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最終更新 '17.-3.14. お知らせ (リンク集)                                            | Facebook | Twitter |  リンク集 | ▽ このページの下へ |  ライトHノベルの部屋 2014年05月


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     ~ラブラブハーレムの世界へようこそ♪~


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バラード(1) バラード(1) 美姉妹といっしょ♪~新婚編
 
 宏が羽田で雇用契約書にサインしていた頃。

「――との事だ。おめでとう」

 東京湾を挟んだ対岸にある総合女子大では、工学部航空工学科に籍を置く美優樹が二時限目(二コマ目)途中にも係わらず教授棟の一室に呼び出され、担当教授からとある知らせを受けていた。

「そうですか。ありがとうございます。ひとえに加藤教授のご指導の賜物です」

 微笑みつつ一礼した美優樹だが、顔は教授に向けたまま視線を周囲に巡らせる。

(それにしても、相変わらず薄暗くて雑然とした研究室ね。一年中閉めっぱなしのブラインドや出入り口以外の壁に並んだ棚、どこで書き物をするのか不明な程に机上に何十冊も積み重ねられた原書やら論文のコピー、……までなら、一般的な研究室風景なんだろうけど)

 美優樹の担当教授は航空工学の分野で国内トップクラスの権威と知名度を誇り、国内産ジェット旅客機の幾つかと多数の著書を世に送り出す傍ら、楽しく飽きない講義と気さくで明るい性格が相まって学生からの人気や同僚と大学関係者からの人望が抜群に高い教授なのだ。

(そこかしこに貼られた付箋紙や、実験中の素材から何台ものノートパソコンに伸びる色取り取りなセンサーコードの束が床を這い、ヘリコプターや航空機のスケール模型と部分模型がそこかしこに置かれている様子などは、ある意味、最先端技術を開発し追及する航空工学の実験室らしいっちゃ、らしいけど……)

 ここで美優樹の細い眉が寄る。

(クシャクシャに丸められたレポート用紙やら飲み終わったコーヒーの紙コップやらカップ麺の空容器やら作りかけの飛行機のプラモデルまでもが床のそこかしこに散らばって……ホント、整理整頓とは無縁のお部屋ね。しかも、昨晩も使ったとおぼしき寝袋がそのままの状態で放置してあるし)

 幾度となく訪れた教授の部屋ではあるが、十メートル四方の――およそ畳七十二枚分に相当する――部屋が今や足を置く場所を探しつつ時には身体を横向きにして歩かなければならないのは……学生を導くいち研究者としてどうなのだろう。

(美優樹も去年の春、初めてここに来た時は一歩目で何かを蹴飛ばし、二歩目で主翼の金型に躓いて変形させ、三歩目で開発中だった航空機の胴体模型を踏ん付けて粉砕しちゃったし)

 初めてここに来た人が薄暗い中で何も触れず何も踏まずに教授の元へ辿り着くには高スキルが必要なのだ。

(美優樹に宛がわれてる研究室とは大違いね。お部屋の広さはここの半分程度で北向きだけど、日頃から整理整頓を心掛けてるから綺麗だし明るくて開放的だもの。それこそ机に一輪挿しを置いて、美優樹達家族十一人が揃った集合写真や結婚式の時に撮った宏さんとのツーショット写真も飾ってるし♥)

 愛しき男性(ひと)を想い浮かべ、左手薬指に嵌めたウェディングリングを撫でさすりつつ身悶える美優樹だった。
 そんな新妻学生の心中などお構い無しに、教え子への朗報が余程嬉しかったのか、目尻を下げた教授が話をどんどん進めてゆく。

「これで我が航空工学科の株もおおいに上がると言うものだ。もっとも、君からすれば飛び級入学や個性的な衣装、更には十七歳にして学生結婚と注目され続けている所に、今回の件でより一層注目の的となってしまうが……まぁ、これがプレッシャーになったり周囲が五月蠅くなったりするやも知れんが、有名人税だと思って堪えてくれると助かるよ」

