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     ~ラブラブハーレムの世界へようこそ♪~


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デュエット(1) デュエット(1) 美姉妹といっしょ♪~新婚編
 
「あー、今日も好い天気だなぁ♪ 空の色なんかホントに澄んでて……昨日までいた東京とは大違いだ」

 極彩色のTシャツと迷彩色のバミューダパンツ姿でひとりデッキチェアに寝そべり、色の濃いサングラスの奥から吸い込まれそうな蒼空を見上げて呟くのは宏だ。
 ブランチを済ませると白い砂浜にビーチパラソルを立て、テーブルに置かれたフルーツカクテルを飲みながらまったりしていた。

「いくら南国でも春先だから肌寒いかと思ったけど……案外温かくて陽射しもあって、すんげぇ過ごしやすいわ♪ みんなも歓んでるみたいだし」

 視線の先には栗色のツインテールをなびかせながら波打ち際を駆け回る飛鳥と、肩まで掛かるセミロングの髪を陽の光に煌めかせ、波飛沫を上げながら姪の飛鳥を追い掛ける夏穂がいた。
 飛鳥は白の長袖シャツに赤のミニスカートと黒のオーバーニーソックスでいつも通りの姿、夏穂は身体に密着したピンクのタンクトップにハイレグ気味のホットパンツ姿と、こちらはいつもより開放的な出で立ちだ。
 二人とも浜辺に靴を脱ぎ捨て、満面の笑顔でキャッキャと歓声を上げながら長い時間走り回っている。

「飛鳥ちゃんと夏穂先生、すっげー元気だよなぁ。昨夜なんて殆ど寝て無いのに」

 宏は陽の光の中で跳ね回る二人の美女に眼を細める。
 背後の大海原と雲ひとつ無い大空と相まって、まるで紺碧の舞台に立つ天女達の舞を見ているようだ。

「それにしても飛鳥ちゃんの長い美脚は、いつ見ても惚れ惚れするなぁ♪

 身体の半分もありそうな長く締まった脚は疲れを知らぬように見事な腿上げ運動を見せていた。
 中学と高校の六年間、陸上短距離選手として日々鍛え上げた賜物、と言ったところか。
 加えて、走る勢いと渚の微風(そよかぜ)でミニスカートが捲れっ放しにもなっている。

「飛鳥ちゃん、今日はピンクのローライズショーツか♪ 昨日の純白木綿パンツと言い、毎回さり気なく俺のツボを突いてくるよなぁ」

 微笑む宏の視線は太腿の絶対領域と無地のショーツがピッタリ張り付いた丸く張りのある尻や、チラチラと見え隠れしている緩やかなカーブを描く下腹部にロックオンされていた。

「しかも無邪気さの中にお色気要素を加えるとは……やる時はやるなぁ」

 夫婦となって四ヶ月近く経ち、飛鳥は夫の好みを知り尽くしているようだ。
 もっとも、その背後に愛読書のレディコミと屋敷のセックスマスターたる若菜の入れ知恵が見え隠れしているのはご愛敬だが。

「夏穂先生も……おぉ~、盛大に跳ねちゃってまぁ。流石、八十四センチのDカップは伊達じゃないなぁ♪」

 宏は二歳年下の後輩から恩師のナイスボディ(身長百七十センチ、上から八十四、五十九、八十八だ♪)に目を移すが、視線は自然と胸元に吸い寄せられてしまう。
 何しろ走る度にお碗型の丘が上下に盛大に揺れ、しかもノーブラらしく双丘の頂点を示す突起まで丸判りなのだ。

「夏穂先生も腰の位置が高いしウェストの括れは素敵だし晶姉やほのかさんと同じ年代に見えるし、ホント若々しいよなぁ。……あれで三十一歳だなんて、地球人の男に対する詐欺だよなぁ」

 本人が聞いたら確実にタコ殴りされそうな事を平然と呟く宏。
 南国の麗らかな空気と少々のアルコールが気を緩めているのかもしれない。

「そしてこっちは……」

 宏は右に視線を移し、浜辺を散策している二人の美女を見つめる。
 そこには真っ白なワンピースに身を包み、鍔の広い帽子を被った小柄な女性と、飛鳥と瓜二つの容姿を持つ美少女が肩を並べ、こちらも裸足のまま時々立ち止まっては笑顔で言葉を交わし合っていた。

「多恵子さんも見かけによらずタフだよなぁ。確か……オトーリで何度も親をやって、その後は晶姉やほのかさんと一緒に三十年もののクースを何本も空けてたような……」

 多恵子は身長百四十八センチと女性陣の中で最も低く、しかも三十七歳には全然見えない若い(幼い?)顔立ちなので、夏穂や飛鳥、美優樹と並ぶと必ず末っ子と間違えられていた。

 ――艶やかな長い黒髪を風になびかせ、黒目がちな二重(ふたえ)の瞳に鼻筋の通った小顔とピンクに煌めく薄い唇。
 額は広く、染みや皺の無い張りのある肌理の細かい白い肌は、どこからどう見てもティーンエイジの令嬢そのもの――

 実際、宮古の空港に降り立った時は出迎えた人々に四姉妹の末っ子として扱われ、本人は黙ったまま終始ニコニコしていた程だ。
 その代わり、誰彼となく長女と間違われた夏穂は「ウチは年長者じゃないっ!」と怒り心頭に発し、笑いを噛み殺した千恵に慰められるひと幕(ハプニング)も起こったが。

「ま、その後の宴会で詳細が判った時の、列席者の驚いた顔に多恵子さんはいたくご満悦してたから、もしかしたら最初(はな)から狙ってたのかもしんないな。多恵子さんって、案外……策士かも」

 年齢の割にお茶目な多恵子を、宏は心から可愛いと思った。

「しかも、見た目は十代なのに八十五(Dカップだ)、五十七、八十九とメリハリのあるボディーは晶姉や若姉とは違う種類の色気と妖艶さなんだよなぁ~。何て言うか……芯から滲み出る熟れた女の色気、みたいな♥」

 昨夜の痴態を思い出してしまい、バミューダパンツの股間部分が急激にキツくなる。
 どうやら今朝方まで続いた5Pの余韻がまだ身体の芯に残っているようだ。

「そして美優樹ちゃんは、ここでもゴスロリ衣装だもんな~。しかも春秋バージョンだから暑くないけど寒くもない、って言ってたから、流石と言うか何と言うか……やっぱり美優樹ちゃんだなぁ。実際、似合ってるし♪」

 ゴスロリドレスは黒を基調に袖や襟、スカートの裾は白のレースで飾られ、ツインテールにした明るい栗色の髪の上には、こちらも同じレースで縁取られた黒のヘッドドレスを載せている。
 姉と同じ顔を持ち、髪型から身長(百八十センチと妻達の中で最も高い)など身体も鏡で映したかのようにそっくりな美優樹だが、注意深く見ていると判る違いがあった。

「ブラが薄っすら透けるシャツで走っても『ほとんど揺れない』飛鳥ちゃんに、ゴスロリドレスでも判る『慎ましやかな膨らみ』の美優樹ちゃん、だもんなぁ。しかも、どちらも俺好みの張りと形したオッパイだから……たまらん♥」

 宏の脳内では、美優樹の真ん丸なお碗型の双丘とその頂のピンクの蕾、そしてAカップブラに包まれた飛鳥の可愛い丘を思い出していた。
 妹の美優樹は八十センチのBカップなのに対し、姉の飛鳥は七十四センチと屋敷一の微乳であり、貧乳がコンプレックスの飛鳥は未だに上半身はブラ姿しか見せてくれないのだ。

