなボディーラインは至高の逸品だな。腰のくびれなんか、芸術的だし)

 当然(?)、今までおとなしかった肉棒に血液が集まり始め、パンツの中でムクムクと鎌首が持ち上がってゆく。

「――って、その前に」

「「?」」

 ズボンの前を大きく膨らませ雄を強調させながら一歩踏み止まる宏に、妻達の訝しむ目が集まる。
 晶なぞ、明らかに不満気な視線を投げ掛け、口をへの字にし頬も膨らませている。

「若姉、エッチするのは好いけど、今日はベッドルームでしない? ここだと絨毯汚しそうで恐いんだけど? これ、本物のペルシャ絨毯だよ? 昨日は急遽みんなのパンツ並べてその場凌ぎで済ませたけど、もし汚しでもしたら――」

「大丈夫だよ~。汚さないように、ちゃ~んとシーツとバスタオル、い~っぱい、用意してあるから~♪」

「用意? あ……」

 夫の言葉を最後まで聞かない若菜が目線で示す方向には、きちんと畳まれた純白のシーツと毛足の長いバスタオル、そしてフェイスタオルが色取り取りなLED電球で飾られたクリスマスツリーの横に山と積まれていた。
 いつ誰が用意したのかは問わないが、誰も反対しない所を見ると、どうやらみんなしてここでスル気満々らしい。

(暖炉の前には四畳半の大きさのペルシャ絨毯が三つ――か。これ、クリーニングに出せるのか? 弁償したら、いったい幾らになるんだろう? 俺の口座の残高で足りるか? 下手したら滅茶苦茶高いエッチになりそうだなぁ。だったら今宵は静かに交るしかないか。何たって、今日はクリスマスだし、今は聖なる夜だし)

 宏が半分呆れ、半分諦めて二歳上の幼馴染を見ると。

「だって~、暖炉の前でエッチすると身体が妙~に火照ってくるんだも~ん♪ これって~、宏ちゃんとのエッチに燃えてる証拠だよ~♥」

「エッチ自体は否定せんが……身体の火照りは、単に暖炉の遠赤外線効果で体温が上がっただけだろ」

「……若菜さんの場合、『萌えて』が正しい」

 頬を朱(あか)く染め、くねくねと身体を蠢かす若菜に、瞳を眇めた千恵とニコニコ顔の優の冷静な突っ込み。
 しかし、千恵も水色の紐パンのみ纏い、優も蒼と白の縞パンのみ穿いているので、こちらも犯(や)る気満々だ。

「千恵姉と優姉も突っ込む前に若姉を止めるとか――って、そうこうしてるうちにみんな扇情的な格好で並んでるし」

 視線を前に向ければ、暖炉の炎に朱(あか)く染まる妻達の艶姿が。
 宏はゴクリと唾を呑み、視線が外せなくなってしまった。

(夏穂先生は紫色のガーターベルトにお揃いの透けショーツ、 美優樹ちゃんは美脚を強調する黒パンストと白ショーツ、飛鳥ちゃんはピンクのスキャンティで、ほのかさんは豪快にスッポンポン、真奈美さんはベージュのスリップ一枚だけで乳首のピンクとワレメの縦筋が薄っすら透けて見えてるし♥ けど……)

 そして、宏の視線がひとりだけ異彩を放つ者へと移る。

「なして多恵子さんだけ白のハイレグレオタード!? どんだけマニアックなんだよっ。しかも地肌が透けて胸のポッチや股間の縦筋が丸判りだしっ! 誰だ、多恵子さんに要らぬ知識、吹き込んだのはっ」

 突っ込まずにはいられない宏に、応えたのは意外にも――。

「宏さん、似合いませんか? わたくし、これが一番映えて、しかも宏さんのストライクゾーンに最も合ってると思って選んだのですが」

「い゛っ!? これって、多恵子さん自ら選んだんですが? いやまぁ、確かに似合い過ぎてて恐い位、ですが」

「うふふ♪ お気に召して戴いて何よりですわ。飛鳥のレディコミに、殿方はこーゆー格好の方が萌える、って載ってましたの。おほほのほ♪」

「――ってお母さん! また私の漫画、勝手に読んで!」

「た、多恵子さん……」

 泡を食って母親に猛抗議する飛鳥を尻目に、宏は再婚するまで性に対して全くの初心だった多恵子の変わり様に複雑な心境に陥ってしまった。

(エッチに貪欲になってアクメに乱れる多恵子さんも好いけど、初心なままの多恵子さんも好いんだよなぁ)