 申し訳無さそうに眉を下げる教授に、美優樹は小さく微笑むと両手を腰の前で重ね、長く垂らした栗色のツインテールが床に着く程に深々と頭(こうべ)を垂れる。
 身長百八十センチの九頭身ボディを持つ美優樹は普段着として足首まで隠れる黒の長袖ゴスロリドレスを愛用し、頭には赤く縁取られた黒レースのリボンでツインテールを結っている(白レースで縁取られた黒のヘッドドレスを着用する日もある)ので、入学直後から鳴り物入りの特待生として、そしてその特異な外観と美少女振りとが相まって常に人目を引いていたのだ。

「元より招請された身ですし、今後も特待生の名に恥じぬよう尽力致します。それに……」

 ゆっくりと頭を上げた美優樹は、教授の温かな瞳を見つめながら少しおどけた感じで肩を竦め、微笑んで見せた。

「悪い事で注目を浴びる訳ではございませんし、周囲の喧噪にはもう慣れました」

「そうか。そう言って貰えると助かるよ。もし何か困った事が起きたら遠慮無く言ってくれ。我々航空工学科が総力を上げて対処しよう。何しろ君は一般社会では高校二年生と同じ年代であり、多感なお年頃の娘さんなのだからな」

「重ねての御配慮、痛み入ります」

(もう……、これがせめてもの我々が君にしてあげられる事だ、なんて言われれば、より精進しない訳にはいかないじゃない。これこそ要らんプレッシャーになるのに、加藤教授ったらもう少し学生の心情を察して欲しいわ)

 小さく頭を下げ礼を言うものの内心眉を寄せ、深い溜息を吐(つ)く美優樹。
 しかし美優樹の想いなどどこ吹く風とばかり、教授の口は閉じる事は無かった。

「だからと言って、期待に応えようと無理はせぬようにな。好いアイデアや閃きの神は健全なる精神と肉体に降臨するからな。ま、在学中は女学生らしく交友を拡げ、おおいに遊んで英気を養いつつそこそこ勉学に励み――」

 にこやかな表情に戻った教授は机から身を乗り出し、身振り手振りを交え熱弁を奮い出したのだ。

(あ、拙い。お得意の説法が始まっちゃった)

 教授の弾む声と比例して美優樹の頬が見る間に引き攣ってゆく。

(もう……加藤教授ったら、相変わらずお話が好きなんだから。美優樹、早く宏さんにこの知らせを届けたいのに、これじゃいつまで経っても埒が明かない――って、そう言えば宏さん、今日はお出掛けする、って言ってたっけ。だったら報告はお夕飯の席で好いかしら? その方が皆さんにもお知らせ出来るし)

 今後の段取りをシミュレートする美優樹だが、最後に辿り着く想いはひとつだけだ。

(嬉しい知らせはメールや携帯より直接逢って伝えたいもの。あぁ……早く宏さんに逢いたい♥)

 担当教授の有り難い(?)お言葉は右耳から左耳へとすり抜け、頬を紅(あか)く染めた美優樹の心は愛する宏の許へ飛んでゆく――。


     ☆     ☆     ☆


 その日の夕方。

「それでは皆の者! 宏の就職と美優樹ちゃんのコンペ優勝を祝って乾杯っ!」

「「「「「「「「かんぱ~いっ!」」」」」」」」

 これ以上無い満面の笑みを浮かべたほのかによる乾杯の音頭と歓喜に湧く美女軍団八人の唱和の声が屋敷に響く。

「ありがとう! みんな、ありがとうっ!」

 降り注ぐ祝辞の中心にいるのは、この屋敷の当主であり、十人の美女を妻に持つ宏だ。
 高々と掲げられたグラスひとつひとつに応え、瞳を見つめ合っての返礼に妻達から更なる祝辞が贈られる。
 そしてもうひとり。

「みなさん、ありがとうございます。美優樹、宏さんとみなさんに祝って戴き、すっごく嬉しいです!」

 差し出される九個のグラスに、手にしたグラスをひとつひとつ丁寧に合わせてゆくのは、この秋から大学二年生に進級した美優樹だ(美優樹の通う総合女子大は国際基準の九月卒入学なのだ)。
 いつもの黒のゴスロリドレスを纏い、黒紫の液体で満たされたグラス(カシスジュースだ)を掲げる姿は別の意味で貫禄(?)があるが、宴会の中心としてスポットライトが当たるとお姫様みたく華やいで見えるから不思議だ。
 そんな宏と美優樹の両名が今日の主役となり、上座で男雛女雛よろしく肩を並べているのだった。