「優姉の七十七センチとそんなに違わないって慰めても『三センチも違います! しかも優さんのカップはCで二ランクも違いますっ!』って泣かれちゃったし……。ま、今回の旅で是非とも飛鳥ちゃんの生乳を見たいもんだなぁ」

 飛鳥と美優樹の微乳(美乳♥)を眺めつつ、いかにして飛鳥のブラを外すか画策する宏だった。

「……それにしても、ようやく、下地島(ここ)まで来たんだな~」

 ひとつ深呼吸を吐(つ)いた宏は感慨深げに呟く。
 柔らかな陽射しと温かな微風の中、昨夜の深酒とその後の貫徹エッチ、そしてトロピカルドリンクの効用で宏は猛烈な眠気に襲われた。

「あ~~~気持ち好くて……このまま寝落ちしそう……するから……します…………した……………………くぅ」

 睡魔にあっさりと白旗を揚げた宏は多恵子達の楽しそうな笑顔を眺めつつ、そっと目を閉じた。
 すると瞼の裏には、ここに至るまでの慌ただしさが浮かび上がっては消えていった――。


     ☆     ☆     ☆


 事の急変は、ほのかの出張を知った週末――金曜の夜に始まった。

(ヤバイなー。ほのかさん、月曜に早出出勤してそのまま一ヶ月の実機訓練? しかも、晶姉もフライトアテンダントとしての訓練で最後の一週間を同伴!? それじゃ俺の計画が……。くっそー、大部分を練り直さないとっ!)

 腕の中で安らかな寝息を立てるほのかを見つめながら、宏は背中に冷や汗が流れるのが判った。
 脈拍が早くなり、鏡で自分の顔を見たら顔面蒼白となっているに違いない。

(しかも時間的余裕が全然無いし! ……ええい、こうなったら、ありとあらゆる手段を使ってでも遂行してやる!)

 ほのかを起こさぬよう腕枕をゆっくりと解くとベッドを抜け出し、壁際に置かれた机にそっと座ると光がベッドへ直接届かないようにスタンドの向きを変え、パソコンも起動させる。

(まずは晶姉に渡りを付けて……俺達はこのままで好いとして……新たなる場所が問題、だな)

 幾つもの書類とネット画面を前に、赤鉛筆を握った宏の深謀は空が白み始めても終わる事は無かった。
 そして週明けの月曜日。

「多恵子さん、夏穂先生、飛鳥ちゃんに美優樹ちゃん。今日、これから四人一緒に俺とデートしよう!」

「「「「……………………はい~?」」」」

 春も麗らかな朝食の席での堂々たる宣言に、指名された新妻四人は歓喜の声を上げるよりもポカンとして宏を見つめた。
 返事も尻上がりとなり、茶碗と箸を持ったままあんぐりと口を開けている様子からすると、愛しき男性(ひと)とデートする歓びよりも戸惑いの方が先に来たらしい。
 むしろ夫である宏を、「突然、ナニを言い出したの?」とばかり、胡散臭そう(?)に眉を顰めている。

(あ、あれ? 喜んでくれない!? しかもなに? あの、飛鳥ちゃんや夏穂先生の、妙~に細められた眼は!)

 想定外の反応に、宏の背中に冷や汗がドバドバと流れ落ちる。
 もしもこのまま飛鳥や夏穂からの突き刺さる視線に挫けでもしたら、何度も吟味したプランが全て御破算になってしまう。

「「「「「~♪」」」」」

 一方、席を同じくする妻達(晶、優、真奈美、千恵、若菜)はニヤリとして目配せし合い、大いに焦っている夫に向かって小さく頷く。
 視界の片隅で既存の妻達からのエールを受け取った宏はもう一度、今度はハッキリと腕でひとりひとり指し示しながら声を張り上げた。

「多恵子さん、夏穂先生、飛鳥ちゃん、美優樹ちゃん! 朝食を終えたら俺とデートするよ!」

 名指しされ、真っ先に反応したのは屋敷最年長の多恵子だった。
 身体をビクンと震わせ、小さく頭を振ったかと思いきや、みるみる目元が赤く染まってゆく。

「……デート? 宏さんと……デート!? 宏さんとのデート! 行きます! 行く行くっ! 絶対行きますっ!」

 普段の淑やかさが嘘のように涎を垂らさんばかりに食い付く母親の騒々しさに、飛鳥と美優樹の姉妹も我に返ったのか同じタイミングで手を挙げた。

「わ、私も行く! お母さんに美味しいトコ、持って行かれたくないもん!」

「み、美優樹もご一緒します! あぁ……宏さんとのデート。なんて素敵な日なんでしょう♥」

 飛鳥の小鼻は大きく膨らみ、美優樹の切れ長の瞳は既にハート型に煌めいている。
 しかし、未だ無反応な者がひとりいた。
 多恵子の妹であり、飛鳥と美優樹の叔母でもある夏穂だ。
 眉を軽く寄せて思案気な表情からすると、素直に甘えて好いのか遠慮した方が好いのか、内心で葛藤しているようだ。

「夏穂先生は気が進みませんか? でも、今日は是非とも付き合って戴きたいんですが?」

 ややもすると強引で強い言葉を使う事に宏は躊躇したが、今回ばかりは我を通させて貰う。
 でないと、これから先に進めないからだ。
 果たして、

「ん~~~、判った。宏クンがそこまで言うなら、ウチは喜んで従うわ。学校も春休みでずっと暇だし。……ふふ、考えてみると、宏クンとの初デート、だもんね。だったら、どこまでも……最後の最後まで付き合うからねっ♥」

 教え子のいつにない気迫に感ずるものがあったのか、顔を綻ばせた夏穂はしなを作り、片腕で豊かなバストを持ち上げつつ流し目を向けて来た。
 そんな色仕掛けをかます叔母に、見る間に眉を逆立てた飛鳥が指を突き付けて叫んだ。

「抜け駆け禁止~~~っ! 私もエッチして貰う……って、あぁっ!」

「お姉ちゃん……誰もソコまで言って無いよ?」

 自爆した飛鳥に、ダイニングに笑いの渦が沸き起こった。

「あははっ。それじゃ、準備が出来次第出発だよ♪」

「「「「は~いっ」」」」

 ご当主の掛け声ひとつ、飛鳥、美優樹、夏穂、多恵子は嬉々として屋敷を後にしたのだが……。

「あの……宏さん? 美優樹達、これからどこへ行くのですか? モノレールに乗って羽田まで来たって事は……」

「宏先輩? あの~、デート向けのショッピングエリアではなくチェックインカウンターにいるってコトは、まさかこのまま飛行機に乗る……な~んてコトに……? しかも私達は着の身着のまま手ぶらで来ちゃったんですが……」

 いつものゴスロリドレスを纏った美優樹が戸惑ったように尋ねると、黒のシャツと赤のミニスカ、黒のオーバーニーソックススタイルの飛鳥も恐る恐ると言った感じで声を掛ける。
 二人の視線は羽田空港の巨大なターミナルビルや行き交う人々に向けられ、想像していたデートコースの範疇を遥かに超えているらしい。