 外見はティーンエイジな多恵子の昼夜で違う色っぽい姿を想い浮かべただけで、カウパー汁がチビリ出てしまう。
 しかも目の前で展開される光景にも心奪われ、宏の肉棒は完全にいきり勃ってジャージを大きく突き上げ、染みまで浮かべていた。

(くぅ~、ガマン汁噴き出てパンツ濡れ濡れになってるしチンポも疼いて……早く鎮めてぇ~)

 暖炉の前で、ソファーに座る宏を中心に半円状に並ぶ艶姿を順に眺めて行くと、まるで月の満ち欠けを見ているように思えてしまう。
 なにせ、女性陣には天空に浮かぶ満月にも勝る、端麗な膨らみを二つも持ち合わせているのだから。

(上弦の月、新月、下弦の月、なんちって♪)

 宏の正面にいる妻は黒のシルエットになり、炎を横に見る位置にいる妻達は暖炉側が朱(あか)く照らされているので普段以上に胸の膨らみと乳首の高さ(容積?)が強調され、妖艶な事、甚だしい。
 天井からの明かりと違い、炎の揺らめきに合わせて影が動くので妖しく映るのだ。

「みんな……凄く綺麗だ。いつ何度見ても、本当に綺麗だ」

 嘘偽りの無い、心からの言葉が自然と口から漏れ出るのも当然だろう。

「~~~~♥」

 妻達も夫からの賛辞を受けて決めポーズを取ったり恥ずかし気に俯き胸と股間を手で隠したりと、夫婦性活を続けていても性格が表れるから面白い。
 しかも十人の視線は夫の下半身で聳えるトーテムポールに集まってもいる。

「ヒロ! いつまでも鼻の下伸ばして惚けてないで、今夜の一番槍を決めなさいって。後がつかえてるんだからっ」

 急かす晶に視線を向けると、ベビードールの胸元で膨らんだ頂点には遠目からでもハッキリと判る程に尖ったモノが揺れているし、内腿には薄っすらと光る筋も見え隠れしている。

「晶姉?」

 鼻息を荒くし、瞳の潤みも増している事から、我慢ならないのは晶の方らしい。
 暖炉の炎でよくよく見れば、光る筋は溢れ出た愛液が幾筋も滴った跡だ。

「晶姉、いつにも増して発情してるね。まだなんも、キスすらしてないのに」

「う、うるさいわねっ! 能書きは好いから、さっさとその滾ったモノ、出しなさいよっ」

 言われるまでも無く宏はパンツを下ろしながら笑い掛けるが、当の本人はジョークを受ける余裕も無いらしい。
 血走った切れ長の瞳は夫の張り詰めた勃起肉を捉えて離さず、暖炉の炎を爛々と映し出してもいる。

「それじゃ、今日の一番槍は晶姉だね。俺もこれ以上の我慢、出来そうも無いし」

「~~~♥」

 晶を揶揄する宏だが、自身も美女十人の色香にはどう足掻いても抗えない。
 立ち上がり、本日最初の果報者へと向き直るや、両手で腰をそっと抱く。

「晶姉、愛してるよ。――チュッ♥」

「あん♥ ヒロったら硬くて熱いオチンチンをあたしのお腹にゴリゴリ押し当てちゃって、しょうが無い坊やね♪ ん、ヒロ、あたしも愛してる♥ ンチュ~~~~♥」

 夫の無難な(?)采配と晶の満足気な笑顔、そして硬く抱き合い熱々なディープキスを交わす二人に異を唱える者はいなかった。


     ☆     ☆     ☆


「晶さん、今日はいつにも増して昂ぶっていますわね? 夕食に戴いたサーモンのグラヴラックスが原因かしら?」

「あ、いや、それは違うかと。鮭の塩漬けで酔う人、いませんし。でも、ホントに何でああまで発情したんだろ? もしかして……今日一日、宏と肩を並べて街歩きしてたから気分的に昂ぶった……とか? 普段はそんなコト、滅多に無いから」