「みんな、このひと月ちょいの間、俺の就業問題で多大な心配掛けてゴメン! だけど今日から新たなる社会人として第一歩を踏み出す事が出来ました。これまでのご支援、感謝に堪えません。ありがとう!」

 この屋敷の当主である宏が深々と頭を下げれば、隣ではにかんでいた美優樹も深々と返礼する。

「美優樹も、九月下旬に応募したコンペで優勝する事が出来ました。これもひとえに美優樹の学生生活を支えて下さった皆様のお陰です。ありがとうございました」

 クラッカーが連発して鳴り響く中、湧き上がる歓声と拍手、握手と抱擁の連続技に、宏と美優樹は暫くの間、飲み食い出来無い状態となってしまった。

「いっやー、何だか久し振りに主役になった気がするよ」

 ゲスト扱いの宏はいつも以上にテンションが上がっていた。
 いつもは妻達をホストし、イベントを行ったり宴会を催したりする側なので立場が入れ替わって新鮮味満載なのだ。
 しかも就職が決まり、心の重荷が無くなったので正に浮かれ気分なのだ。

「それに、こーゆー立食形式の宴会も好いね。如何にもホームパーティーって感じで。それに、立ってるのがしんどくなったらソファーや椅子に座れば好いしね」

 屋敷のリビングは二十畳の広さがあり、今回は中央にダイニングテーブルを置いて各種料理や飲み物を置き、壁際に椅子とソファーを寄せての簡易立食形式なのだ。
 片や、いつもはみんなの妹的な立場にいる美優樹も、今日は堂々と主役を張っているので気分も上々らしい。

「ホントですね。自宅で立食パーティーだなんて、友人に話したらビックリされそうです」

 などと鈴を転がすような声で微笑むものだから、宏は九頭身美少女から視線が外せなくなってしまった。
 そんな輝ける主役のひとりへ、眇めた瞳を向けるひとりの美女がいた。

「む~~~~~、美優樹ちゃんに乾杯。ヒロにも……乾……杯」

 ただひとりそっぽを向き、まるで苦虫を噛み潰したような顰めっ面の晶だ。
 もっとも、乾杯の音頭に合わせてちゃんとグラスを掲げたので心底、嫌がってはいないのだと判る。
 それでも早々にソファーのど真ん中に腰を据え、ハイボールをハイピッチで空けているのでご機嫌麗しくは無いらしい。
 当然、そんな筆頭妻のぶっきらぼうな態度が目に留まらない訳は無いが、向けられるみんなの目は同情的だ。

「千恵ちゃん。晶先輩、どうしましょ? こーゆー時、明るく声を掛けた方が好いのかしら?」

「いや、会社の事情を何も知らん人間が下手に慰めると大火傷するから、暫くはそっとしといてやりましょ」

(ホント、晶姉も管理職に就いてから毎日が大変だよなぁ。せめてこの宴会が気晴らしになって明日には笑顔になってくれると好いんだけど)

 大学の後輩でもある真奈美と千恵の言葉に代表されるように、晶は他の妻達の慮(おもんばか)る視線を一身に受けていた。
 宏も従姉である晶の不機嫌な理由に心当たりは無くは無いが、恩師の言葉をひとまず受け入れていた。

『晶ちゃん、お仕事で煮詰まっちゃってるから、少々ご機嫌斜めなのよ。社会人、しかも上級管理職にはよくある事だから、今日はお目出度い席だけど大目に見て上げてね♪』

 などと、宴会開始前に、ほのかから事情を聞かされたと言う夏穂の説明で一同納得していたのだ。
 もっとも、晶はいたわりの視線など我関せずとばかり、すっかりと仏頂面が定着してしまっていたが。
 そんな、リビングの一部に暗部(?)を宿したまま、宏と美優樹を中心にひとつの輪になってゆく――のだが。