「あはははっ! 二人共、黙って付いてけば好いのよ♪ にしても宏クン、一体何を企んで……いやいや、何をしでかすのかな~? 晶ちゃんや千恵ちゃん達をウチ等のお付きにするなんて……いや~、楽しみだわ!」

 片や、不安気な姪を尻目に、いつどこで仕入れたのか缶ビール片手に豪快に笑い飛ばすのは夏穂だ。
 豹柄の長袖シャツ(胸に豹の顔がでかでかとプリントされている)にスリムジーンズの装いで威風堂々と通路中央に陣取るその様は、まるで道頓堀を闊歩するオバちゃんそのものだ。

「「「………………」」」

 そんな公共の場での、とても教師とは思えない言動とファッションに晶と優、千恵は肩を竦めて苦笑いしている。
 浮かれると際限無く昇ってゆく恩師の性格を昔から把握しているのだ。
 真奈美と若菜も、教師の毅然とした態度と休日のくつろいだ顔のギャップが面白可笑しく映っているらしく、ニコニコと笑って見つめているだけだ。

「ふふ♪ こんなにワクワクするの、久し振りですわ♪ こんな間近で外国の飛行機を見るのも初めてですし♪」

 一方、賑やかな面々から一歩離れた位置で終始にこやかに微笑んでいるのは多恵子だ。
 窓の外を熱心に見つめていると思いきや、今度は行き交う人々を楽しげに眺めている。
 ガラス張りの外壁の向こう側ではひっきりなしに国内外の旅客機が離着陸を繰り返し、ターミナルビルには金髪や銀髪など海外からの旅行者も数多く目立ち、英語のアナウンスも盛んに流れている。
 宏は夏穂の太っ腹(?)と多恵子のキラキラと瞳を煌めかせている少女のような姿に微笑みつつ、

「まぁ、ここまで来たら判っちゃうかな? そう、俺達、飛行機に乗って出掛けるんだ」

 ボーディングパスを配りながら、胸を張って本日二度目の宣言をかます。
 そんなご当主に、飛鳥は指を突き付けて叫んだ。

「ひ、飛行機を使うデートって……宏先輩、スケールでか過ぎ!」

「……(コクン)」

 宏の宣言に目を丸くしていた美優樹も、姉と同じ感想とばかり大きく頷いた。

     ※     ※

「あー、やっと着いた。外界の静寂が心に沁みる~、あ~~~、出来れば暫くひとりになりたいー」

 ボーディングブリッジを降りた宏は思いっ切り背伸びをし、心底、安堵の息を漏らしていると、苦笑いした千恵から労いの言葉を掛けられた。

「あはは。お疲れ様、宏。ツアーコンダクターも楽じゃ無いわねぇ」

「まぁ、変な緊張感抱えて静まるよかずっと好いけど……それにしても、みんなテンション高い高い」

 例によって非常に賑やかな機中となったが、十二席あるスーパーシートの区画(エリア)を貸切に出来たお陰で他の乗客の迷惑にならずに済んだのが不幸中の幸い(?)だ。
 宏達一行が三時間二十分のフライトで降り立ったのは、沖縄本島から更に南西へ三百キロの位置にある宮古島だった。

「さて、到着口で宿屋の人が出迎えてくれている筈なんだけど――ぉおっ!?」

 到着ロビーを見渡す宏の視界に、目を疑うようなモノが目に飛び込んで来た。
 晶や夏穂達も気付いたのか、目を丸くし口をあんぐり開けて立ち竦んでいる。
 そこには……。

『歓迎! 宏様御一行、んみゃ~ち宮古島!』

 などと、身の丈は優にある朱書きの横断幕が数多くの人達の手で掲げられていたのだ。

「こ、これは……一体……」

 絶句する宏の元に、見覚えのある年輩の人物と三十代半ばの美女がニコニコと微笑みながら歩み寄って来た。

「……って、会長さんっ! それに副所長さんまでっ!?」

 呆気に取られる宏を余所に、布袋様似の会長(晶の上司だ)は満面の笑みで胸を張り、両腕を拡げて曰(のたま)った。

「ようこそ宮古島へ!」

 会長の音頭を合図に、到着ロビーに集まった人達から一斉に歓声が沸き上がり、どこに隠れていたのかテレビカメラを担いだ、こちらもまた見覚えのあるスタッフが照明さんと音声さん(いずれも晶とほのかが勤める会社の広報部で、宏達の結婚式を日本支社とアメリカ本社に生中継した人達だ)を引き連れて宏達を取り囲み、傍らでは沖縄民謡に合わせてシーサーまでもが舞い始めた。

「……おいおい」

 相も変わらずお祭り好きな会長(と愉快な仲間達)に、宏は眉根を揉みながら天を仰いだ。


                                            (つづく)

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デュエット(2) デュエット(2) 美姉妹といっしょ♪~新婚編
 
「……え~~~っと、晶姉? これはいったい……」

 雲ひとつ無い蒼空の元、宏の目の前には緑眩しい草原がそよ風になびき、その奥の切り立つ断崖の向こうではエメラルドブルーに輝く大海原が果てしなく拡がっている。

「あたしに聞かないでっ!」

 三月半ばにして午後三時だのに陽射しが強く、東京より西南へ千八百キロ下っている所為か既に初夏の陽気だ。
 大海原と暖かな気候、そして遥か遠くに丸く見える紺碧の水平線と相まってどこか懐かしい風景――七ヶ月前に一時(いっとき)過ごした孤島を思い起こさせる。
 そんな大自然溢れる風景の中に、宏達はいた。

「宿屋の人に空港からここまで送って貰うまでは予定通りだったけど……これらの演出は俺が企画したのとは少し……かなり……だいぶ……殆ど……全く! 違うんだけど?」

 唖然とする宏の視線の先には、MCを務める会長(晶の上司だ)が雛壇横に立ち、ノリノリでマイクを握って場を盛り上げていた。
 ここには地元・下地島や隣接する伊良部島、そして伊良部大橋で結ばれた宮古島の人達や偶然居合わせた観光客、そして空港から興味津々に付いて来た人達で溢れかえり、その数はざっと見ても優に二百を超えている。
 なんでも、今朝の島民新聞に、ここ『通り池』で式典が行なわれる記事(コラム)が載っていたそうだ。

「一応、聞くけど……あの被り物のシーサー、あれも晶姉が仕込んだの?」

 オマケに人垣の中心では、空港で見掛けたシーサーが宮古地方の古謡――アヤグに合わせて舞を舞っている。
 それをまたカメラクルーが撮影し、雛壇の左右に置かれた二百インチは優にありそうなマルチスクリーンに映し出されていた。
 下地島の観光名所でもある『通り池』は、もはや完全なイベント会場と化していた。

「まさか! あたしだって、ここまで盛り上がる……じゃない! ここまで演出(色付け)されてるとは思わなかったわよっ」

 激しく首を横に振る晶の視線は、群衆から少し離れた場所で左手にレジャー用の小型ポータブル無線機、右手に業務用と判る大きな無線機を持ってこちらをチラチラと眺めては交互に通信している、紺色のビジネススーツがビシッと決まっている副所長(ほのかの女性上司だ)の姿を追っていた。
 宏も暫く様子を窺っていると、左手の無線機に向かって何か言う度にカメラクルーと会長が動くので、どうやら彼女がこのイベントの指揮者(ディレクター)らしい。