「……千恵さんの推察通りだと思う。我が姉ながら恥ずかしい。みんな、ゴメン」

 目を見張る多恵子に、小声で囁く千恵が肩を竦め、眉を下げた優がみんなに頭を下げる。

「でしたら今宵は――」

 何か思うところがあったのか、多恵子が女性陣に顔を向ける。

「まず晶さんにご満足して戴いて、その後、わたくし達四人が中心となって宏さんにご奉仕する、と言う段取りで如何でしょう?」

 お屋敷最年長による思い遣りは満場一致ですぐに可決された――のだが。

「それは好いけど、私達四人、ってダレ? なんでご奉仕? 昨日みたく、みんな好きなようにスレば好いじゃん?」

 ただひとりだけ両腕で胸を隠していた長身のツインテール娘が、のほほんと曰(のたま)った。
 そんな、まるで他人事(ひとごと)のように放った言葉に、多恵子の額に青筋が一本、瞬時に浮かぶ。

「!! 飛鳥……、初めての海外旅行に連れて来て戴いたのは……『どこのどなた』、かしら?」

 普段よりずっと低い声で娘に詰め寄る多恵子。
 アルトの美声が今は地の底から這うよう部屋に重く響き、聞く者全ての産毛を逆立てさせた(部屋の隅に積んである薪が一束、音を立てて床に落ちた)。

「「ヒッ!?」」

 表情こそニコ目のままだが全身から発する怒りのオーラは凄まじく、すぐ隣にいた千恵や優が息を呑み一歩退いた程だ。
 流石に飛鳥も母親の尋常ならざる気配に気付いたらしく、慌てて背筋をピンと伸ばし、直立不動で敬礼のポーズを取って畏まる。

「は、ハイッ! ぜ、全身全霊を捧げ、よ、悦んでご奉仕致しますっ!」

 その表情は誰の目にも明らかな程に蒼く、そして引き攣ってもいた。

「判れば好いのよ、判れば。おほほほほ♪」

「「た、多恵子さんは絶対に怒らせないようにしよう」」

 それまでの般若顔を一転、仏のようににこやかに笑う多恵子と、震えつつ互いに抱き合う千恵と優だった。


     ☆     ☆     ☆


「た、多恵子さん、こえ~~~。流石、二児の母。飛鳥ちゃんと美優樹ちゃんを立派に育て上げた貫禄、あるな」

「ホントですね、ほのか先輩。飛鳥ちゃんはリラックスしててすっかり油断してたのね。ちょっと可哀想」

「いいえ、真奈美さん。お姉ちゃんに同情は禁物です。そんなコトしたら付け上がります。天狗になります」

「おいおい、美優樹ちゃんも可愛い顔して言う事はシビアだな」

「いいえ、ほのかさん。シビアに接するのはお姉ちゃんと夏穂お姉さんだけです」

「――って、なんでよっ!?」

「ホラ、こうして自覚も無しに、いつも呑んだくれて宏さんにご迷惑をお掛けしているのは『どこのどなた』、でしょう?」

「ぐっ! ……うぅぅ、美優樹ちゃんのイジメっ娘ぉ。ぐっすん」

「幸い、夏穂お姉さんはこうして自覚している部分があるので、まだ救いようがあります。夏穂お姉さんも、くれぐれも宏さんに捨てられないようにして下さいね。あ、呑み干した缶ビールはきちんと潰して捨てて下さいね」

「ぐはぁ! み、美優樹ちゃん、そ、それ以上言わないで……ウチの心が挫ける~」

「うふふ♪ 夏穂さんも立派な姪御さんを持って幸せですね。美優樹ちゃんの将来が楽しみだわ」

「恐れ入ります。真奈美さんにそう言って戴けて嬉しいです♪」

「み、美優樹ちゃんは確実に多恵子さん似だな。絶対、敵にはしたくないな」

 多恵子と飛鳥の母娘(おやこ)バトルを微笑ましく見つめ、あられもない姿のまま鳩首会談に耽る真奈美と美優樹、やさぐれる夏穂と冷や汗を浮かべるほのかだった。


     ☆     ☆     ☆


「ひ、ヒロ! じ、焦らさないでっ! もっと強く……もっと膣奥(おく)まで突き入れてぇ!」

「ムフフ♥ 晶姉がおねだりする姿は何度見ても萌えるな~。もっと啼かせたい位に♪ しかも入口のトコでヌポヌポ亀頭だけ出し入れすると晶姉の入口が喰い付いて来るから俺がメチャ気持ち好いモ~ン♪」

「お、鬼~~~~っ!!」

(な、なんでもっと激しく求めてくれないのよっ! このあたしが! こんなにも! ご奉仕してるのにぃっ!)