「あれ? 美優樹ちゃん、どうして上座から外れたの~?」

 宴会料理に腕を揮った料理長・若菜の驚く声に、晶を除く全員の視線が美優樹に向けられ、そして驚嘆する。
 主役のひとりでもある美優樹がにこやかに、

「特待生としての義務で応募しただけのコンペですので、美優樹にとっては優勝も選外も同じです。ですので、これ以上宏さんと肩を並べる資格はありません」

 と、主役の座を自ら降りてしまったのだ。

「美優樹ったら、満更では無いくせに無理しちゃって。おほほ♪」

 母親である多恵子が「恥ずかしがっちゃって、しょうがない娘(こ)ねぇ」と笑うが、宏の、そして妻達の美優樹を祝う気持ちは何ら変わらない。

(もっとも、俺達の気持ちが判っているからこそ、主役から降りたんだろうな)

 頭ひとつ分高いツインテール美少女の奥ゆかしさに、宏は熱い視線を向けた――のだが、すぐに現実(?)に引き戻されてしまった。
 急遽開催されたダブル祝勝会、しかも主役中の主役へ興奮気味の奥さん達から祝辞その他の雨あられが待ち受けていたのだ。

「それにしても宏! アンタってば、いつの間に仕事、決めて来たのよっ!? そーゆー事は前もって言ってよね! ちゃんとしたお祝い、出来無いじゃない! 有り合わせの食材でしか料理作れなかったし!」

「宏ちゃん、おめでとう~! これで名実共に一家の大黒柱、復活だね~♪ ついでにアソコもおっ勃ててね~♪」

「宏君、就職おめでとう! 私もお屋敷を守る主婦として、より一層、頑張るからね!」

 大きな瞳に薄っすらと光るものを湛えた千恵と満面の笑みを浮かべる若菜の双子姉妹が同時に喋り、真奈美も涙目で誓いを立てる。

「宏先輩、おめでとうございます! 私、これからもずっと応援し続けますっ!」

「宏さん、ご就職おめでとうございます! 美優樹も宏さんに倣って立派な社会人を目指します」

 唐揚げを咥えた飛鳥とソフトドリンクを手にした美優樹の姉妹が紅潮した顔を向け、早口で捲し立てる。

(美優樹ちゃんってば、さっきまで俺の隣で主役張ってたのに、この変わり身の速さ! 黒の衣装を纏ってるだけに、くのいちかっ!?)

 目を見張る宏の、内心の突っ込み。
 その間にも豊満なボディを擦り寄せる奥さん達の祝辞が続く。

「宏さんのご栄転、心よりお祝い申し上げます。わたくしも誠心誠意、これまで以上に宏さんにお仕えいたしますわ」

「宏クン、就活成就おめでとう! いっや~、目出度い目出度い! 美優樹ちゃんも着実に実績作り上げてってるわね! ……それにしても後塵を拝しちゃったなぁ」

 多恵子と夏穂の姉妹も対照的だ。
 姉の多恵子は一度抱き付くや床に正座し、三つ指着いて深々と頭(こうべ)を垂れるし、恩師の夏穂は首に腕を回してプルンプルン揺れる胸元に抱き寄せ、ビアジョッキを高々と掲げては飽きる事無く気勢を上げ続けている。
 ただ、宏は最後のフレーズの真意は判らなかった。
 尋ねようにも、本日の影の主役が真正面に進み出たので聞くに聞けなくなったのだ。

「か~~~っかっかっかっ! いや~~~、こんなに旨い酒は初めてだぜっ♪」

 夏穂同様、ビアジョッキ片手に、既に赤ら顔になっているのは今回、宏を手引きしたほのかだ。

「ほのかさんが尽力してくれたお陰で就職出来たよ。ホント、ありがとう!」

 宏が恩人に頭を下げ、両手を握って感謝の意を表してると、高笑いするほのかの背後で終始顰めっ面の晶がボソッと口を挟んだ。

「何よ、あたしの知らない所で二人して暗躍して! ……フンッ!」

 片手にグラス(今度は日本酒のロックだ)を持ち、サキイカを咥えたまま咀嚼しジト目で二人を睨むその瞳は、怒りよりも別のモノが宿っているかのようだ。
 すると、それを証明するかのように晶の双子の妹でもある優が執り成すよう、宏に歩み寄る。