「そ、そう……なんだ。俺はてっきり晶姉が気を利かせたのかと……」

 宏の顔は、ビデオカメラを担いで目まぐるしく動き回るクルー達(晶の同僚だ)にも向けられていた。
 インカム装備のカメラマンを先頭にマイクを掲げた音声さんとライトを握った照明さんがひと組となって会場内を縦横無尽に走り回り、ありとあらゆるモノにレンズを向け、誰彼と無くマイクを向けてはインタビューしている。
 しかもそのクルーは五組もいて、そのうちのひと組は宏が立つ会場後方で主役の登場を待ち構え、もうひと組も常に宏の隣にいてレンズを向けて来るのだから、会長達の並々ならぬ意気込みが窺える。

「俺が企画すると、何でこうも派手になっちまうんだろう……。最初の結婚式もそうだったし」

 複数のカメラに追われるデジャブに囚われた宏は、思わず天を仰いでしまう。

「あたしはヒロに頼まれた立会人として、身内だけで質素な式をこなそうとしてただけよ。だのに、いつの間にか社が一丸となって参加するハメになってて……。まぁ、会長達のお祭り好きを綺麗さっぱり忘れてて式の事をうっかり話した、あたしのミスなんだけど」

 普段とは違って清楚なクリーム色のワンピース(緑色のベルト付き)に身を包み、長い髪をこちらも緑のリボンで首の後ろでひとつに束ねている晶は肩を竦めて夫である宏に詫びの視線を向ける。
 宏も会長のノリの好さを前回の式で経験しているだけに、何とも言いようが無い。

「あ、あはははは……はぁ~」

「ふ、ふふふふふ……ふぅ~」

 乾いた笑いを漏らす宏と苦り切った笑いを零す晶。
 額がくっつかんばかりに顔を寄せ、諦め顔で見つめ合う二人に、赤ら顔の会長から大きな声が掛かった。
 どうやら本番の開始らしい。
 副所長さんも、こちらを見ながら右手の大きな無線機に向かって何やら叫んでいる。
 会場東側に隣接する下地島空港では飛行訓練中なのか、会場内の喧騒に混じってジェットエンジン音が急激に高まり、離陸上昇したのか轟音が徐々に遠ざかってゆく。

「じゃ、あたしは先に行くわね」

 小さく手を挙げた晶は、素早く人垣の後ろを通って正面雛壇に移動する。

「俺もいよいよ、だな」

 緊張で顔が強張るが、気合いで笑顔を作る。
 宏は下地島西端に位置する『通り池』に、海を背に六畳程の一段高い緋色の雛壇を置き、そこに続く幅四メートル程の緋色の絨毯を陸地側に二十メートル程敷いて花道を設けた。
 そして囲い付きのテントを花道の端に二張り立て、一方を宏、もう片方を女性陣の控え所に充てて、ここを式典会場とした。

「それでは新郎の入場で~す! 皆様、拍手でお迎え下さ~いっ!」

 会長の開会宣言に続き、誰が用意したのか軽快なファンファーレが鳴り出し、花道や雛壇を取り囲んでいる観客から一斉に拍手喝采(指笛付き)が沸き起こる。
 中には、手にした白いタオルを頭上でグルグル回しながらその場で飛び跳ねているグループまでいる。
 そこかしこに散っていたカメラクルーも、それらを撮影しつつ宏を取り囲むように集まって来る。

(何だか……G1レースの競走馬になった気分。だけど、まぁいっか。ここまで来たんだ。今更ジタバタしたって仕方無いし)

 すっかりと開き直った宏は正面を見据えて胸を張り、金銀の紙吹雪が舞う緋色の絨毯に一歩を踏み出した。
 当然、それに合わせてテレビカメラ(フルハイビジョン仕様だと、ひと目見て判った)が左右から追従し、雛壇に陣取ったカメラクルーからもレンズを向けられる。

(前回の結婚式よか、何だか熱が入ってないか? 今回のスタッフは)

 左右に陣取る列席者の先頭には、デジタル一眼レフを構えているカメラマンも何人か見て取れる。
 会長が引き連れてきた撮影隊は全員お揃いの淡い緑色のスタッフジャンパーを着ている(左腕には白地に赤で「広報」と掛かれた腕章まで着けている)ので、以外と目立つのだ。
 そして雛壇では、晶が満面の笑みで宏を迎えてくれた。

「白のロングタキシード、今回も似合ってるわよ♪ うん、惚れ直したわ♥」

 立会人である晶の正面に立つと同時に褒められるも、宏は自分の計画より格段に派手になっている式典に内心、冷や汗を流していた。

(いったい、この先どーなるんだろ。フラワーガールを頼んだほのかさんの姿も依然として見えないし。今日、俺達の到着後に宮古空港で合流するって言ってたのに。……仕事、立て込んでるのかなぁ。連絡も取れないし)

 頭ひとつ分高い位置から会場内を隈無く見渡すが、あの綺麗な金髪をなびかせた長身の美女はどこにも見当たらない。
 ほのかの不在を心配し眉根を寄せている宏に、晶が微笑みながら耳元に口を寄せた。

「ほのかなら大丈夫。あとで『すっ飛んで』来るから安心なさい♪ 今はそれよりも――」

 晶の言葉が終わるより早く、再びファンファーレが会場内に鳴り響いた。
 今度は宏の時よりも格段に荘厳で重厚なメロディーラインだ。

(うわっ! 流石、主役の登場だけに音楽まで一級品使ってる! まるで『英国王室の結婚式(ロイヤルウェディング)』みたいじゃん……って、スモークまで焚かれてるっ!?)

 入場の音楽や演出まで頭が回らなかった宏が内心唸っていると、会長の声が一際高まった。

「お待たせしました~、本日の主役の登場です! 皆様、背後にご注目~~~!」

 頭の血管が切れるのではないかと思える程に絶叫する布袋様似の会長に、宏は思わず笑ってしまう。
 実際、額やこめかみには青い血管が幾筋も浮かび上がっている。
 そんな、コントのような司会者(これが外資系企業の日本支社会長だと誰も信じないだろう)を眺めていたら。

「おぉ~~~~」

 どよめきとも感嘆の声とも取れるざわめきが会場を包んだ。
 紅白の紙テープが巻かれて『入場門』と書かれた簡易アーチの下に、純白のウェディングドレスを纏った四人の美女が白いスモークの中から姿を現わしたのだ。
 会場内はそれまでの喧騒が嘘のように静まり返り、全員、新婦の美しさに見惚れている。
 あのカメラクルーでさえ、足が止まって息を呑んでいる様子が手に取るように伝わって来る(それでもスクリーンに四人の新婦を順に撮してゆくのだから広報の肩書きは伊達ではないようだ)。

(多恵子さん、夏穂先生、飛鳥ちゃん、美優樹ちゃん……みんな、すっげ~綺麗!)