 従弟でもある宏と対面騎乗位で繋がる晶だが、この四歳下の夫は両手で妻の腰を掴み、わざと浅い部分での抜き差しを延々と続けているのだ。
 しかも、こちらが強引に腰を落とすと向こうは腰を退き、こっちが腰を上げると追随するよう肉棒を押し上げるから小憎らしい。

(こ、これじゃ単に挿れただけと変わらないじゃないっ! ヒロの熱くて硬いのを感じてる分、膣内(なか)で動かないから余計切なくなるじゃないっ!)

 二人の媚粘膜同士の摩擦は殆ど無く、しかも竿の半分も挿れてくれないので晶にとっては、もどかしいのひと言に尽きるのだ。

(あぁもうっ! アソコが疼いて仕方無いじゃない! 子宮がヒロのオチンチン欲しがってずっと下がってるのにっ……なのにコイツと来たらっ!)

「ふふ♪ 晶姉の悶える姿、萌える~♥」

 ありったけの想い(怨念?)を込めて横たわる宏の瞳を睨むも、あっさりと返されてしまった。

(こ、このままじゃ歳上女房の貫禄はおろか、筆頭妻としての沽券にも係わっちゃうじゃないぃぃぃぃ――ぃっ!)

 直後、雷に打たれたかのような強烈な電流が全身を貫き、目の前で光りが弾けて脳内が真っ白になった。
 腰を両手で強く掴まれたと思った矢先に不意打ちで子宮口が激しく突き上げられ、溜まりに溜まっていたモノが一気に弾けてしまったのだ。

「そんじゃ晶姉。お望みとあらば、ガンガン! イクからね♪」

 仰向けの夫からの宣戦布告なのだと頭の片隅では理解したものの、性の悦びに打ち震える身体がもはや言う事を聞かなかった。
 夫の突き上げに身体が好いように翻弄され、自分の意志で動く事すらままならない。
 だのに膣肉だけは夫の滾るモノを離すまいと勝手に締まり、腰を強く落とす度に今までの鬱憤を晴らすよう子宮口を自ら抉(えぐ)る動きも加えてしまう。

「あぁ! こ、これよ! これが欲しかったのぉ! ヒロの……ヒロのオチンチンがずっと欲しかったのよぉ!」

 股間から次々と湧き上がる快楽に理性が弾け、無意識に本音が口を衝いて出てしまう。
 愛しき男性(ひと)から与えられる甘美な刺激に、晶は身を任せるだけになった。

「ヒロッ♥ ヒロォ♥」

 膣奥(おく)を突かれ、強烈な性電気を与えてくれる度に愛する男性(ひと)の名前を連呼する晶。

「晶姉♥ 晶姉っ♥」

 落ちてくる腰に合わせて突き上げ、言葉と肉体で応える宏。
 宏が腰を打ち付ける度に晶は愛液を噴き零し、晶が腰を退く度に宏が膣内(なか)の白蜜を掻き出してゆく。
 二人の結合部は白く泡立った蜜で覆われ、まるでメレンゲを塗しているような状態となっていた。

「お、膣奥(おく)まで届いてる! ヒロが膣奥(おく)まで来てくれてるぅ!」

 長大で熱を孕んだ鉄棒によって子宮を突き抜けるのではないかと思われる程に何度も突(つつ)かれ、抽挿の度に己の膣が為す術無く蹂躙されてゆく。
 実際、晶はひと突き毎に軽いアクメを迎えていたのだ。

「ひぎぃっ!? そ、そこはダメ! そ、そんなしたら長く持たない――いぃっ!?」

 宏の片手が弾む胸を捉え、小指の先程に硬く屹立した乳首を指先で摘まみ上げた。
 しかも、焦らされて肥大化した淫核がこれでもかと夫の恥丘で磨り潰されたから堪らない。

「ひぁあああっ!? そ、そんな乳首強く摘まれたらっ……潰れるぅ! あ、あたしのお豆、陵辱されてるぅ!」

 トップスピードで下から腰を打ち付けられ、胸を鷲掴みにされた女体は汗で濡れ光り、暖炉の炎を妖しく映し出す。
 口の端から涎が垂れてしまうが、それ以上に股間の洪水は止(とど)まる所を知らなかった。