「……ヒロクン。お姉ちゃんは、見るからにやさぐれた態度取ってるけど――」

 と、ここまで優が口を開いた時。

「あ~~~はっはっはっはぁ! 目出度い! じっつに、今日はお目出度い日じゃ~! か~~~はっはっはっ!」

 中身の入ったビアジョッキをブン回しながら甲高い声で気勢(奇声?)を上げたのは酔っ払い女教師、夏穂だ。
 しかも、ショーツだけ残して着ていた服を一気に脱ぎ去る暴挙まで。

「「夏穂先生!」」

 目尻を下げ鼻の下も伸ばした宏の嬉しそうな声と吊り目がちな瞳を更に吊り上げポニーテールを跳ね上げた千恵の叱咤する声が重なり、

「あらら、夏穂さん、呑み過ぎてついに壊れちゃった?」

「大丈夫だよ~。夏穂先生は、呑めば直るクチだから~♪」

 可笑しそうに声を弾ませる真奈美と、常に屋敷の雰囲気を明るくするムードメーカーたる若菜が茶々を入れ、

「か、夏穂お姉さんってば……宏さんをお祝いする席なのに、すっかりヘベレケになっちゃって。しょうが無いなぁ」

「夏穂叔母さんの、スケベな本性が体現しただけよ。むしろ、こっちが本物だわ」

 細い眉を八の字に下げ苦言を呈する美優樹と眇めた瞳で夏穂の弾みまくる胸を一瞥し辛辣な言葉を投げ付ける飛鳥の姉妹。
 この二人は夏穂にとって姪になり、夏穂のDカップ(八十四センチ)はAカップ(七十四センチ)娘・飛鳥の天敵なのだ。
 更に。

「夏穂ちゃんったら、明日から一年間、禁酒させないとダメかしら? それともこのお屋敷の酒代を五割り増しで全て夏穂ちゃんのお財布から差っ引こうかしら?」

 夏穂の姉である多恵子も眉根を寄せるや妹の肢体を眺めつつ、しみじみと呟く。
 そんな、誰もが夏穂に視線が集まる中、晶だけは相変わらずムッツリだし、何か言い掛けた優も察する事があるのか、姉と恩師を黙って見つめ続けていた――。


     ☆     ☆     ☆


 そして夜遅く。

「うぅ……美優樹ちゃんの膣(なか)、すっごくトロトロに蕩けてて、まるで人肌に溶かしたバターの塊にチンポ、突っ込んでるみたいだ。じっとしてると膣(なか)のヒダヒダがねちっこく絡み付いて来るみたいで……堪らん!」

「み、美優樹も、まさかこんなにも宏さんを感じ取れるとは想像も出来ませんでした。宏さんの熱さとトクントクンって鼓動がお腹の中から直に伝わって来て……このまま果ててしまいそうですぅ」

 正常位で繋がる宏は美優樹のリクエストでスローセックスに励んでいた。
 優や多恵子――美優樹の母親でもある――が宏とのスローセックスの好さを事ある毎に触れ回り、今や妻達の間ではスローセックスブームとなっていたのだ。
 もっとも、従来通りのイチャラブセックスを希望する妻達(千恵とか飛鳥とか)や、激しい交尾を望む声(若菜とか真奈美とか夏穂とか)が無い訳では無いので、宏は夫婦交合の際に結合の強弱をハード、ノーマル、ソフトのいずれかから妻達に選ばせていた。
 ハードは文字通り腰を激しくぶつけ合い抽挿の度に愛液が飛び散るような激しいセックスを、ノーマルは従来通り緩急織り交ぜたセックスを、そしてソフトはスローセックス(どちらも頭文字がSなのだ)を指している。
 一方、一糸纏わぬ宏も美優樹にひとつ、リクエストを出していた。