 宏も、いつもと違って高貴な雰囲気を纏う美女に魅入ってしまう。
 四人はそれぞれ薄化粧を施し、頭にロングベールと純銀のティアラを載せ、腕にはロンググローブ、首にはチョーカーイヤリングを着けて胸元が大きく開いたシルクのドレスを纏っている点は同じだが、シルエットは大きく異なっている。
 長い黒髪をアップに纏めた小柄な多恵子は足が長く見えるAラインのドレスを、蒼味掛かったセミロングの黒髪はそのままにメリハリのあるボディスタイルの夏穂はスレンダーラインのドレスを、栗色の長い髪をツインテールに結った長身で細身の飛鳥はマーメイドラインのドレスを、飛鳥を鏡に映したかのような美優樹はウェストから大きくスカートが拡がったプリンセスラインのドレスをそれぞれ纏っていた。
 そして手には色違いのリボンで結わいたブーケを持ち、横一列になって緋色の絨毯に佇んでいる。

「まるで……女神が降臨したみたいだ」

 雛壇に立つ宏は自分の見立てにガッツポーズをかまし、新婦達に悟られぬよう採寸してくれた千恵や真奈美に心から感謝した。
 しかし、当の新婦達は頬を染めながらも、どことなく硬い笑顔だ。

(まぁ、無理もないか。デートかと思いきや飛行機乗って車で運ばれた先がこれだもんな~。我ながら少々強引だったかも。でも、テントで事情を明かしたし千恵姉達もそれぞれに付いててくれるから心配無いとは思うんだけど……今朝からの怒濤の展開に気持ちの整理が付いてないのかもしんないな)

 多恵子には千恵、夏穂には優、飛鳥には真奈美、美優樹には若菜がそれぞれエスコート役として控えている。
 いずれも晶と同じクリーム色のワンピースを身に纏い、ヘアスタイルもリボンでひと束に纏めた質素なものだ。
 但し優は朱、千恵は黒、真奈美は黄、若菜は紫のリボンにベルトと、晶同様さり気なく個性を出している(優はショートヘアなのでリボンの代わりにハイビスカスを側頭部に飾っている)。

(優姉達の統一された衣装を見ていると、何だか天界の従者みたいに見えるから不思議だよなぁ。それぞれ清楚で可憐だし……改めて惚れ直すわ♥)

 目尻を下げてそんな事をつらつら思っていたら、新婦の美しさに魅入って暫し黙り込んでいたMC会長の本日一番の大声が付近に響いた。

「そ、それでは新婦『達』の入場です! 皆様、盛大な拍手を~~~~っ!!」

 一瞬の静寂の後、会場内は割れんばかりの歓声と拍手、クラッカーの嵐が鳴り響いた。


     ※     ※


「それでは、これより新郎『宏』、新婦『多恵子』、『夏穂』、『飛鳥』、『美優樹』による人前結婚式を執り行ないます」

 立会人・晶の宣言を受け、会場は一気にヒートアップする。
 カメラクルー三組が宏と新婦を撮り続ける中、壇上の上手(かみて)から宏、多恵子、夏穂、飛鳥、美優樹の順に並び、その対面中央に晶が陣取って式典を進めてゆく。
 雛壇から伸びる緋色の絨毯を挟んでギャラリーが陣取り、宏達に向かって盛んに拍手し、指笛を吹き、足を踏み鳴らして歓待している。
 結婚式自体は珍しくもなく簡単・質素に進むが、見目麗しき花嫁が四人もいるので自然と盛り上がるのだ。

「それでは、新郎新婦による誓いの言葉と指輪の交換です」

 晶が舞台袖に向かって小さく頷くと、上手から緋色の布が掛かったトレイを捧げ持った若菜が静々と歩み寄る。
 そこには宏が晶達に贈った結婚指輪と同じプラチナリングが四対、南国の陽の光を浴びて煌めいていた。

「それじゃ、ヒロ。始めていいわよ。……少し、ゆっくり目でお願い」

 会場の後方にチラリと視線を向けた晶が何かを確認したかのように頷き、宏に指示を出す。

「あ、うん。判った」

 宏は立会人の仕草に気になるものがあったが、今は指輪の交換に集中する。
 なにせ、この式典(イベント?)にして本日最大の見せ場なのだ。
 煌めくリングを手に、最初に最年長の多恵子と向かい合う。
 当然、カメラとマイク(会場内にも音声を流すようだ)が傍に寄り、スクリーンにも大写しとなる。
 会場内は宏達の一言一句を聞き逃すまいと静寂に包まれ、草がなびく音と波が砕ける音しか聞こえて来なくなる。

「それじゃ、多恵子さん」

「はい♥」

 バージンロードを歩き始めてからにこやかな表情となった多恵子が大きく頷く。

「これからは何時如何なる時も、俺と一緒に人生を歩んでいきましょう」

「歓んで従いますわ♥」

 宏は多恵子の白魚のような左手をそっと取り、薬指の根本に薄っすらと残る指輪の跡に新品のプラチナリングをゆっくりと確かめるように嵌める。
 ひとりの未亡人が対外的にも正式に宏の妻となった瞬間だった。

「宏さん、お手を拝借しますわ♥」

 続けて多恵子が宏の左手薬指に――既に六つのリングが納まっているので第一関節と第二関節の間に――リングを嵌め、ひと組目の指輪交換が終わる。
 すると自然に感嘆の声と拍手が湧き上がり、指笛が鳴りシーサーが舞って二人の門出を祝福する。
 新郎の宏、立会人の晶、指輪持ちの若菜は喝采の渦の中、順に下手(しもて)へ移動する。

「夏穂先生」

「……なによっ」

「って、夏穂先生……泣いてます?」

「泣いてなんか無いわよっ! これは……ただ……そ、空と海の反射が眩しいだけよっ」

 口をへの字にし、涙目の顔を背けて拗ねたように言いつつもちゃっかりと左手を差し出す恩師に、宏はつい笑ってしまう。
 姪である飛鳥の天の邪鬼は、案外、この女性(ひと)の遺伝子が遠因かもしれない。

「夏穂先生、これかもご指導ご鞭撻、宜しくお願いします」

「ふんっ! どーせ、ウチは三十路のいき遅れですよーだっ」

「いや、そーゆー意味じゃ無くてですね……」

「ヒロ。先生は泣く程嬉しくて照れてるだけよ」

 耳打ちする晶の言葉を証明するかのように、途端に真っ赤になる夏穂。

「いっ、いいから、さっさと指輪を寄越しなさい! 今度はウチが宏クンに嵌める番なんだからっ!」

 首から上、耳まで茹で上がったかのような夏穂が宏の左手を強引に引き寄せ、半ば強引に指輪を押し込む。

「……夏穂先生」

「あによっ?」

 自分のリングと宏のリングを見つめたままの夏穂が怒ったように応える。

「俺、死ぬまで……いや、天寿を全うしてからも夏穂先生を愛し続けますから!」

「っ!!」

 力強い宣言に夏穂は顔を上げて息を呑み、宏の瞳を見つめるとすぐに俯いてそのまま強く手を握って来た。
 そして硬く目を閉じ、唇を強く噛み締めると、ポロポロと大粒の涙を零した。

「夏穂先生♥」

「…………(コクコク)」

 強く手を握り返す宏に、俯いたまま小さく頷き返す夏穂。
 この時ばかりは一切の物音が消え、映し出される涙は誰がどう見てもダイヤモンドよりも輝き、二人の絆の硬さを周りに知らしめる証となった。

「飛鳥ちゃん」

「は、はひっ!?」

 自身の置かれた状況に戸惑い、更に叔母の女らしい仕草を目の当たりにした所為か、声が裏返る飛鳥。
 それでも、愛しき男性(ひと)とのウェディングは判っているようで、切れ長の目元が薄っすらと赤らんでいる。