(あぁ……淫靡な水音立ててる! グチョグチョ、ビチャビチャ、あたしの蜜とヒロのガマン汁が交じったラブジュースの音、みんなに聞かれちゃってるうぅっ♥)

 こちらがリードしてご奉仕(?)する筈が、いつの間にか形勢逆転しているのが悔しい――けれど、気持ち好過ぎて反撃する気持ちすら起こらない。

(あぁ~~~~♥ ヒロのオチンチン、最高~~~~♥ こ、このまま――)

 身体が熱く火照り、ウェーブの掛かった長い髪が汗で背中に張り付いているのが判る。
 このまま快楽に身を任せて昇天してしまえと、頭の片隅で天使(悪魔?)が囁いてもいる。

「あ、あ、あ、あ、あ、ヒロが膨らんでる! 膣内(なか)で太くなってるっ! ヒロもイクのね!? イッて! あたしの膣内(なか)にいっぱい熱いの注いでっ! あたしもイクからっ! もうらめっ……い、イクッ……」

 そんな蕩け切った女体に、いよいよ夫の灼けたマグマがたっぷり注ぎ込まれると期待に胸を躍らせた矢先。

「そんじゃ、次は多恵子さん、夏穂先生、飛鳥ちゃん、美優樹ちゃんを同時に抱くよ。仰向けと四つん這いに合わさって股間をくっつけてね♪ 俺達のエッチ見てて、充分に潤って準備整ったみたいだし~♪」

 灼けた肉棒が、いともあっさりと離れてゆくではないか。
 ポッカリと男根の太さに空いた膣孔とその寒々とした喪失感たるや、まるで宏が自分達を捨て見ず知らずの女に心移りしたと想像した時以上に甚だしかった。

「――って、ちょっとヒロ! なんてコトしてくれてんのよっ! さっさと膣内に戻ってあたしに射精(だ)してよっ!」

「ごめんねー、晶姉。ここはひとつ、多恵子さん達の『ご奉仕』とやらに与(あずか)ろうと思ってさー♪」

 涙目で猛抗議するも、軽い口調であっさりと拒否られてしまった。
 おまけに、初海外組四人でのご奉仕云々をしっかり聞いていたらしい。
 当然、ご指名に与った四人からは黄色い歓声が上がり、いそいそ、わらわらと集まって取り囲まれてしまった。

(くっ! こ、このまま駄々を捏ねたら、あたしひとりが悪者になっちゃうじゃないっ! こ、こんちきしょ~~~~っ!)

 しかし、抜かれた直後にフル勃起状態の肉棒の上に素股状態で跨ってしまったので、その熱さと硬さ、太さと長さ、そしてビクビクと脈動する刺激がダイレクトに女陰に伝わるので余計に怨めしく、離れがたい。

「た、た、た、多恵子さん達を抱いたら、あ、あ、あ、あたしから再開よっ! 絶対だからねっ!!」

 このまま女の悦びを享受し続けたい想いと筆頭妻としての意地とプライドの板挟みとなった晶は泣く泣く膝に力を籠め、滾る男根から渋々離れてゆく。
 腰を浮かせるにつれ、二人の股間を繋ぐ銀とも白とも取れる何本もの糸が粘っこく引き伸ばされるも次第に細くなり、やがて全て引き戻されるようにプツリと切り離されてしまった。

「ヒロ~~~~、この恨み、忘れないわよ~~~~。食べ物とエッチの恨みは四代後まで祟るんだからね~~~~」

 最後に女の意地で捨て台詞(怨み節?)を吐くものの、周囲の嬌声や歓声に阻まれ誰も聞いてはいなかった。
 晶はシーツに女の子座りしたまま、幼く見えるも多恵子の完熟した淫裂に反り返った男根――しかも自身の白蜜が塗されたままだ――がゆっくり挿(はい)ってゆくシーンを怒りと羨望が入り混じった気分で眺めるしか無かった。

「……ひ、ヒロクンにベッドヤクザが降臨した。クリスマス当日、『性』なる夜だけにお姉ちゃん、ご愁傷様」

 冷や汗を垂らす優の、慰め(?)にもならないひと言。

「「「「……………………」」」」

 そして、見るからに打ちひしがれている晶にどう声を掛けて好いものか思い悩む(でも苦笑いしている)千恵、若菜、ほのか、真奈美の四人だった――。


                                            (つづく)


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