「素っ裸に黒パンストだけを穿いた姿でエッチさせて♪ 長い脚にコーティングされたナイロンのスベスベが腰と脇腹に回される感触が堪らんのよ♪」

 ご当主のフェチ振りに一同、一瞬呆気に取られるも、もう慣れっこになっているので誰も文句は言わない。
 むしろリクエストされて嬉しいのか、美優樹も鼻歌交じりに全裸からわざわざパンストを穿き直した位だ。
 そんな二人も、今や互いにきつく抱き合って濃密な夫婦性活を味わっていた。

「いいよ、何度でもイって。俺も下手に動いたら射精(だ)しちゃいそうだ」

「我慢しないで、幾らでも射精(だ)して下さい♥ 美優樹は宏さんの熱い情熱、膣奥(おく)にたっぷり欲しいですから」

 相手の瞳に自分が映り、自然と重なる唇と唇、そして熱い吐息が二人を包んでゆく――。
 しかし、そんなイチャラブ真っ直中のご当主に容赦無く突っ込む妻がひとり。

「宏! 食べ物で例えるの、止(や)めてって何度も言ってるでしょ! その食材手にする度に思い出しちゃって大変なんだから!」

 腰まで届くポニーテールを大きく揺らした全裸の千恵だ。
 宏のすぐ隣でペタン座りし、やや吊り目がちの瞳を更に吊り上げ、眉根も寄せている。
 しかしその両手は宏の背中から尻とその谷間を這い回り、時々結合部に指を伸ばしては美優樹の愛液塗れの秘唇を摘んだり撫で擦ったりして合いの手(愛の手?)を入れ、時々熱い吐息も漏らしている。
 しかも、宏の背中に自分の尖った乳首を円を描くように擦り付けてもいた。
 その心は、次に抱いて貰おうと言う無言のアピールなのだから健気だ(周囲にはバレバレだが)。
 そんないじらしい千恵に、ニヤリと笑った若菜から(こちらもスッポンポンだ)、情け容赦無いひと言が。

「姉さん、それで発情しちゃうんだよね~。この間なんか、アワビ持ったまま身の上側を指先でクリクリ弄りながらハァハァ身悶えてたもんね――」

「――って、何をバラしとんじゃ、オノレは~~~~っ!」

「きゅ~……」

「あ、身悶えたのは否定しないんだ」

 美優樹と重なったままの、ご当主からの突っ込みを余所に、瞳を剣呑に光らせ額に青筋を浮かべた千恵のエルボーが若菜の鳩尾に見事に決まる。
 なにせ身長差二十五センチの双子姉妹なので、背の低い姉の繰り出す肘の高さが丁度、妹の腹に来るのだ。

「あらあら、若菜ちゃんは宏君に抱かれる前に戦線離脱ね」

「毎回思うけど若菜先輩、ちっとも懲り無いんですね。ある意味、尊敬します」

 哀れ、一発でのされた若菜は笑いを噛み殺した真奈美と目を見張る飛鳥に手足を持たれ、大股開きにされたまま広大なベッドの片隅へと運ばれてゆく。
 そんな、顔を真っ赤にした千恵が宏にイエローカードを振り回し、茶々を入れた若菜が千恵からレッドカードを喰らって退場する三者漫才に、宏の部屋は爆笑に包まれる。

「あははははっ! いつ何度も見ても楽しい教え子達だわ! うんうん、仲好くて善哉善哉……ゲホゲホッ!」

 ほのか、真奈美、美優樹、そして姉の多恵子以外は教え子と恩師の関係になる夏穂が高笑いし、呑みかけのビールで咽せてしまう。

「夏穂ちゃん、宏さんのお休みになるベッドにまでお酒を持ち込むのは感心しませんわよ? 溢したら大変でしょ?」

「だいじょ~ぶ、大丈夫! 缶ビール持ったままベッドには上がらないから! 呑む時はここにいるから♪」

 こちらは純白のブラとショーツ姿(どちらも繊細なレースが施されたシルク製だ)の多恵子がさり気無く注意するも、夕方からずっと呑み続けている夏穂の顔は既に真っ赤に出来上がっている。
 夏穂は宏の部屋に来るなりベッドサイドに置かれた円卓に陣取り、ひとり祝杯を上げ続けているのだ。