「今日まで成り行き任せにしててゴメン。これからは……これからも俺の奥さんとして支えてくれるかな? 俺も全力で飛鳥ちゃんを支えるから」

「宏……先輩♥」

 首から上を真っ赤に染め、言葉も無く首を縦にブンブンと振る後輩に、宏は夏穂似の長い指へ指輪をそっと嵌める。

「飛鳥ちゃんの明るく元気な姿、俺、大好きだよ♥」

 左手を差し出す宏に、飛鳥は今にも泣きそうな顔で宏を見つめたまま何度も頷き、見よう見まねで指輪を手に取る。
 どうやら夏穂の涙が誘い涙になったらしい。

「美優樹ちゃん」

「ハイ♥」

「ホントは黒を基調にしたウェディングドレスを探したんだけど、どこにも無くて……」

「いえいえいえっ! 美優樹は……宏さんと結婚出来て……しかも純白のウェディングドレスまで着させてくれました。だからもう……これ以上の幸せはありませんっ」

 長く垂らした純白のベールを左右に振る美優樹の左手を取り、宏は多恵子似の細くて白い指に指輪を優しく嵌める。
 美優樹もまた、頬を赤く染めながら夫となった男性(ひと)とリング交換を済ませる。

「美優樹ちゃん、これからもひとりの女性として永遠に愛し続けるからね」

「宏さん……♥」

 こちらも切れ長の瞳を潤ませ、熱く見つめる美優樹。
 四人の新婦はここに来た頃の緊張はすっかりと解け、今や宏との結婚式に心酔していた。
 鳴り止まない拍手と指笛の中、式典の残り時間もあと僅かとなった所で立会人・晶が声を張り上げた。

「皆様お待ちかね、『誓いのキス』……の前に! 新婦達へ素敵なプレゼントが贈られます!」

 晶が舞台袖に目配せすると顔を紅潮させた副所長が右手に持った大型無線機で何やら交信し、晶に頷きながらサムズアップする。
 それを待ってから、晶は満面の笑みで蒼穹を指差した。

「それではご列席の皆様、正面左手……南の方角をご覧下さい!」

 会場は西向きなので、全員の視線が晶の指し示す方向を向く。
 すると、雲ひとつ無い蒼空の一点に何やら目映く光る点が見え、小さく揺らめきながら徐々に大きくなって来た。

「ん? あれって……着陸灯を点けた飛行機じゃん。いったい何が……もしかして、さっき飛んでった飛行機か?」

 こんな段取り、組んでないよなーと思いつつ、宏は一際白く光っている着陸灯や青空の中でもハッキリと点灯しているのが判る赤と青の航空灯、等間隔に光る白色閃光灯(ストロボライト)、そして赤く点滅している衝突防止灯を見つめる。
 航空機は機体のシルエットよりも先に、これらの灯火が目に届くのだ。

「ん~? 主翼にエンジンが無いとなると……」

 どんどん近付く機体に目を凝らすと、主翼両端の長いウィングレットから薄いコントレール(飛行機雲)が後方へ長く伸び、胴体後部にエンジンが、垂直尾翼上部には水平安定版(水平尾翼)が見て取れる。
 見掛けの大きさから判断すると飛行高度は二千フィート(六百六十メートル)位……だろうか、フラップが少し下がっているもののギア(着陸装置)は出ていないので着陸する意志は無いようだ。

「あれは……白いボディーに赤のライン? 左右に長い主翼とT型尾翼のシルエットはどこかで見たような……って!」

 瞬き一回分で思い当たった航空機に、今度は宏が指差して叫んだ。

「あの機体はガルフストリームG650! ってコトは、あれはほのかさんが操縦してんのかっ!?」

 その言葉に新婦達も驚きを隠せないらしく、

「ひとりだけいないと思ったら……あんな所に!」

「あれが……ほのかさんが操縦してるジェット機……なんて美しい……」

 などと口々に呟き、それまでの感動を忘れたかのように目と口を真ん丸に開け、迫り来る機体を見つめている。
 宏は視界の隅で晶がニヤリとしたのは判ったが、ほのかの飛んでいる理由がまるで判らない。

「何でほのかさんが空、飛んでんのっ? 新婦へのプレゼントって、ナニ!? それじゃ、さっき離陸してった音は、ほのかさんだったのか!? 晶姉が言ってた『すっ飛んで来る』って、この事っ!?」

 様々な疑問が口を突いて出るが、どれひとつとして明確な答えは返って来ない。
 しかも、ほのかの操縦するジェット機は明らかに滑走路の延長線上から海側に――宏達のいる西側にずれた位置にいる。
 それはつまり……。

「……って、真っ直ぐこっちに向かって来るし!」

 宏が叫び、副所長さんが右手に持った大型無線機に何か叫んだ瞬間。
 左右に伸びる長い主翼と胴体下から赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の煙が一斉に噴出し、迫り来る轟音と共に雛壇の真上を一直線に飛び抜けてゆく。

「こ、これはアクロバット飛行で使うスモーク!」

 会場上空には宏達を祝福するかの如く七色の煙が掛かり、南国の陽射しを受けて色鮮やかに煌めいている。
 それはまるで、紺碧の空をキャンパスに壮大な虹を描いたかのようだ。
 当然、列席者(観客達)からは一斉に盛大な拍手喝采が湧き上がる。
 新婦入場を凌ぐ大歓声だ。

「ほ、ほのかさんの姿が見えないと思ったら、まさかこんなサプライズを! ……って、副所長さんが持ってる大型の無線機って、ほのかさんとの連絡用だったのか!? それで式の進行具合を伝えたりスモーク焚くタイミングを教えたりしてたのか!」

 目を見張る宏に、正解とばかり笑う晶。
 どうやら、このサプライズには晶も一枚噛んでいるらしい。

「晶姉……」

 宏が呆れて(でも大いに感動して)従姉を睨め付けていたら。

「ホラ、もう一回来るわよ♪」

 莞爾と笑う晶の指差す上空に視線を移すと、左旋回で一周した機体が再び虹色のスモークを出し、今度は前回よりも遥かに低い高度で真っ直ぐ自分に向かって来るではないか。
 まるで、上空にいるほのかには壇上のどこに宏がいるのか見えているような操縦だ。
 もしもほのかに低高度高速侵入爆撃をさせたら、宏にピンポイントでヒットする事、間違い無しだ。

「さっきは高度を取って虹を見せるようにパス(通過)して行ったけど……今度はさっきの半分以下の高度じゃねっ!?」

 しかも、飛行機直下の海面が映画の十戒よろしく左右に高々と波飛沫を上げているように見えるのは……気のせいだと思いたい。

「ほのかさん、サービス精神旺盛だなぁ」

 一直線に迫り来る機体を苦笑しつつ眺めていたら、大型無線機に向かって叫ぶ副所長さんの引き攣った声が耳に届いた。

「ほのかちゃん、高度が違うっ! 二回目の高度は二百メートル! 『地上から二百メートル』よ! 『海面から二百フィート』じゃ無~~~いっ!!」

 焦りまくっている声が晶にも届いたらしく、

「ほのかったら、高度の単位と基準点をわざと取り違えてるみたいねー。予定してた高度は今立ってる地面の二百メートル上空だけど、ほのかが今飛んでる海抜二百フィートだと海面からおよそ六十メートルの高さにしかならないわ。……そうね、正面から見てあの飛行機が横に二つ分並んだ高さ、と言ったら判り易いかしら? しかも、ここは海抜十メートルに位置しているから、その分……ね♪ ふふっ、あの娘(こ)ったら、よっぽど貴女達の嫁入りが嬉しいみたいね~♪」

 などと、新婦相手にあっけらかんと笑って解説している。
 因みに、地上高度五十メートル飛行は非常時と戦闘時以外は決して行なわない超低空飛行で、民間では絶対に飛ばない高度だ。
 きっと、空港のレーダーでも機影が消えて管制官が大慌てしている事だろう(もっとも、目の前に管制塔はあるし目視で機体を捉えているだろうから、そんな心配は無いだろうが)。

「あ、あははは……」

 宏は本日何度目かの乾いた笑いを零し、晶も浮かれまくった金髪碧眼娘を想像しているのだろう、宏に向かって肩を竦めて苦笑いする。
 もっとも、

「ほのかちゃん! 応答して! 聞こえてるなら今すぐ上昇してっ! ほのかちゃんってば~~~っ!!」

 大汗掻きながら焦っているのは副所長と会長(真っ青な顔で「ま、またやりおった……」「航空局が……」などと呟きながら脱力していた)だけだし、他のギャラリーからすれば超低空飛行はイベントを盛り上げるスパイスになっているらしく、七色の煙を引きながら真正面から迫り来る(地上すれすれを飛んで来るように見える)ジェット機に向かって盛んに飛び跳ね、手を振っている。
 そんな中、遠くに見えていた機体が見る間に近付き、エンジン音が一気に高まって見掛け上はそんなに速さを感じないスピード(でも実際は猛スピード!)で宏達の真上を通過した……その瞬間。

「きゃぁ~~~~~~っ♪」

「うひゃおぉわぁああああ~~~~~っ♪」

 凄まじいジェットエンジンの轟音と共に会場内からは大きな歓声(悲鳴?)が上がり、その場にいる全員が猛烈な風圧とジェットブラストで一斉になぎ倒された。
 女性陣のスカートは盛大に捲れ上がって色や形、素材の様々なショーツが丸見えとなり、男性陣の帽子やカツラが幾つも宙を舞う。
 当然、安易な重ししか付けていない二張りのテントなぞあっという間に上下逆さになって高々と舞い上がり、備品その他一式の道具類も吹き飛ばされて辺り一面に散らばってゆく。
 強烈な突風で簡易入場門もあっさり倒され、緋色の絨毯花道も捲れ上がってどこかへ飛んで行き、会場内は猛烈な風台風に直撃されたかのような惨状(?)となった。

「あ~ぁ。スモークを綺麗に引く為に二百ノット(時速三百七十キロ)以上は出してるんだろうから、こうなって当然……だよなぁ。まぁ、ホームの線路際に立って目と鼻の先で新幹線の通過を味わうのと似た感覚かも」

 ほのかの操縦に冷や汗を垂らした宏は主催者の責任上、首を起こして周囲に目を配る。

「下が柔らかな草地だったのが幸いだな。全員無事だし笑って歓んでるから何よりだけど……み~んなひっくり返っちゃった。……あ、ブーケトスやライスシャワーする手間が省けたかな?」

 辺り一帯は七色の煙が立ち込め、頭上からは金銀の紙吹雪やライスシャワー用の米、果ては風圧で奪い取られたのか新婦達のブーケまでもが陽の光を浴びながらヒラヒラ、パラパラ、ヒュルヒュルと舞い降りて来る。
 これだけならば微笑ましい光景なのだろうが……。

「ほのかさん、低空飛行するのは好いとして風圧とかジェットブラストとかの影響を考えて――なさそうだな、ありゃ」

 ほのかが通過する直前に伏せるよう叫び、片腕で頭を庇いつつ素早く腹這いになっていた宏(新婦や晶、千恵達も宏に倣って難を逃れた)は立ち上がりながら、翼を左右に振り急上昇しつつ一目散に飛び去る(どうやらヤバイと言う自覚はあるらしい)機体を見送り、そして溜息混じりに呟いた。

「このフライトの始末書、最後は俺が書くハメになるんだろうなぁ。いったい……何枚書けば済むんだろ」

「ま、その時はあたしも手伝ってあげから♪」

 笑いを噛み殺した晶から肩をポンと叩かれる宏だった。


     ※     ※


 つつがなく(?)人前結婚式を済ませた宏達一行は、下地島空港から徒歩十分の距離にある、こぢんまりとした民宿に宿を構えた。
 春休み期間中にも係わらず運良く二階建ての民宿一軒(八畳四部屋で定員は十六人だそうな)を三週間、借り切る事が出来たのだ。
 加えて、その宿の女将(威勢と恰幅の好いオバチャン)が言うには、「最近、温泉を掘り当てた♪」そうで、ここは「海に面した露天風呂のある下地島唯一の温泉宿」なのだとか。
 そんな鄙びた宿を、宏はセカンドハネム~ン先に選んでいた。



「それじゃ、あたいらは一階(ここ)で寝るから、宏と新婦さん達は二階(うえ)を使ってね。襖を外してひと部屋にしてあるから五人で過ごすには丁度好いでしょ。露天風呂も源泉掛け流しだから、朝食から昼食までの間以外はいつでも自由に入れるってさ♪」

 夕方から始まった披露宴(と言う名の宴会)は、航空局から厳重注意(イエローカード)を受けてヘコむ会長さんと副所長さん、会長の不始末(?)をスクープして上機嫌のカメラクルーやほのかと共に操縦していたコ・パイ(副操縦士)の女性、更にお祝いに駆け付けてくれた島の住人達も交えて大いに盛り上がった。
 そして日付が変わってお開きとなり、後は寝るだけ――となった所で世話役の千恵が宏にそう言い、派手な演出(フライト)をかました張本人(ほのか)や立会人役の晶、そしてエスコート役を務めた三人(優、真奈美、若菜)から笑顔で部屋を追い出されたのが五分前。
 二階の和室には宏の他に多恵子、夏穂、飛鳥、美優樹の新婚組が車座になってひと息吐(つ)いていた。

(ほのかさん、今度の週末までここに来れなくなっちゃったけど……まぁ、仕方無い……か)

 超低空飛行をやらかしたキャプテン(ほのか)と否応なしに付き合わされたコ・パイの二人は危険な飛行(フライト)をした廉(かど)で、『始末書プラス罰金アンド明日火曜から金曜夕方までの四日間、訓練場所の空港と寮の往復以外は外出禁止』の罰を会社から喰らっていた。
 もっとも、ほのか自身はあっけらかんとして

「始末書なんてパイロットにとって、ただの紙キレと同じだ。罰金だってオレには自分で稼いだ蓄えがあるし、平日は昼夜訓練に明け暮れるから外出禁止なんて痛くも痒くもないぜ。第一、寮つったって会社が期間中だけ借りた民宿の二部屋だけだし、それもこの宿の三軒隣だからな♪」

 と、クースを何本も空けながら大笑いしていた(とばっちりを受けたコ・パイは「どーして私まで」とクースの大瓶(おおがめ)を抱えながらシクシク泣いていた)。

(ま、訓練期間中だって金曜夜に俺達と合流して月曜の朝はここから出勤するんだから、寂しくはないだろうし)

 などと思いつつ、宏はそれまでの喧騒と打って変わって静まった部屋で新婦達に向かって言葉を掛けた。

「みんな、今日はお疲れ様。今朝から動きっぱなし騒ぎっぱなしで疲れたでしょ? 各自温泉にゆっくりと浸かって疲れを取って下さいね。露天風呂は十人で入っても余裕の広さだそうですよ。俺は流石に疲れたので部屋の隅っこで先に寝てますから……」