「あははは! ここはかぶりつきの特等席だからね~♪」

 陽気にはしゃぐ女教師に、妻達から小さな笑いが起こる。
 夏穂は既に普段以上の缶ビールを空けているので今日の交合は無理だろうと誰もが思っているのだが、本人はブラとショーツを脱ぎ捨て、シースルーのミニスリップを羽織っているので観覧だけでは済みそうもない。

「……夏穂先生、ヒロクンと交わる気、満々。椅子に座りつつ、さりげなく足を何度も組み直してる」

 宏達のいる位置からは濃いピンクに色付く乳頭や女を示す縦筋がシルク越しに薄っすらと透けて見えるので扇情的な事、おびただしい。
 夕方から微笑みを絶やさない優の分析通り、どうやらご当主へのセクシーアピールらしい。

「あら、バレちゃった? 流石、優ちゃん。見る目が鋭いわぁ。……んぐんぐんぐ……ぷっは~♪」

 今度は膝を大きく開き、無毛の淫裂を堂々と見せ付けても来る。

「夏穂先生、あんまし目の前で魅力的な股間を開かないで下さい。これじゃどっちでイっちゃうのか判らなくなります」

 美優樹と根本まで余す所無く繋がっている宏だが、美優樹の膣肉具合と周囲の妖艶な誘惑(千恵とか夏穂とか多恵子とか)の相乗効果で、一度も抽挿しないまま果てそうになってしまう。
 オマケに、宏の目線が目の前の夏穂(無毛の淫裂)や隣の千恵(プルンプルン揺れる八十四のDカップ)、時々ベッドサイドを通る多恵子(小柄ながら均整の取れたムッチリボディ)に移る毎に、身体に回された美優樹の手足と膣内がキツく締まるのだ。
 見ると、美優樹の長い眉が八の字に下がり、潤んだ切れ長の瞳がじっと自分を捉えて放さない。

『宏さん、今だけでも好いですから美優樹だけを見て下さい』

 まるで、そんな無言の抗議を受けているかのように感じた宏は、お詫び代わりに唇を深く重ね、胸から恥丘までを密着させたまま自分の鼓動に合わせて膣奥(おく)を突き始めた。

 ――トン、トン、トン……トン、トン、トン――。

「あん♥ はぁん♥ あぁんっ♥ ……ぅあん♥ ひぃんっ♥ ひぁあっ♥」

 一定のリズムで恥丘を押し付けるだけだが、顎を上げた美優樹の薄ピンクの唇からは熱い吐息が宏のリズムに合わせて漏れ出て来る。
 美優樹の長い手足はすっかり宏の背中と腰に密着し、きつく抱き締めてもいる。
 愛液が掻き出され周囲にまで飛び散るような激しい抽挿では全く無いが、熱い蜜壷と化した膣肉とフル勃起したペニスの融合は確実に二人の身と心をひとつに溶け合わせていた。

「こ、これが……俗に言う『アヘ顔』ってヤツね。口の端から涎垂らしながら可愛い声で喘いじゃってまぁ、女、してるわねぇ。でも、レディコミと違って目の当たりにすると迫力がまるで違うし、こっちまで濡れちゃうわ」

「あらあらあら♪ 娘のこんなにも蕩けた顔、見るのは初めてですわ。白目剥いて息も絶え絶えで……すっごく気持ち好さそう。これなら、あとでわたくしもおこぼれに与ろうかしら♥」

 美優樹の三歳上の姉である飛鳥が濡れた太腿をもじ付かせながら目を見張り、多恵子の唾を飲み込む音が大きく部屋に響く。
 それまで姦しくしていた残りの面々も最年少奥さんの妖艶なラブシーンに言葉を失い、固唾を呑んでいる。
 そんな、誰もが宏と美優樹のスローセックスを温かく(股間を濡らし生唾呑み込みながら)見守っている中、ひとりだけ仏頂面の妻がいた。

「ったく、いつまでもしょうがねぇヤツだなぁ。ここはオレが一丁、間に入ってやろうじゃねぇか」

 ほのかは薄ピンクのショーツ一枚の(クロッチが笹の葉状に大きく濡れている)色っぽい格好のまま、ベッドサイドの円卓に歩み寄った。


                                            (つづく)


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