 週末からの計画変更やそれに伴う手筈を整えたり関係各所への連絡に明け暮れたりしたお陰で、ここ数日間は睡眠不足だった。
 そして最重要の結婚式や宴会を無事にこなした安堵感でそれまで張り詰めていた緊張の糸が切れ、その上、新郎としてお酌され続けたクースその他のアルコールが効いているので眠くて仕方無い。
 生あくびも頻発し、布団に横になった数秒後には前後不覚に爆睡する事、請け合いだ。

(今夜、やっとまともに寝られるー、明日は昼まで寝るぞー)

 既に半分眠った頭でうつらうつら考えていたら。

「ちょっとぉ~、新妻残して先に寝るとは何事~? 宏クンにはまだまだ重要な仕事が残ってるでしょ~~♪」

 夫の言葉を最後まで聞かず、目元を赤らめ少々舌っ足らずな話し方で絡んで来たのは夏穂だ。
 屋敷を出る時に着ていた豹柄のシャツを纏い、ニヤリと妖しげな笑みを浮かべて宏の左腕を取るとスリスリと胸の谷間に擦り付けて来る。
 そんな猫のような酔っ払い夏穂に、やんわりと、しかし断固とした声で注意する者が現われた。

「夏穂ちゃん? ここに来て独り占めはダメよ。初夜を迎えるのはみんな一緒なんだから♪」

 ぴしゃりと妹を制したと思いきや、多恵子は笑顔のまま熱い(でも咎めるような)視線を向けて来た。

「宏さん? 複数の妻を娶った以上、ひとりだけ先に寝るのは如何なものでしょう? それに、ひとりの女だけを贔屓してはいけませんわ。寵愛を受ける新妻なら、他にもいるのですよ♥」

 宏の右手を取り、はだけたワンピースの胸元から己の胸の谷間に差し込む多恵子。
 これからの展開(エッチ♥)を促す視線を盛んに送る恩師と、妖艶な眼差しとアプローチで誘惑する多恵子に、宏の思考能力は睡眠欲と性欲とのせめぎ合いで焼き切れる寸前にまで追い詰められる。
 何しろ、左腕は夏穂の張りのある双丘に挟まれ、右手は多恵子の柔らかくて温かな双丘の谷間に直接埋まっているのだ。
 それでも、最後の理性を振り絞って年長二人の翻意を試みる。

「あのぉ~、お二人ともかなり酔ってますしお疲れでしょうから、今日は大人しく休んだ方が――」

「「酔ってな~い♪ 疲れてな~い♥」」

 どこぞの双子も裸足で逃げ出すタイミングと抑揚をバッチリ決め、満面の笑顔で夫の言葉を封じる姉妹。
 酔っ払いの「酔ってない」宣言は無敵だ。
 オマケに、この二人が酔うと若菜達同様、明るく賑やかになる。
 もっとも、それだけならば微笑ましくて好いのだが……。

「ひとりだけ服を着ているなんて、無粋ですわ♪」

「宏クン。これから保健体育の補習実地授業を始めます♪」

 いつの間に脱いだのか、モデル立ちする二人はブラとショーツの下着姿になっていた。
 因みに、この二人が「深酒が過ぎると脱ぐ」と知ったのはつい最近だ。
 多恵子は薄ピンク色のデミカップブラとフルヒップタイプのショーツで優雅さを、夏穂は黒のデコルテブラ&ビキニショーツでセクシーさを演出している。

「多恵子さん……凄く色っぽくて綺麗だ! 夏穂先生も……教師辞めてすぐモデルになれます! 二人とも、めちゃセクシーです!」

 部屋の灯りに照らされた、小柄で色白な多恵子やナイスボディの夏穂に好く似合った目にも眩しいランジェリー姿に、脳内で勝り掛けていた眠気が一気に吹っ飛ぶ。
 しかも、身長差はあっても姉妹だけあって「ボン、キュッ、ボン♪」と身体のシルエットが全く同じなのだ。
 丸味を帯びた円やかなボディーラインは見れば見るほど魅せられ、宏の下半身に血液が少しずつ集まり始めた。

「あぁあ……こんなにも綺麗で妖艶だなんて……生きてて好かった♪」

 疼く下半身はそのままに、ぼんやりとセクシー美女に見惚れていたら。

「……って、Tシャツ引っ張っちゃ伸びる……って、あぁ! パンツ脱がしちゃ……っ!」

 下着姿の美女二人によってあれよあれよと一糸纏わぬ姿に剥かれ、いつの間に敷かれたのか隙間無く並べられた五組の布団(縦に三つ、その上へ横に二つ)の上に転がされる宏。

「あの、落ち着いて……んぐぅぐっ!?」

 首をもたげ、取り敢えず落ち着かせようとする宏の口を塞いだのは多恵子の小さな唇だった。
 宏の背後から両手を頬に宛がうと後ろに倒して膝枕の形となり、そのまま覆い被さるようにして夫の唇を貪って来る。
 舌が繰り出されるのと同時に、ほんのりとクースの味が残る芳醇な唾液までもが送り込まれる。

「あらら、姉さんったら、よほど溜まってたみたいね~。まぁ、デートの誘いを受けて勝負下着に着替えて出掛けたらウェディングドレス纏って誓いのキスしちゃえば誰だって堕ちるわなぁ。……まぁ、ウチも同じ気持ちだしずっと身体が疼いて仕方無いから、女として必然なのかもねぇ」

 怒濤の一日であっても、以外と冷静に人を見ている夏穂。
 流石、教師の肩書きは伊達では無い。
 しかし、姉に宏を独占させる気はさらさら無いらしい。

「それじゃ、ウチはまだ可愛い『宏クン』に今日のお礼をしないと♥」

 言いながら切れ長の瞳を細めて舌舐めずりし、仰向けになった宏の両足の間に陣取ると嬉々として勃起途中のペニスを手の平に収めた。

「ふふ♪ 成長中の宏クンも素敵だわ~♥ 適度な太さに重さと温かみがあって皺々の皮を被った先っちょが顔を覗かせて透明な粘液出してて手触りもコロコロしてて吐息を吹き掛けるとピクピク蠢く様子なんか、ジャングルに生息する巨大イモ虫みたいで……美味しそう♥」

 ぐへへへ、と妖しげ(怪しげ?)な笑みを零し、じゅるりと涎を啜すると、そのままパクリと根本まで一気に頬張る淫乱女教師。
 これがかつての恩師であり、現在も高校の教壇で教鞭を執る聖職者とは思えない乱れ振りだ。
 今や、文字通り生殖者と化している。

「……はっ!? って、夏穂姉さんっ!」

「……はっ!? って、お母さんっ!」

 叔母と母親の、これまでにない弾けっぷりに目を点にしていた飛鳥と美優樹が、ようやく我に返った。

「夏穂姉さんっ! そんな変なモノで宏先輩を例えないでっ! リアルにイメージしちゃったじゃないっ! ……やだ、もう先輩のアソコ見れないし触れないっ!! エッチなんてとんでも無いっ!!!」

「夏穂お姉さん、ゲテモノ趣味だったのね。お母さんは……すっかり尻に敷いてるし」

 美優樹の視線の先では、多恵子がブラを外し、ショーツ一枚のまま宏に背を向けて顔面に跨っていた。

「……しくしく」

 こちらの姉妹も酔っているのか、容赦無く夫の心をグサグサと抉(えぐ)る二人だった。


                                            (つづく)

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